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検証 ナチスは「良いこと」もしたのか? 岩波ブックレットNo.1080
902円
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2023/07/07 |
| JAN | 9784002710808 |
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検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?
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商品レビュー
4.2
121件のお客様レビュー
ナチを語るときって、どうしてもポリコレ的な空気を避けられなくて、部分的な肯定も否定もそこから自由ではいられないんだよね。その窮屈さがまずあって、この本もどこか粗を拾って否定の方向に持っていこうとする力が働いてる感じがしてそこが気になった。ミクロに見ればそれが良いことだったかどうか...
ナチを語るときって、どうしてもポリコレ的な空気を避けられなくて、部分的な肯定も否定もそこから自由ではいられないんだよね。その窮屈さがまずあって、この本もどこか粗を拾って否定の方向に持っていこうとする力が働いてる感じがしてそこが気になった。ミクロに見ればそれが良いことだったかどうかなんて本来は個人の価値観次第なんだよな。 ただ、その価値観に他者の合意を得ようとした瞬間にポリコレが関わってきて、そこで合意が得られないのが現代のナチズムに対する評価なんだと思う。 政党の施策なんだから政治的意図があるのは当たり前で、純粋な善意だったのかどうかを問う意味はあまりない。俺が知りたいのは「それを歓迎していた人が当時本当にいたのか」なんだけど、この本はそこをすっ飛ばして意図と効果ばかり語るから少しアンフェアに見える。やたらと取り沙汰す施策がオリジナルだったかどうかより、俺は“どう進めたのか”の方に興味がある。 家族政策をやった、旅行を広げた、安いラジオを配った - でもこれは人口増加や国内生産、戦意高揚のためだった、って…いや、それは戦時下の政党の政策として当然だろ。 「健康帝国ナチス」では“日常的な科学の実践と日常的な残虐行為は同時に存在し得る”という緊張関係を描いていて、その多面性が大切だと紹介しているのに、本書にはその構図はないように感じる。もちろんナチも良かった、なんて今の社会的合意のもとで言えるわけがないのはわかる。だからこそ「健康帝国ナチス」が示していたとされるような、善意の実践と残虐さの実践が同時に存在しうるという緊張感を、もっと誠実に紹介すべきだったんじゃないかな。 もちろん知らなかった事実も多くて勉強にはなったし、俺も全くナチを称揚したいわけじゃない。ただ「良いこと”も”したのか」という問いに対して、もう少し誠実な書き方があってもいいんじゃないかなと思う。ナチも良いことはしてたよ、とアンチポリコレ的な動きを取る気も無いけども、ミクロな視点では、当時の誰かにとっては良かった面もあった可能性は普通にあるだろ、というのが俺の考え。ナチはマクロでは悪である。だから“良いこともしたか”という問いを成立させたいなら、ミクロで語るしかない。しかし本書はマクロのまま否定し続けるので議論が噛み合っていない。 俺はアンチポリコレ側にも立たないし、ナチを称揚する気もない。でも“アンチ・アンチポリコレ側”の本書は、アンチポリコレを叩くことが目的化していて、議論が歪んでいる。 学者ならもっと感情を抑えて書けよな。後書きで自分の炎上経験を持ち出して、異論を“中二的”と切り捨てるのはかなり見苦しいだろ。まあだから炎上するんだろ。
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ナチ党のことをあまり無知な方でも勉強になる。 ブロック構成も非常に理解しやすかった、これまで「ホロコースト」といったイメージしかなかったが、 経済政策(アウトバーン、軍事拡大(による搾取)) 労働者政策(歓喜力行団、安価ラジオ、フォルクスワーゲン) 家族政策(少子化対策、母の日)...
ナチ党のことをあまり無知な方でも勉強になる。 ブロック構成も非常に理解しやすかった、これまで「ホロコースト」といったイメージしかなかったが、 経済政策(アウトバーン、軍事拡大(による搾取)) 労働者政策(歓喜力行団、安価ラジオ、フォルクスワーゲン) 家族政策(少子化対策、母の日) 環境政策(自然保護、動物保護) 健康政策(たばこ、アルコール) などなど、多面的な視点で、ナチの推し進めたことを理解することができた。
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読み終わってみて、「ナチスは良いこともした」ではなくて「背景・文脈から切り離して考えてみればナチスの進めていた政策には参考になるものもある」という言い方で言えたりは出来ないか?と考えてみたものの、そもそも前政権や他諸外国から引き継いだ政策ばかりだから、ナチスを引き合いに出す必要は...
読み終わってみて、「ナチスは良いこともした」ではなくて「背景・文脈から切り離して考えてみればナチスの進めていた政策には参考になるものもある」という言い方で言えたりは出来ないか?と考えてみたものの、そもそも前政権や他諸外国から引き継いだ政策ばかりだから、ナチスを引き合いに出す必要は全く無いという事でした。 歴史学における事実⇒解釈⇒意見というステップを踏む重要性、過去の研究結果を踏まえた解釈を省略する危険性、という最初に触れられる基本を、何度も再認識させられる構成で身に染みた。
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