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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2023/05/24 |
JAN | 9784309030791 |
- 書籍
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かっかどるどるどぅ
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かっかどるどるどぅ
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商品レビュー
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女優になる夢を捨てきれず、つましい暮らしを送る60代後半の悦子。夫を亡くし、舅姑の介護に明け暮れ、気づけば自分を持たぬままに68歳になっていた芳江。大学院を出たものの就職氷河期に重なり、非正規雇用の職を転々とする30代の理恵。そして生きることに不器用で、自死まで思いつめ河川敷に座...
女優になる夢を捨てきれず、つましい暮らしを送る60代後半の悦子。夫を亡くし、舅姑の介護に明け暮れ、気づけば自分を持たぬままに68歳になっていた芳江。大学院を出たものの就職氷河期に重なり、非正規雇用の職を転々とする30代の理恵。そして生きることに不器用で、自死まで思いつめ河川敷に座り込む20代の保――。 それぞれに、ままならない不安な毎日を送る4人は、引きつけられるように古いアパートの一室を訪れるようになる。そこでは片倉吉野という不思議な女性が、自室を開放し、訪れる人たちに食事をふるまっていた――。 孤立し、寄る辺なく生きるすべての人を強く励ます、感動の群像劇。 (以上、Amazonの紹介文より) 目次的には6話構成ですが、6章と見るのが普通でしょうね。 1話は悦子、2話は芳江、3話は理恵、4話は吉野、そして5話は保が主人公となり、自らの来し方を一人称で語ります。このあたりまで読みながら『あん』のドリアン助川さんを思い出していました。どことなく似た雰囲気が有り、なかなか良い感じです。芥川賞を受賞したデビュー作『おらおらでひとりいぐも』を読んだ時「多分、この人はこの一冊だけなのだろうな。でもこの一冊が描けて幸せだったろうな。」と考えた事を思い出しながら、あれから6年、時間をかけてじっくり練り上げたのだろうなと予想以上の手ごたえを感じながら読んでいました。 そして6話。途中から全員が吉野の部屋に集まって話を始めます。このあたりから登場人物が何やら社会的で理想論的な内容を自分の口で発言し始めます。う~~ん。 最後のシーンもちょっと唐突で決めすぎ。 「みんなで生きる」がテーマですが、もっと曖昧で良かったんじゃないかな。言葉で語らせた分、なんか道徳訓っぽくなってしまいました。 併載された「駆け出しの神」という10ページほどの掌編。わざわざ本編とは紙質を変えた凝った作り。雰囲気はあるのですが、少々難解でつかみにくい。舞台となる「八角お山」に何かヒントがあるのかと調べたら、すっかり忘れているけど『おらおらでひとりいぐも』でも出てきた場所の様です。 しかし、そもそも本編のテーマが「みんなで生きる」なのに、これは「一人で死ぬ」話ですからね。併載すべきだったのか? なんかネガティブな事を多く書いてしまいましたが、なかなかいいお話でした。
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萬葉通り商店街での、人情ドラマを描いた作品です。商店街の情景はあまり感じられませんでしたが、ここで働いたり、生活をしたりしている人々の悲喜こもごもにはとても共感することができました。 5人の男女の人生模様が描かれていて、彼らは20代から60代後半まで年齢も幅広いのですが、共...
萬葉通り商店街での、人情ドラマを描いた作品です。商店街の情景はあまり感じられませんでしたが、ここで働いたり、生活をしたりしている人々の悲喜こもごもにはとても共感することができました。 5人の男女の人生模様が描かれていて、彼らは20代から60代後半まで年齢も幅広いのですが、共通しているのは、少し人生に疲れてしまっているということ。そのうちのある女性が、アパートを開放して食事をふるまう活動をされています。その女性もかつて子どもを置いて家出をした経験があったりするのですが…。 彼女の作るご飯を求めて様々な境遇の人々が集まってくる。そしてみんな元気になっていく。 人生を肯定することは結局のところ、他人を肯定して交流することでなされるのかなと思いました。 主要な5人の男女の境遇はというと、夫に先立たれ20年ほど独りで暮らす女性、舅姑の介護疲れで自分の人生を謳歌できず高齢になった女性、院卒なのに非正規雇用者の女性、詐欺にあい自死を考える男性、子どもを置いて家出をした女性、とホントに様々です。 本作を読んで私は、仲間は大事だなと改めて思いましたし、「円卓」を囲んで食事をするのも、序列が感じられなくていいなと思いました。 また、疎外から連帯というムードを感じられるので、心も温まると思います。 そうそう、標題の「かっかどるどるどぅ」について、予想外の展開が待っていました。そこが一番グッときますよ!
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最初は暗い話かと思ったけれど、話が進むと救われるところが出てきた。 私は吉野さんみたいな人になりたい。 後は保が好きだな。不器用だけし辛い目に遭っているのに 「損してなるものか」の気持ちが意外にも根本にないから人として信用できる。 保がいれば大丈夫かもしれない。
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