商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2023/04/20 |
| JAN | 9784166614066 |
- 書籍
- 新書
ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る
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ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る
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商品レビュー
4.2
45件のお客様レビュー
著者の内田さんは、アメリカ合衆国に基盤を持つ小児精神科医だ。 彼女には人生を通してのテーマが3つあり、それは科学、ソーシャルジャスティス(社会正義)、そして人間が大好きだということで、それが重なった部分が小児精神科医という職業だったと言う。なりたいと思っていても簡単になれるもので...
著者の内田さんは、アメリカ合衆国に基盤を持つ小児精神科医だ。 彼女には人生を通してのテーマが3つあり、それは科学、ソーシャルジャスティス(社会正義)、そして人間が大好きだということで、それが重なった部分が小児精神科医という職業だったと言う。なりたいと思っていても簡単になれるものではないので、素養があったとしても、かなり努力をされたことだと思う。 さてこの本は、心理学も含めた脳科学の知見から、そして自分自身の経験や子どもたちと過ごす日々から気付かされたことをベースに書かれている。その背景には決して順風満帆な活動が行われてきておらず、それ故に考えさせられたことが発信源となっているように思える。 人間は社会的動物であり、ほとんどの場合一人では生きられない。そして他者との関係を築く機能は、進化の過程で生存に関わる大事なものとして発達してきた。その結果、集団のリーダーや憧れの人から承認を得ること、あるいは集団内の多くの人と情報を共有できる関係にあることを、生存において有利になる「好ましいこと」と認識し、脳内で大量のドーパミンが放出されるメカニズムができあがった。このドーパミンの放出は私たちに興奮や快楽といった感情をもたらす。このような脳の機能があるため、人間は他者からの「承認」を快楽と見なし、他者からアクションがほしい、他者とつながりたいと感じるのだ。また、放出されたドーバミンの量が下がった後には、もう一度同じ量のドーパミンがほしい、つまりは「もっと承認がほしい」と思うため、ときとしてSNSに中毒的になってしまう。 外敵から身を守られ安全で、食料にもありつけるような現代では、日常的に接する状況のほとんどが直接「生存」に関わるものではなくなったが、相変わらず脳は「生存に好ましい」か「好ましくない」かを優先し、感情を司る脳部位である扁桃体は強く活性化し、強い感情を抱く機能を保っている。また、現代社会における不安や抑うつを感じる状況というのは、先祖たちの時代とは違うので、その状況下で感じている感情が正しいものかどうかの判断も難しくなった。 ネガティブな感情に支配されると「生存のために行動しなきゃ」と無意識に焦燥感に駆られて行動に出てしまうものなのだ。 これらに対処するためには、立ち止まって考え直すカ=「再評価」が必要だろう。 これは、お互いが違う個人だということを認め、「自分や他人の個人としての意思や身体をリスペクトすること。つまり互いの意思を一致させることよりも、むしろコミュニケーションをすることに重きを置くこと=「同意」が大切なのだ。 自分の感情、考え、行動について、正直に向き合い、自分だけでなく相手の立場に立ってエンパシーを持って状況を再度評価してみること。こうして今まで抑制されていた前頭前野を活性化してみると、同じ状況でも全く別の捉え方、あるいは別の視点に気づくこともあるはずだ。 アメリカで生活する上では、トランプとその共和党岩盤支持層、彼の娘イバンカ、そして彼によって指名されたカバノー連邦最高裁判所判事らによる、中絶を禁止すると言う女性の自由を拘束する動きも非常に身近な問題だ。 著者曰く、産めない、あるいは産まない背景にも、さまざまな女性たちの生き方と思いがあり、それぞれの身体に根差す経験があるはずだ。だからこそ、生殖に関わる女性の身体は時々の政治にコントロールされるものではなく、積み重ねられた科学的知見をベースに、何より個々人の尊厳が守られることを大事にしなければならない。女性たちの健康を守るための選択を女性自身が主体的に決定できるようにするのが理想であるべきだ と。
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医学関係の書籍かと思って読み始めたが、タイトルにあるように、社会問題を医師の立場から扱うというアプローチで読み応えがあった。 日本出身の女性がここまでアメリカに溶け込んでいることが分かり、一種感動ものである。 コロナワクチンの問題も詳しく書かれている。1期目のトランプの反動的な動...
医学関係の書籍かと思って読み始めたが、タイトルにあるように、社会問題を医師の立場から扱うというアプローチで読み応えがあった。 日本出身の女性がここまでアメリカに溶け込んでいることが分かり、一種感動ものである。 コロナワクチンの問題も詳しく書かれている。1期目のトランプの反動的な動きを徹底的に叩いているが、2期目に入ったトランプをどのように記述するか興味深々である。
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内田舞さんご自身の経験を踏まえ、他人から攻撃された際(炎上)の対処法から始まり、マイノリティへの差別やマイクロアグレッションに対する向き合い方等、分断を乗り越えるためのエッセンスが盛り込まれた濃い一冊。 炎上時等の他人から攻撃されている際にはただつらいという思いや怒りの感情が先行...
内田舞さんご自身の経験を踏まえ、他人から攻撃された際(炎上)の対処法から始まり、マイノリティへの差別やマイクロアグレッションに対する向き合い方等、分断を乗り越えるためのエッセンスが盛り込まれた濃い一冊。 炎上時等の他人から攻撃されている際にはただつらいという思いや怒りの感情が先行してしまうが、自分の心を守るうえで相手の主張がどのような構造なのかを理解するのが大切。そもそも論点がすり替えられていないか、本当に被害者に問題があるのか…等々、よくある論点のねじれの解説は、つらい状況下にいる際の処方箋になると思った。 また、本書を読む中で一見華々しい経歴に見える彼女が今までいかに努力をされてきたのかが伝わってきた。それは日本にいる際感じた違和感をもとに、自分らしく生きることを決断したからであって、尊敬される存在やスーパーウーマンになりたいと思ったからではない。 正直、内田さんを初めて知った際には自分からはかけ離れた、ある種別の次元の最強の女性(言い方…)と思っていたが、その思い自体がマイクロアグレッションかもしれないし、そもそもそのように思っているのは自分の中で「女性はこうあるべき」といった固定概念があるからなのか?と気づいた瞬間、衝撃を受けた。 本書を読んで、「女性だから」と勝手に自分でボーダーラインを引かずに、自分の生きたいように生きてもいいんだ、と勇気づけられた。「再評価」も参考になりました。
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