商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2023/04/18 |
JAN | 9784003312599 |
- 書籍
- 文庫
兆民先生
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兆民先生
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「描く所何物ぞ、伝記乎、伝記に非ず、評論乎、評論に非ず、弔辞乎、弔辞に非ず、惟だ余が曽て見たる所の先生のみ、余が今見つゝある所の先生のみ、余が無限の悲みのみ、余が無窮の恨みのみ、之を描きて豈に能く描き尽すと曰はんや、即ち児女の泣に代へて聊か追慕の情を遣るのみ」 齢18で兆民...
「描く所何物ぞ、伝記乎、伝記に非ず、評論乎、評論に非ず、弔辞乎、弔辞に非ず、惟だ余が曽て見たる所の先生のみ、余が今見つゝある所の先生のみ、余が無限の悲みのみ、余が無窮の恨みのみ、之を描きて豈に能く描き尽すと曰はんや、即ち児女の泣に代へて聊か追慕の情を遣るのみ」 齢18で兆民に師事し、その死を看取った秋水が、兆民を悼んで書いた「兆民先生」その他の文章が収録されている。引用した冒頭近くの文章を読んだだけでも、秋水の兆民先生に対する敬愛の念がひしひしと感じられる。そしてまた、世間的には成功者とは言えない兆民ではあったが、その生き方、考え方の真髄が、秋水の筆を通して読む者に畏敬の念を覚えさせる。 秋水の文章は非常に引き締まった漢文体で書かれたものであるが、120年ほど前のこの文章を読むことはできるけど、自分では絶対に書けない。文化の断絶だが仕方ないのだろうな。
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