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インドの正体 「未来の大国」の虚と実 中公新書ラクレ793
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2023/04/07 |
| JAN | 9784121507938 |
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インドの正体
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インドの正体
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商品レビュー
3.8
15件のお客様レビュー
・ロシアは1971平和友好条約以来の長年のパートナー。常任理事国としてインドの不利益にならないよう投票してくれる信頼できる相手。ウクライナ戦争を機にインド国内の原油調達先はロシアが一位に。 →ウクライナ侵攻に関する決議は全て棄権 ・最大の民主主義国?インドでは民主主義は生活を改善...
・ロシアは1971平和友好条約以来の長年のパートナー。常任理事国としてインドの不利益にならないよう投票してくれる信頼できる相手。ウクライナ戦争を機にインド国内の原油調達先はロシアが一位に。 →ウクライナ侵攻に関する決議は全て棄権 ・最大の民主主義国?インドでは民主主義は生活を改善する手段ではなくそれ自体を目的として捉える傾向が強い。選挙の手続き、制度がしっかりしていれば自由や平等が達成されたかは問題にならない。 ・過去は多数派の長期政権である国民会議派がムスリムを含めた少数派の意見も阻害しない「会議派システム」が主流だった。 ・BJP(ガンジー暗殺犯を生んだヒンドゥ宗教団体が母体)の政権1998。当時は連立パートナーの力も強かったが、グジャラート州知事モディが強権的な政策で支持を得、2014選挙で大勝、BJPによる初の単独政権に。 ・ムスリムが多数を占めるジャンムーカシミール州(中国、パキスタンとの係争地)の特別な地位と権限を剥奪、インド連邦への完全統合 ・自由民主主義ランキング↓、法の支配指数↓ ・モディ曰く「インドは独立よりもはるか前の古代から民主主義の文化的エートス」「民主主義にはさまざまな道がある」「民主主義の質は他国によってきめられるべきでない」 ・クアッドは海洋国家としての同盟、半大陸国であるインドにはあまり響かない ・在外インド人はインドを支持と上から目線だが、実際はインド系もインド国家を脅威と感じている温度差 ・人口14億超、18歳未満が4億人もいる若い国、GDPは近々世界3位に ・人口の4割は一次産業だが識字率向上、工科大学で優秀な人材 ・ソフトパワー‥ヨガ、カレー、ガンジー(ナショナリズム、スワデーシー運動のBJPとの親和性) ・米中のG2→米中印のG3に?2050年の軍事力は3位も米中に引けを取らない水準に ・
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【内容要約】 インドは制度上は民主主義国家だが、権利保障の実態は脆弱で、州ごとの差異も大きい。モディ政権下でヒンドゥー・ナショナリズムが強まり、中国を最大の脅威とするスイング外交を展開。日本は価値観を押し付けず実利的に向き合うべきだと説く。 【内容】 インドは独立以来、民主主義国家を標榜してきたが、そのあり方は必ずしも西洋型民主主義と同一ではない。選挙制度や議会制といった形式面は民主主義的である一方、司法の遅延、治安機関の強権的運用、恣意的な法執行などにより、市民の権利保護の実態は脆弱であり、民主主義の「質」が低い局面も少なくない。 また、ネルー期以来、開発独裁を経ずに民主主義と計画経済を併存させた体制は、政治的安定を保つ一方で経済効率を損ない、長期にわたる経済低迷をもたらした。 インドは連邦制国家であり、州ごとに政治、法律、言語、文化の差異が大きい。この多様性はインド社会の本質であると同時に、日本人が想定する以上に市場参入や事業展開を困難にしている要因でもある。 近年のインド人民党(BJP)の躍進とモディ政権の成立は、こうした状況に少なからぬ変化をもたらした。ヒンドゥー・ナショナリズムを基盤とする統治姿勢は、イスラム教徒など少数派への圧力や人権問題を一層顕在化させている。経済面では市場開放と外資導入を軸とした「メイク・イン・インディア」を推進するが、法制度や行政運用の整備はなお追いついていない。 外交に目を向けると、インドが中国を最大の戦略的脅威として強く意識していることが浮かび上がる。その背景には、北部国境を巡る領土問題や、過去の中印紛争における敗北経験がある。ロシアとは、冷戦期以来の関係に加え、対中牽制や兵器調達の多様化といった実利的観点から協力関係を維持している。 一方、周辺国に対しては地域覇権国家として尊大に振る舞う傾向も見られ、これが反発を招くことも少なくない。中国と対立しつつも、西洋諸国による価値観の押し付けに対抗する局面では、中国やロシアと連携することもある。 このように、自由民主主義陣営と権威主義国家陣営の双方と、時に協調し時に対立しながら実利を引き出そうとする姿勢は、「スイング外交」と表現できる。これは伝統的な非同盟主義を行動様式として現代化したものであり、今後は複数の国・枠組みと重層的に関係を結ぶ「多同盟主義」へと発展していくと筆者は見る。 インドは当面、人口ボーナス期の継続により経済成長が見込まれ、2050年頃には中国経済に接近し得るとの予測もある。インド政府としては、その将来に至るまでの時間を稼ぐためにも、特定陣営に与しないスイング外交を継続し、実利を最大化する戦略を取り続けると考えられる。 こうしたインドに対する日本の姿勢として、筆者は、価値観の共有や思想的連帯を過度に期待するのではなく、あくまで実利的なパートナーとして関係を築くこと、人権問題については見て見ぬふりをせず、築き上げた信頼関係に基づく対等な立場から意見することの重要性を説いている。 【感想】 非常にわかりやすい文章という印象を受けたが、筆者の現場感覚に裏付けされた意見であり学術的な正確性、裏付けはやや薄いのかなという印象も持った。歴史、文化に関する他の研究の知識、理解も深めないとインドの真の姿は見えてこないのかもしれない。とはいえインド政治の外観とそれを取り巻く環境を知るには便利な実利書だと思う。 フランスの人口学者であるエマニュエル・トッド氏は識字率の向上と出生率の低下の関係を指摘している。それをインドに当て嵌めて考えてみると、インドの識字率は約75%程度といまだに国際比較上低い(とくに女性は7割を切る)。これは人口増継続による経済成長の余地を予感させる。一方でジェンダー差別や階級固定による人権問題への影響も考えると、教育格差是正が課題であり識字率の早期向上が望まれる(こういった自由民主主義的価値観の押し付けがインドの最も嫌うところなので、その支援も一筋縄ではいかないが)。
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インドは難しい。正直あまり関わりたくないという印象を持ったが、対中国における利害の一致と未来の成長力を見ると関わらざるを得ないと実感する。西側・ロシアなど複数の陣営から求められる状況を上手く活用しつつ自国の発展に繋げているのは、したたかであり生き方の上手い国だと感心した。
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