商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 幻冬舎 |
発売年月日 | 2023/03/29 |
JAN | 9784344040892 |
- 書籍
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虚心
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虚心
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商品レビュー
4.1
30件のお客様レビュー
「降り始めからの総雨量800ミリ」は何時間かわからないけど特別警報クラスですよ吉川さん…土砂崩れ起きますって!思い込み捜査と正義を声高に叫ぶ環境派にイライラ。
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すごい作品でした。 シリーズ前作の「雨に消えた向日葵」は途中で犯人が分かったこともありサクサクと読めた反面、面白かったけど物足りないと言うか重みを感じなかった記憶がありますが、本作はいやはや考えさせられました。 主人公の奈良刑事のキャラクターがなんとも魅力的。決して完璧な刑事では...
すごい作品でした。 シリーズ前作の「雨に消えた向日葵」は途中で犯人が分かったこともありサクサクと読めた反面、面白かったけど物足りないと言うか重みを感じなかった記憶がありますが、本作はいやはや考えさせられました。 主人公の奈良刑事のキャラクターがなんとも魅力的。決して完璧な刑事ではなく、失敗も間違いも犯します。けれど一貫として持つ刑事としての意志・信念があり、今回はその矜持が事件解決へと導いた気がしてなりません。 産廃の不法投棄が原因で起きた崩落をきっかけに、かつて同じ土地で起きた最終処分場建設をめぐる反対運動と未解決のままの殺人事件がまさかこんな風に結び付くなんて。すごい。 登場人物が多く、過去と現在を行き来する展開なので読み続けるのにはなかなかのエネルギーを要しましたが、最後まで読んでよかったです。エンタメ性もありつつ、社会問題を読み手に問う重さも兼ね備えています。 本作を読みながら改めてゴミ問題について思いを巡らせました。目を背けずにしっかりと考えて向き合っていかなければならないですよね。 こんなテイストならば、奈良シリーズの続編があることを願わずにいられません。 本作も2クールくらい使って是非ドラマ化してほしいです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『雨に消えた向日葵』の続編。奈良刑事の執念の捜査、再び。事件の被害者家族に向けるまなざしの温かさも涙もろさも健在で、やはり奈良刑事はいい。 「あのとき、街を席巻していた反対派住民は、自分たちこそ正義と信じて運動していた。悪意を持っていたものなど一人もいない。正義の暴走ほど恐ろしいものはない。自分があの時振りかざした正義も、そのひとつだ。」 「地獄への道は善意で舗装されている」とはまさにこのこと。正義や善行を前提としていればなおのこと、先入観が事件の真相を遠ざけ、偏見が正しい未来を見誤らせる。自分の正しさを疑わない時ほど、多数派に属する時ほど、一旦すべてを取り払い、虚心をもって物事に相対さなければならない。
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