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小説 日本の長い一日
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | ART NEXT/日販アイ・ピー・エス |
| 発売年月日 | 2023/03/22 |
| JAN | 9784910825106 |
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小説 日本の長い一日
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商品レビュー
2.8
4件のお客様レビュー
元公安警察が書いた、安倍元首相狙撃事件を基に書き下ろしたポリティカル小説である。半分ぐらい読んだところで、あとはサラッと読んで終わらした。何故か。 勿論小説と謳っている以上、小杉元首相狙撃の真相もフィクションとして書いているのはよくわかる。ただ、CIAや中国の暗躍にいついて、ま...
元公安警察が書いた、安倍元首相狙撃事件を基に書き下ろしたポリティカル小説である。半分ぐらい読んだところで、あとはサラッと読んで終わらした。何故か。 勿論小説と謳っている以上、小杉元首相狙撃の真相もフィクションとして書いているのはよくわかる。ただ、CIAや中国の暗躍にいついて、またそれらの動きの原因となったと思われる日本版CIA(JCIA)を小杉元首相が立ち上げようとした動きについては、なんかいやらしいという感覚がついて回った。極東平和教会(統一教会がモデルなのは明らか)や安保関連三法や軍拡の動きについて今年冬までの情勢は、そのまま殆どリアルになぞっている。 著者は主人公・山田警察庁警備局外事情報部外事課長の呟きを借りて、「陰謀論やフェイクニュースに気をつけなくてはならない」と再三言わせているが、この本全体を通して書いているのは、日本にも「情報戦」を一手に引き受ける「JCIA」が必要だという主張、その一択である。「戦争が起こるぞ。戦争に備えよ。情報戦争プロであるCIAを持て」という「情報戦対処戦略」の一環が本書だと思えて仕方ない。陰謀論を真実のところで把握しているのは私だ、という自意識がぷんぷん見えてきてページを捲れなくなった。 ちなみに狙撃事件の「長い1日」はあっという間に終わって、最終的には2034年まで、近未来まで話はつづいてゆく。全然「長い1日」じゃない。 決してホラーやイヤミスではないけど、一言で言えば、ものすごく気持ち悪い本だった。 私は、情報屋が国の未来を正しい方に導くとは絶対に思わない。現代でも、ウクライナ戦争の未来は、情報を正しく把握し、或いは情報を操作した側が「最終的に」勝つとは思わない。戦争はこの20万年間の人類史の、つい最近かかったウイルスによる深刻な病だと思っている。だとしたら、適切なクスリは必ず作られて、戦争という病は根絶できるだろう。 今年3月発行。今のところ、図書館の予約は居なくなりそうにはない。
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全然一日じゃないし! あの実際の事件にはCIAが絡む陰謀説がおよそありそうな仮説で統一教会がなぜあそこで噴出したかなど上手く構成されているなぁと感心するも、機関、役職名が名が長すぎてそれが読むテンポを悪くするばかりか、登場人物が山田に石田に村田。もうちょっと考えてほしいし、女性は小説定説通り苗字でなく名前で表記してくれないから誰が誰やら迷いそうになった。あくまでフィクションなので少々の無茶はOKなのでもう少し展開を早くしたら面白かったのに実際時間ぐらいに遅遅として進まない状況に眠気猛襲でしんどかった。話がマクロな割に全体的な構成がミクロ過ぎて大胆さが弱い。エンターテイメント性に欠ける。
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まずは、「一日」の話ではなかったこと(マイナス点)。 それどころか、11年にも及ぶ長い話だった。 昨年(2022年)の元首相の暗殺事件を題材にしているということで、興味を持って手に取った。前半は良かった。多分に陰謀論に傾く内容だけど、あくまで「小説」として面白く読めた。が、後半は、事件を発端に、日本にも独自の情報局を作ろうという話になり、それが10年続く。 あとは、もの書きのプロによる筆ではない点がマイナス。 一番読みにくいのは、会話の「」と、内面の思い、モノローグも同様に「」で括られていて、最後まで慣れることなかった(これはどっちだ?と都度、立ち止まる感じ)。こんなの、編集、校正の段階で、簡単に直せると思うのに、なんで放置?? といった欠点はあるものの、面白く読めたのは、近頃、喧しい情報、インテリジェンスにまつわるお話だったからだろうか。少し前に読んだ池上彰氏によるスパイものの本や、毎日新聞社によるOSINTという情報活動にまつわるルポの影響で、本書も手にしたのかと思ったが、図書館に予約を入れてからしばらく日が経っていて思い出せない。書店に陳列されている画像を押えてあったので、多分、書店でたまたま見つけて興味を持ったのだとは思うが。 ということで、2022年7月の元首相暗殺狙撃事件の当日から物語はスタート。本書タイトルのとおり、この一日が具に語られていくのかと思ったが、日時は刻々と過ぎて行く。 ともあれ、この暗殺の背後には、宗教団体が関与していて、さらにその背後にはアメリカ(=CIA)の存在があったことを仄めかしながら話は進む。さらには、この事件に、世間の注目が集まらないように、国民が関心を寄せそうな別の事件をぶち上げるという裏工作もアメリカが仕掛けてきているという、陰謀論が存分に展開されていく。ただ、そのぶち上げる別件も、元首相の暗殺事件が実際にあった事件であるのと同様に、東京五輪2020に絡んだ実際の大規模収賄事件である点が面白い。そのタイミングも、まさに、元首相暗殺事件にこれ以上注目が集まらないよう、世間、マスメディアの目を逸らすかのように展開されていたんだぞと、事実と符合するように、本作「小説」の中で語られていく。なかなか面白い。 もっともっと、宗教団体の闇(旧統一教会は、KCIAとCIAが反共のために作ったもの)や、暗殺の意図について、深掘りしてくれるのかと思ったら、主犯者などが自殺してしまい真相究明には至らない。そこは、実際に分かっていたとしても、踏み込んではいけない領域と著者も筆をおさめたか? いろいろ妄想が膨らむ。 後半は、故に、日本独自の情報機関、JCIAの設立が必要だ、ということで、登場人物たちがその後10年間、奮闘努力するのだった。 ちょっと尻切れトンボ感はあるのだが、本書を読んで、あれこれ日本の置かれた状況、国際情勢、今後の情報の見方、捉え方を再考する“材料”を提供してくれている一冊として、読んでおいて損はないと思うところ。
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