
商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 彩流社 |
発売年月日 | 2023/02/24 |
JAN | 9784779127649 |
- 書籍
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夕霧花園
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夕霧花園
¥3,850
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
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日本の戦争責任やゲリラの所業、生き残った主人公の葛藤などは、興味深く読み進めてられたが、ホリモノの話以降はリアリティーを感じられず置いてけぼりになってしまった。後半はファンタジーだと思えば、面白いかな。 死と忘却のすぐ近くにいる老人のユンリンが、因縁の地で過去を振り返り、思い出して綴っていくスタイル。
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熱帯の高原の湿り気と肌寒さが一体になったような雰囲気の文章が心地よく翻訳であることを感じさせない。まさに読書の楽しみ。 時間が行き来して戸惑いながらも読み進めると登場人物たちが生きることで失ったもの、無理やり失わされたものが浮き上がってくる。日本人の読者として読むのが辛い部分も多...
熱帯の高原の湿り気と肌寒さが一体になったような雰囲気の文章が心地よく翻訳であることを感じさせない。まさに読書の楽しみ。 時間が行き来して戸惑いながらも読み進めると登場人物たちが生きることで失ったもの、無理やり失わされたものが浮き上がってくる。日本人の読者として読むのが辛い部分も多いし、入れ墨のくだりはちょっと虚構がすぎるかなとも感じるけど、登場人物皆が少しづつ秘密を抱えて生きているのも事実。その記憶もいつかは失われていくけどこの世界は残り続ける。 P434 わたしたち人間もまた彼ら(蝙蝠)と同じだろうか?発した言葉と言葉の合間に横たわる沈黙の意味をくみ取ることで人生の進路を定め、記憶の反響を確かめながら今の立ち位置を知り、取り巻く世界の位置付けをしているのだろうか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
物語は3つの時代、戦時、戦後、現在を行ったり来たりするんだけど、最近はやりの19xx年x月、2022年x月といったような”項”がない。なので、段落と文章からああ、これは戦後だなといったように気づかなければ頭がこんがらがってくる。また前半はなかなか的を得ないだらーっとした件が続くのでなかなか内容が頭に入らず苦労した。 そのぶん中盤から作者の時代切り替えの癖にも慣れ、内容も把握し、主人公の胸中に同調し始めると一変して面白くなる。ずーっと探し求めた「収容所」の場所、そして姉の求めた庭園、それがどんどん近づいてくる。複雑に絡められた糸は読み進めるにつれて解れ一本の糸になっていく。 この本が映画化されたことは帯で分かったけど、これは映像で見たほうが美しくわかりよいだろうなぁとは思ったけど、実際予告編を見てがっかりした。やっぱり小説の映画化はみるもんじゃないな、想像のほうがずっと上回っている。庭師であり浮世絵師であり彫り物師、主人公へ彫った刺青が如何様ものなのかと想像する。刺青を彫るまでに至るやり取りや、庭師の弟子入りなど、いろんなところで会話のやり取りが脈絡もなくごり押しっぽいところだらけだったんだけど、海外小説だから無理やり納得して読まねばならないところもしばしば。それでもホロコーストの行われたアウシュビッツ然りで、大日本帝国軍の所業は耐え難い。いまだ中国、東南アジア諸国でいいように見てもらえないのもやむなしだ。南京虐殺も普通にあっただろうし今のロシアを非難できない。まぁ、戦争になれば紳士もレイプ魔になるんだろう。人間など業でしかない。 欲望まみれの醜い人間の所業とその人間が作り出した美しい庭園。その相反する世界が織り込まれた一作だった。これは日本人には書けないな。
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