商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 作品社 |
発売年月日 | 2023/02/01 |
JAN | 9784861829567 |
- 書籍
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ミダック横町
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ミダック横町
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3.9
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エジプトの首都カイロの1944年~45年ごろを舞台にした長編小説。金持ちが乗る交通手段は馬車、家には電気が届いていないという生活が描かれる。ミダック横丁に住む若者は刺激を求めて外の世界へ巣立つことを夢見ており、大人たちはそれぞれの持つ怠惰な欲望と戯れている。 イギリス軍の駐留が...
エジプトの首都カイロの1944年~45年ごろを舞台にした長編小説。金持ちが乗る交通手段は馬車、家には電気が届いていないという生活が描かれる。ミダック横丁に住む若者は刺激を求めて外の世界へ巣立つことを夢見ており、大人たちはそれぞれの持つ怠惰な欲望と戯れている。 イギリス軍の駐留がもたらす外貨、風習などの異世界的価値観がミダック横丁を揺さぶることになるのだが、外国の軍隊は直接的に語られるわけではなく、<見えないが在るもの>として描かれる。このあたりは、作者の考え方が顕れているのかもしれない。外に求めるのではなく内に問う、そのような態度があるのではないか。 章ごとに描かれる登場人物が変わり、それぞれの章の人間描写の奥深さに、読書の至福を味わう思い。心理を描写するわけではないのだが「手に取るように心理が分かる」式の小説で、おそらく翻訳も良いのだと感じる。 割と牧歌的な前半から中盤を過ごすと、悲劇に向かって一直線の終末が待っており、読ませる。映画化・ドラマ化には最適だろうなと思わせる展開。 しかし一方で、映像では表現しにくいだろうと思われる「悲劇も喜劇も飲み込んで泰然とした横丁」だという、文字の芸術でなければ味わい得ない表現も散りばめられていて、深い満足感がある。
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アラーの神を信じる人達の本を読んだのは 初めてかも知れない。横丁の人達の人間模様や 心のうちは理解出来るが不具を作ったり、死人の金歯を抜いたり、壮絶なラストの直情的なところは一日本人の感覚からみると驚く事ばかり。 ユダヤ人との関わり方や先の大戦での エジプトの立ち位置に関しては事...
アラーの神を信じる人達の本を読んだのは 初めてかも知れない。横丁の人達の人間模様や 心のうちは理解出来るが不具を作ったり、死人の金歯を抜いたり、壮絶なラストの直情的なところは一日本人の感覚からみると驚く事ばかり。 ユダヤ人との関わり方や先の大戦での エジプトの立ち位置に関しては事実と思われるので今のガザ紛争の問題を知る上でも良い本だった。 何より翻訳が上手い!
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本から臭いが立ち昇るかのように描かれるエジプトはカイロのうらぶれた横町の生活。 朝に何が起ころうと夕方にはすべて忘れられてしまうのだ。
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