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わが殿(下) 文春文庫
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わが殿(下) 文春文庫

畠中恵(著者)

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わが殿(下) 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2023/01/04
JAN 9784167919825

わが殿(下)

¥770

商品レビュー

3.9

12件のお客様レビュー

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2026/03/16

四万石の大名とはいえ、実質は二万八千石。年間収入にして一万二千両ほどしかない大野藩の借財は、実に九万両にも及んでいた。七郎衞門は、この膨大な借金の返済を十二年かけて成し遂げたのである。 諸藩がこぞって借財に苦しんでいた時代にあって、大野藩が借金を返済できたのは、なにか特別な秘策...

四万石の大名とはいえ、実質は二万八千石。年間収入にして一万二千両ほどしかない大野藩の借財は、実に九万両にも及んでいた。七郎衞門は、この膨大な借金の返済を十二年かけて成し遂げたのである。 諸藩がこぞって借財に苦しんでいた時代にあって、大野藩が借金を返済できたのは、なにか特別な秘策があったからではない。七郎衞門という、優れた経済感覚をもつ人材を得たことに尽きるのだろう。彼が行ったのは、殖産と倹約に努めるという、どこの藩でも試みているごくありふれた方策に過ぎない。あるいは、運にも恵まれていたのかもしれない。 しかし、七郎衞門が真価を発揮するのは、その後である。無借金となったことで得た信用力を背景に、藩札を活用したのである。藩札で藩の特産品を仕入れ、それを経済の中心地である大坂で現金販売する。しかも、販売は藩の直営店で行う。問屋の中間マージンを省き、利益を最大化する仕組みであった。 さらに輸送費を抑えるため、藩は輸送船を五隻所有した。こうして生み出された莫大な利益は、「わが殿」利忠公の政策実現のために惜しみなく使われた。藩校や病院の設立、洋式軍備の導入、さらには北蝦夷(樺太)の開拓にまで及ぶ。その事業の規模は、薩摩のような大藩にさえ匹敵するほどであった。 武士道の根幹をなすものは、主君への忠義である。七郎衞門は、その忠義を生涯をかけて実践した人物であった

Posted by ブクログ

2025/06/21

越前大野藩は明治になった折に、借財がとても少なかったという。たった4万石、実高2万8千石にしては異例。その要因を取材して構成された作品になる。 身をもっての戦いなどの場面はないものの、借金を返すための事業やら、そのせいでの軋轢、成功させるための大きな博打!など。 生きる上で現在で...

越前大野藩は明治になった折に、借財がとても少なかったという。たった4万石、実高2万8千石にしては異例。その要因を取材して構成された作品になる。 身をもっての戦いなどの場面はないものの、借金を返すための事業やら、そのせいでの軋轢、成功させるための大きな博打!など。 生きる上で現在でも行われる経済的な戦い。 武士は金に頓着せぬ物といい、金勘定に長けた人を下に見る風潮があった。そんな中、藩の歳入の10倍にもなる借財を返して事業をおこしてお金を稼いでいく。刀での戦いよりよほどしんどい努力が必要だと思った。 無理難題のような新企画を打ち出す殿だが、種痘や洋式軍備の必要性など、未来への嗅覚はとても鋭い。それに家臣を信頼してケツ持ちをする度量がある。ついていきたくなる、わが殿。 そして主役の内山七郎右衛門、今まで知らなくてすまなかった。 あなたは偉人だ。 4歳ちがいの主従の、武器を使わない精一杯の戦い。 お互いへの信頼が、読んでいてたまらなく心地よかった。

Posted by ブクログ

2025/05/27
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※このレビューにはネタバレを含みます

大人の超青春物語だー。 今の会社の業務なんて目じゃないレベルで、当時の殿と家臣の、共に担う感は半端ないよなぁ、と、最後、じんわりきました。 命掛かってる。 それは、自分も家族も殿も。そして、領民も大変脆弱で、一つまかり間違えば、影響甚大。 藩の経営を、軍事ではなく、政治でもなく、出納・金融・経済の面から切り取った歴史小説。面白かったです。 しかもどうやら、わりと史実らしい!という驚き付き。 そろばん武士道、という、別の作家さんの本で、同じ人物が取り上げられているらしいので、是非読んでみたくなりました。

Posted by ブクログ

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