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首里の馬 新潮文庫
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首里の馬 新潮文庫

高山羽根子(著者)

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首里の馬 新潮文庫

605

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2022/12/23
JAN 9784101044316

首里の馬

¥605

商品レビュー

3.5

48件のお客様レビュー

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2026/03/09

沖縄に関する雑多な情報を蓄積する資料館で整理作業をする未名子は、世界の果ての孤独従事者に対してオンラインで問題を読み上げる、問読者(トイヨミ)として働く。孤独であると自称する彼女は同じく孤独である人との通話によって、互いの一部を共有し合う——— ヒトが抱く、未知に対する恐怖と、...

沖縄に関する雑多な情報を蓄積する資料館で整理作業をする未名子は、世界の果ての孤独従事者に対してオンラインで問題を読み上げる、問読者(トイヨミ)として働く。孤独であると自称する彼女は同じく孤独である人との通話によって、互いの一部を共有し合う——— ヒトが抱く、未知に対する恐怖と、その未知を少しでも既知へと変えて行きたいという欲はこれほどまでに上手く混じり得ないのかと悲しい気持ちになった。 人間が、自分とは別の場所で貯め込まれる知識に対して警戒するのが本能なのか? それはすなわち、知識とは武器であり、個人の力をより強固にするものだと認めている。そういった行動をとっている人はもしかすると、世界の平和を願うすべての人類の代表として、すべての人は自らの力を高めてはならない、武器を磨いてはならないという考えを皆に共有させたいがための行動なのかもしれない。それが人類の総意だと言わんばかりに、そう口にするヒトはなんとも傲慢。 ただし、これまでの日本での大きな事件の中に未知のものが引き起こしたとも言えるものが存在するのもまた事実。地下で起こった大規模テロだってそう。自分たちが暮らす世界の片隅、そう簡単に認識できない様な場所にあった組織によって日本は脅かされた。彼らの行動を認めてはならないのは周知の事実。だが、それらと自分達が知らないからといって、知識を蓄えようとする人を非難することを一纏めにしてしまうのはお門違い。 クイズが人に与えてくれる影響に関する描写には感動した。 これまでの人生で、別にする必要のなかった経験、得る必要の無かった知識が、クイズという場においては存在を肯定される。それは自問自答ではなし得ない。自分からの問いかけだと、自分でその経験や知識の存在価値を見出したいという意思が明らかに見え、それは真の意味で自らの過去を認められたとは言い難い。 だからこそ、本書における問読者が孤独従事者に与える影響というものは大きく、その逆も然りである。それぞれの場所で孤独立場に立つ者同士が、ぽつんと佇む暮らしを少しづつ分け合い、互いが前を向く為の手助けとなっているのが美しい。もちろんヒコーキとの関係もね。 これまでに読んできた芥川賞受賞作の中でも群を抜いて好みの作品。興味のある分野の知識を蓄えようとするすべてのヒトが、邪魔をされない様な世の中になってほしいし、少なくとも自分はそうなりたい。犯罪は犯さないでほしいけど。

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2025/11/25

2020年芥川賞(上半期①)受賞作 2015年から順に芥川賞を読んできたけど、一番面白かったかも… 理由はぶっ飛んでいるというか、SF的な壮大さがあるというか、現実から脱線してるからか(*_*) 問読者(トイヨミ)という怪しい仕事に就いた未名子は順(ヨリ)途(ミチ)親子と中学...

2020年芥川賞(上半期①)受賞作 2015年から順に芥川賞を読んできたけど、一番面白かったかも… 理由はぶっ飛んでいるというか、SF的な壮大さがあるというか、現実から脱線してるからか(*_*) 問読者(トイヨミ)という怪しい仕事に就いた未名子は順(ヨリ)途(ミチ)親子と中学生の頃から関わって生きてきた20代女性が主人公。 メッセージとしては現時点で誰も興味を示さないであろう情報も記録さえしていれば、いつか陽の目を浴びる事があるから収集と管理に意味があると云う事だろうと思う。 問読者の仕事はクイズの出題者なんだが、それ以外にもクライアントとの雑談は許されている。その中で思う事はやはり孤独はツライ… どんな些細な事であれ、人との繋がりは正気を保つためにも必要で、自分の主張を抑えて傾聴できる人は才能だなと改めて思った。

Posted by ブクログ

2025/11/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表紙に惹かれて購入。 どのくらいの素養があると、この物語を楽しめるのだろうか。 よく呑み込めない状況が、よく呑み込めないまま終わってしまった。 テーマは分かる。だが何を目的にと考えた時、彼女は何をしているだろうと思った。 エンタメではなく、記録を読んでいるような作品。 記録は全て利用されるものではない。日の目を浴びないものが大半。 しかし、そこに存在したという事実は記録がないと全てなかったことになる。 ネットアーカイブで残すのも時代に合わせた記録だろうと受け取った。 別に役に立たなくてもいい。その事実があったという記録を残せればいい。 ただあの3つのキーワードは結局何だったんだろう、そこがもやもやする。

Posted by ブクログ