やくやもしおの百人一首 くもんの児童文学

久保田香里(著者), 坂口友佳子(絵)

• 販売会社／発売会社: くもん出版
• 発売年月日: 2022/11/14
• JAN: 9784774333038

商品レビュー

2024/05/20

百人一首の札が女の子になって、離れ離れになった上の句の札を捜しにタイムスリップするお話。
主人公が札のままでは味わえなかった喜びや切なさにどきどきしました。

2024/02/21

久保田香里さんの本を読んだあとは、いつも
「ほぁ(=￣▽￣*)」•••となるw
可愛くてキュンとして、ドキドキはらはらして、最後はあんな顔になるのだ。
この本は小倉百人一首の中の藤原定家の短歌の下の句の札“もしおちゃん”が、無くなってしまった上の句“こぬ人を”を探しに定家の時代（鎌倉時代）へと行ってしまうというお話し。
百人一首の出来上がっていく過程や、印刷技術の無い時代の文学の楽しみ方、季節を感じる感性、そこに定家の孫の為氏と“もしおちゃん”を含むいろんな人が交わって楽しい物語ができあがっていく。

軽いタッチで書かれている物語ではありますが、著者の久保田さんがどれほどに百人一首にまつわる事柄について調べ上げたのかを感じ、そこでも感動してしまった。本当にすごいと思う。
子供の頃、我が家にも百人一首があって、かるたとりなどできないから、妹と二人で札の中の人物たちについてあれこれゲラゲラ笑いながら話して、いつのまにか札を覚えたりしていた。
そんなノスタルジーに浸りながら、楽しく読ませて頂いた。あー、ほんと良かったぁ。

2024/01/19

百人一首のもともとの成り立ちの歴史、そして使われてきた歴史、それを見る現代の研究者の視点を盛り合わせた意欲的な作品です。平安時代の世を暮らし歩きながら、藤原定家の弟子となり百人一首の制作に関わるお話です。
札が女の子になったり、現代から平安時代にタイムトラベルしたりとファンタジー的な要素はありますが、魔法でなんとかすることはまずなく、ファンタジー小説のような展開の派手さや、ライトノベル的な百人一首がみんな女の子になるみたいなのを期待すると、途中つまらなく感じるかも。笑
とある女の子の平安時代体験記、といった感じでほのぼのと冒険は進みます。

百人一首の、文字と絵の芸術の水準の高さを改めて感じることができました。小学生にもぜひ読んでもらいたいですが、高学年からかなぁ。文章は一人称で読みやすく、挿絵は絵本のような可愛らしさがあります。