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この世の喜びよ
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この世の喜びよ
¥1,650
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商品レビュー
2.8
197件のお客様レビュー
静謐で味わい深い物語世界
2022年下半期第168回芥川賞を受賞した表題作を含む3作品を収録した短編小説集である。表題作では、子育てを終えた、大きなショッピングセンターの喪服売り場で働く女性店員が主人公であり、文中では「あなた」と表記される。職場に隣接するフードコートで毎日夕方から暗くなるまで時間を潰して...
2022年下半期第168回芥川賞を受賞した表題作を含む3作品を収録した短編小説集である。表題作では、子育てを終えた、大きなショッピングセンターの喪服売り場で働く女性店員が主人公であり、文中では「あなた」と表記される。職場に隣接するフードコートで毎日夕方から暗くなるまで時間を潰している中学生の少女との、店員と客との関係を越えた屈託のない交流を中心に、「あなた」の繊細な心の動きが、子育ての思い出などとともに丁寧に掬い取るように描き出されていく。独特な文体と相まって、静謐で味わい深い物語世界が広がっている。
fugyogyo
私もこの「あなた」のように昔のことは曖昧で、思い出せたらいいのになーって思えば思うほどまた思い出せないのに誰かのエッセイを読んでいたり、風景を一瞬見たりするとぶわっと思い出せちゃうことがある。それは掴みたくてもまた忘れちゃう。 忘れることは悲しいことだけど、思い返すものがあるって...
私もこの「あなた」のように昔のことは曖昧で、思い出せたらいいのになーって思えば思うほどまた思い出せないのに誰かのエッセイを読んでいたり、風景を一瞬見たりするとぶわっと思い出せちゃうことがある。それは掴みたくてもまた忘れちゃう。 忘れることは悲しいことだけど、思い返すものがあるっていうのはちょっと幸せなことでもあると思う。
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ストーリーで読ませる類の小説ではなく、コトバの持つ描写や表現の力を突き詰めようとした文学、といった読後感でした。デパート売場と数人の登場人物との狭い空間の物語自体は面白いものでもなく読みにくさもあるのですが、それでもコトバの奥にある何かが伝わってくる感じが読み続ける力になっている...
ストーリーで読ませる類の小説ではなく、コトバの持つ描写や表現の力を突き詰めようとした文学、といった読後感でした。デパート売場と数人の登場人物との狭い空間の物語自体は面白いものでもなく読みにくさもあるのですが、それでもコトバの奥にある何かが伝わってくる感じが読み続ける力になっているのでしょうか。機を見て再読しようと思います。
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