商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文学通信 |
| 発売年月日 | 2022/11/11 |
| JAN | 9784909658906 |
- 書籍
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川瀬巴水探索
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川瀬巴水探索
¥2,090
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商品レビュー
4.7
3件のお客様レビュー
無名の風景の痕跡を探すというサブタイトル通り、川瀬巴水の描いた風景の家や道など古い写真とともに載せてあり、感動いたしました。 絵や写真はそこまで多くなく、解説などがメインの本です。 今でこそ写真は美しく加工もできますが、事実を切り取った写真と美しい色彩で表現した絵では目的が違...
無名の風景の痕跡を探すというサブタイトル通り、川瀬巴水の描いた風景の家や道など古い写真とともに載せてあり、感動いたしました。 絵や写真はそこまで多くなく、解説などがメインの本です。 今でこそ写真は美しく加工もできますが、事実を切り取った写真と美しい色彩で表現した絵では目的が違ったのだと思います。
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川瀬巴水の描いた風景作品の中の、当時の痕跡を求めて、 その場所を探し、訪ねた、旅と探索の報告書。 I 探索エピソード II 巴水作品全県調査―何が分かるのか III 巴水の絵を訪ねる①平潟の風景 IV 巴水の絵を訪ねる②五浦の風景 V 巴水の絵を訪ねる③水木の風景 V...
川瀬巴水の描いた風景作品の中の、当時の痕跡を求めて、 その場所を探し、訪ねた、旅と探索の報告書。 I 探索エピソード II 巴水作品全県調査―何が分かるのか III 巴水の絵を訪ねる①平潟の風景 IV 巴水の絵を訪ねる②五浦の風景 V 巴水の絵を訪ねる③水木の風景 VI 巴水の絵を訪ねる④水戸大野・磯浜の風景 VII 巴水の絵を訪ねる⑤浮島・潮来・牛堀の風景 VIII 巴水と茨城キリスト教学園 ―依頼された水彩画とポストカード 巻頭特別寄稿、略歴、コラム、インタビュー、小特集、 座談会、巻末推薦文、巴水と茨城関連年表、所収作品解題、 参考文献、編者・執筆者紹介、有り。 カラー画像や写真、地図などが豊富。 明治~昭和期の日本国内の風景を木版画で残した、川瀬巴水。 彼の絵を持って、70~100年前の風景の痕跡を求め、 実際に描かれた場所へ旅し、探す。 どの方向から描いたのかを、探す。 巴水の娘さんや、場所の地元の人に話を聞き、探す。 すぐに分かる場所があれば、1年以上探した場所もある。 地図、航空写真、当時の観光案内図等をも、手立てにしている。 主に茨城県。他は東京と小樽の、何でもない風景の静寂感。 描かれた人物や樹木も相まって、当時の人々の姿や生活、 水辺の風景、時の記憶が甦ってきます。 それらを見い出す愉しさも伝わってきて、 改めて作品集を眺めてみたくなりました。
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『さて、巴水と茨城をめぐる本書の旅もいよいよ佳境。佳境と言ったのは他でもない。47ページの茨城と巴水の地図を再度ご覧いただきたい。巴水が描いた茨城作品は全部で二十六作品だが、そのうちの十一作品が、この浮島・牛堀・潮来といった霞ヶ浦東南の近接する地域に集中している。数がすべてではな...
『さて、巴水と茨城をめぐる本書の旅もいよいよ佳境。佳境と言ったのは他でもない。47ページの茨城と巴水の地図を再度ご覧いただきたい。巴水が描いた茨城作品は全部で二十六作品だが、そのうちの十一作品が、この浮島・牛堀・潮来といった霞ヶ浦東南の近接する地域に集中している。数がすべてではないが、巴水が茨城で最も惚れ込んだ景色がここにあると言ってよいように思う』―『巴水の絵を訪ねる⑤浮島・潮来・牛堀の風景』 御多分に漏れず「川瀬巴水」を知ったのは「日曜美術館」が取り上げた(2013年)のを見たのが切っ掛け。浮世絵のようでもあり西洋画のようでもあるいわゆる新版画の作家が、案外きっちりとした律義とも言える輪郭線で描いているのは失われつつあった江戸情緒(巴水は明治16年生まれ、昭和32年没)という印象(有名な「芝増上寺」とか「増上寺の雪」(https://www.museum.or.jp/report/102493)に代表されるような)。そんな巴水が茨城で多くの画題を得ているというのは全く知らなかった。そもそも昨今の巴水ブームの切っ掛けとなったのが、国際新版画協会の鈴木氏が茨城キリスト教大学に巴水の埋もれた作品を探し求めて訪ねたのが始まりだというのだ。その時、対応に当たった大学職員の方の第一声は「巴水って誰ですか?」というものであったという。鈴木氏の予想通り縁のあった同大学では半ば放置されていた四枚の水彩画の発見もあり、全国展、日曜美術館での特集と繋がっていたのだそうだ。 本書はその茨城キリスト教大学の教授でもある染谷智幸氏が代表を務める「川瀬巴水とその時代を知る会(巴水の会)」が、茨城県内で巴水がものにした画を描いた場所を特定し、この遅咲きの埋もれていた作家が何を描こうとしたのかを知ろうとする試みをまとめたもの。版画一つひとつ毎の写生の場の探索の記録、そこから派生する人との繋がりのエピソードや考察のコラムなどを会員の方々の短報が連ねられている。それらは、編集の手はもちろん入っているにしても、決してばらばらではなく統べられた印象で、読んでいて心地よい。そして、それにも増して、その内容の濃さが印象的。この本を片手に巴水の版画の元となった場所を訪ねて見たくなることは間違いない。茨城というと県別魅力度ランキングでの定位置とも言える順位が有名だけれど、巴水が残しておきたいと思った風景に溢れた土地であったことが巴水の会の人々の説明によって浮かび上がる。 本書の調査によると、県別では東京(121作品。巴水の地元)、静岡(38作品)、栃木(29作品。年少児の養生先)、京都(28作品)に続いて作品数5位の茨城(26作品)ではあるけれど、残念ながら県内でも県南地区では霞ケ浦を望む土浦の展望を写した一葉があるきりで、その多くは水郷地域を含む鹿行地区と県央・県北地区の海岸地域。巴水は水辺の風景に特に惹かれていたらしい。巴水の会の主だった会員が日立市やひたちなか市在住であることも無理からぬ話ではあるが、同県人としては若干負けた感がしないでもない。それは余談だが、海外の購買層も厚かった巴水が東京、静岡、京都に材を求めるのは自然な流れだとしても、やはり栃木、茨城は巴水の原風景、あるいは好きな心象風景が在ったが故の作品数の多さなのだろう。 また、本書は巴水作品の魅力とその特徴とを判り易く伝えてもくれる。学術的な鑑定とも、あるいは一般的な愛好家の絵画の鑑賞とも異なる会員のアプローチは、巴水の版画に惹かれる理由を真摯に原風景に求め、巴水が施した工夫に迫る。その解説にはいちいち唸るばかりだ。そして夜の東京の印象ばかりであった巴水の魅力が、田園風景や水辺の日常の光景にこそあるのだということを教えてくれる一読の価値ある本だと思う。
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