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任務 松本清張未刊行短篇集
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任務 松本清張未刊行短篇集

松本清張(著者)

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任務 松本清張未刊行短篇集

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2022/11/08
JAN 9784120055881

商品レビュー

3.6

7件のお客様レビュー

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2024/06/29

単行本未収録短編集。1950年代から70年代に雑誌などに発表されたが単行本未収録のものを集めた。 「雑草の実」は1976年読売新聞連載で、1966年の「半生の記」とは重ねたくないが、これまでの生涯は単純だしほかに書きようがない、とデビューまでの10代、印刷工時代、朝日新聞社時代...

単行本未収録短編集。1950年代から70年代に雑誌などに発表されたが単行本未収録のものを集めた。 「雑草の実」は1976年読売新聞連載で、1966年の「半生の記」とは重ねたくないが、これまでの生涯は単純だしほかに書きようがない、とデビューまでの10代、印刷工時代、朝日新聞社時代、兵役、入賞までなどの心情が綴られていた。「半生の記」はずいぶん前に読んだことがあったが、「西郷札」応募も入賞金が目的とあり、それまでの生活するのに手いっぱいの状況、しかし新聞社に入り大卒が主流の職場での画工、という位置での閉塞感などが伝わってくる。 作品では、衛生兵としての自身の経験を基にしたのか?と思われるような「任務」、瀬戸焼の文化財指定をめぐっての真贋を描く「秘壺」、なぜかそばにいる女性に心中してくれと頼まれる男の「女に憑かれた男」などが印象的。 「任務」(「文學界」1955.12月号) 「危険な広告」(「オール読物」1954.6月号) 「筆記原稿」(「小説公園」1957.9月号) 「鮎返り」(「地上」1955.5月号、「渓流」と改題され「小説春秋」1956.9月号に再録) 「女に憑かれた男」(「小説春秋」1956.6月号) 「悲運の落手」(「週刊新潮」1957.5/6号) 「秘壺」(「芸術新潮」1960.9月号) 「電筆」(別冊文藝春秋」1961.1月号、「とっておき名作短編 北村薫・宮部みゆき編」ちくま文庫2011に再録) 「特派員」(「オール讀物」1979.2月号) 「雑草の記」(読売新聞1976.6.16-7.9 連載) 2022.11.10初版 図書館

Posted by ブクログ

2023/08/13

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。  松本清張さんは私の好きな作家のひとりですが、本書は、松本さんの没後三十年記念企画の1冊で、いままで未収録だった短編から10篇を選んで書籍化したものとのことです。  採録された10篇、どれも密度の濃い短編ですが、それぞ...

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。  松本清張さんは私の好きな作家のひとりですが、本書は、松本さんの没後三十年記念企画の1冊で、いままで未収録だった短編から10篇を選んで書籍化したものとのことです。  採録された10篇、どれも密度の濃い短編ですが、それぞれに色合いが異なっていて、その筆の多彩さに素直に驚きました。

Posted by ブクログ

2023/05/17

この作家の膨大な作品の数々を「清張山脈」と称することがあります。デビューの遅さを反発力とするかのように社会構造、昭和史、古代史、占領下の闇、そして天皇制…テーマがテーマを呼び次々と連なっていく激しい造山活動は発表当時のジャーナリスティックなインパクトを超えて没後30年を過ぎ今もな...

この作家の膨大な作品の数々を「清張山脈」と称することがあります。デビューの遅さを反発力とするかのように社会構造、昭和史、古代史、占領下の闇、そして天皇制…テーマがテーマを呼び次々と連なっていく激しい造山活動は発表当時のジャーナリスティックなインパクトを超えて没後30年を過ぎ今もなお仰ぎ見られています。今年になってもNHKで「小説 帝銀事件」という作品自体の成立をテーマにしたドラマが放映されていました。しかし遠くで眺める山脈の中にどんどん分け入っていくとちょろちょろとした渓流にもならない湧き水みたいなものがあることを知るのです。湧き出ているのは人間の嫉妬、恨み、憧れ、虚栄、諦観、自分でもコントロール出来ない感情の漏れ。そういった「清張源泉」みたいな短編集が本書です。今まで雑誌や新聞には掲載されただけで本になってない作品の数々。それは人間の小さな心の揺らぎのスケッチみたいなもので大作になる前のデッサンのようにも思えるのです。きっと「清張山脈」は「清張源泉」という感情の水脈が社会テーマという山塊を削って出来た作品群なのかも知れません。そして巻末の「雑草の実」を読むに至り、登場人物の心の泡立ちはすべて清張自身の心から生まれているのだと確信します。「半生の記」は読んだことがありましたが「雑草の記」で語られる友人という存在に憧れ、逆にそれから距離をおく感情の痛々しさこそ松本清張の原動力なのではないか、と思いました。

Posted by ブクログ

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