商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2022/10/19 |
JAN | 9784488186067 |
- 書籍
- 文庫
刑罰
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刑罰
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商品レビュー
3.9
11件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・感想 シーラッハはコリーニ事件しか読んでないけど淡々とした平易な文章は変わらず。 様々な事件のその罪の在り処と与えられる罰の話。 善と悪とかではなく罪と罰の話ではその「罪」は法治国家である以上は法律によって裁かれ、与えられる罰の量も法律によって決まる。
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重いです、とにかく重い。でもそれがいい。 淡々とした描き口で最初から最後まで進んでいくのですが、だからこそ著者から読者に対して「(第三者の)あなたならどう考える?」と問いかけられている感じ。 善悪の区別はとても難しいし、善はAという選択肢だということが明らかであっても、どうし...
重いです、とにかく重い。でもそれがいい。 淡々とした描き口で最初から最後まで進んでいくのですが、だからこそ著者から読者に対して「(第三者の)あなたならどう考える?」と問いかけられている感じ。 善悪の区別はとても難しいし、善はAという選択肢だということが明らかであっても、どうしてもBという悪を選択せざるを得ないこともある。 たとえ刑事罰的な罰を逃れたとしても、本人には違う形でなんらかの罰が加えられる。 一つ一つの話が短いこともすごく象徴的だなと思いました。その人の中ではすごく大きな理不尽であり不幸であっても、世の中は理不尽な事で溢れかえっていて、その人の不幸は本当にたくさんたくさんある中の不幸の一つでしかない。周りの人は同情こそしてくれるかもしれないけど、他人の理不尽に深く取り合うことはない。 読了後も、ふとした時に思い出して色々考えさせらる本でした。 個人的には、「参審員」と「奉仕活動」がよかったです!
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刑事事件弁護士として活躍する著者が、罪と罰の在り方を問う12編。 デビュー作『犯罪』、第二短編集『罪悪』に続く短編集3作目。翻訳者さんによるあとがきによると、作者さんは当初から三部作を構想していたそうです。 作中でどんな犯罪を描こうとも、書き方は常に淡々としていて心情描写も...
刑事事件弁護士として活躍する著者が、罪と罰の在り方を問う12編。 デビュー作『犯罪』、第二短編集『罪悪』に続く短編集3作目。翻訳者さんによるあとがきによると、作者さんは当初から三部作を構想していたそうです。 作中でどんな犯罪を描こうとも、書き方は常に淡々としていて心情描写も薄い。それなのに、何故か心がざらつく読後感。 犯罪と、罪と向かい合う仕事についている筆者さんにしか書けないものがある気がします。 解説でも似たようなことが書かれていますが、釣り合わない罪と罰、理想をもってなったはずの弁護士という仕事の理想と現実、現実のような虚構と虚構のような現実。そんなすべてをひっくるめた現実のやるせなさや心の傷を、文学として昇華し再構成しているような、そんな印象を受けます。 個人的に好きだった話は、『リュディア』。
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