中世イングランドの日常生活 生活必需品から食事、医療、仕事、治安まで

トニ・マウント(著者), 龍和子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 原書房
• 発売年月日: 2022/10/15
• JAN: 9784562072217

商品レビュー

2023/05/02

生活必需品から、食事、医療、仕事、治安など中世イングランドの生活について考察した本。 もしタイムトラベルで中世に行くとしたらという想定で、中世の生活事情を紹介する。
便利になった現代社会に生きていると、欧州の中世は何もなくて不便で暗い世界のように思えるが、当時の人たちにはそれが普通で当たり前の世界だった。もし現代人が当時の世界に行けば、その当時の生活環境、慣習や法律、言葉に従わなくてはいけない。この本で紹介しているのは、当時の時代背景や社会構造と住宅事情、信仰や 宗教、衣服、食物、健康、医療、仕事、娯楽、家族、戦争、法と秩序について。
欧州の中世と言えば、宗教が支配していた時代で科学や医学が停滞していたけれど、でも当時の人達はそれなりに医療活動を行っていたし薬もあった。手術はかなりの荒業で、薬も植物成分を使った対症療法的なものだったが、少しでも効果がありそうなものは何でも利用していたらしい。 また戦争は日常的に行われていて兵士となった人たちが戦死後に墓に埋められ、それを復元した姿を見たが、戦闘は相当過酷なものだったようだ。また外見で身分を判断するための暗黙のルールなどがあり、それを知らないと大変なことになる。当時の様々な事例を取り上げて、著者はユーモアを交えて解説しており大変面白く読めた。

2023/01/25

中世イングランドでの生活はどのようなものだったのか。
現代人がタイムトラベルして訪れることを想定しての、解説。
第1章　まずはじめに　　第2章　社会構造と住宅事情
第3章　信仰と宗教についての考え方　　第4章　衣服と外見
第5章　食べ物と買い物　　第6章　健康と医療
第7章　仕事と娯楽　　　　第8章　家族のこと
第9章　戦争　　第10章　法と秩序
原注、図版リスト、推奨図書一覧有り。

1150～1485年、プランタジネット朝時代の中世イングランド。
日本では鎌倉～室町時代後期の時代です。
もし旅をするなら、どういったことに気を付ければ良いか。
もし転生したら、どんな職業や生活があるのか。
それらを想定しての、この時代での日常生活を解説しています。
祈る者、戦う者、働く者の3つの身分に新しい階級の職人と商人。
彼らの住宅事情、服装と礼儀作法、食事の、身分による違い。
現代と異なる言葉の意味とアクセントに、使われる言語の種類。
通貨、長さや重さの単位も、現代とは違う。
生活のあらゆる面にまで関わる絶大な教会の権力と、ラテン語。
仕事では、ギルド、女性の働く場と自立した女性がいたこと。
結婚や離婚。子育てでは、ぐるぐる巻きなおくるみの赤ちゃん。
戦争での武器や防具。犯罪と治安、刑罰と法。動物も被告に。
中でも、史実を元にした架空インタビューが面白かったです。
また、発見された15世紀のブラジャー＆ショーツ？と
復元された中世の風呂の画像は、興味深いものでした。
しかし、汚染した水にカビ、有害な雑草、寄生虫。
マラリアやハンセン病等の様々な病気。
特に恐ろしいペストが蔓延する中へ旅する勇気は湧いてこない。
農奴に転生したら地獄の生活だし･･･。

2022/11/30

1154~1485年までの時代ブランタジネット朝の王たちが統治したイングランドを取り上げている。現代からその時代にタイムスリップしたと想定、面白く分かりやすい。