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落語の凄さ PHP新書1324
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
発売年月日 | 2022/09/16 |
JAN | 9784569852843 |
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落語の凄さ
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商品レビュー
3.5
5件のお客様レビュー
贔屓にしている落語家がいる。その人が常々口にしているのと同じ考えが描かれていると知り読んでみた。 演芸写真家の橘氏と昇太、一之輔、鶴瓶、宮治、志の輔の5人との対談。 対談本って安易で退屈なものが多いが、この本は読みやすくて内容が濃い。 昇太 p41 落語ファンが落語を楽しむ秘訣...
贔屓にしている落語家がいる。その人が常々口にしているのと同じ考えが描かれていると知り読んでみた。 演芸写真家の橘氏と昇太、一之輔、鶴瓶、宮治、志の輔の5人との対談。 対談本って安易で退屈なものが多いが、この本は読みやすくて内容が濃い。 昇太 p41 落語ファンが落語を楽しむ秘訣は? の答えとして *昇太:余計な知識を入れないことかな。僕も落語ファンだったときに、だんだん笑えなくなってくるんですよ、僕がね。笑わなくなったんですよ。なぜかと言うとね、「今日はこの人なんのネタやるのかな?」とか「このねたですか」とかね。あるいは、「このネタ、誰から習ったのかな?」とか。 橘:批評家っぽくなってくるんですね。 昇太:落語って簡単なんで、すぐ評論家になれるんだよ。だから、なるべく評論家にならないっていうのが、落語を楽しむ一番の秘訣だと思う。 p121 *鶴瓶:僕、「縁は努力や」と言ってるんです。やっぱり粘着しないと、簡単にはがれたりはずれてしまったり、もう一生会わへんかったりする。やっぱりお礼とか、あたり前のことをあたり前のようにできないと、縁は保てないですよね。みな、忘れてるんですよ、それを。自分で円を薄くして、はがれやすくしてる。縁は、やっぱり努力なの。 p133 さまざまなエンターテインメントの中で落語だけにある凄さは?と聞かれて。 *落語は、特定の人間がそこへ集まって、黙って聴こうっていう空気をつくらないとできないという弱さがありますよね。~~ 落語の場合は、いかにお客さんを恥ずかしがらせないように(※落語家がすべったらお客さんもすべったみたいになって恥ずかしい)空間をつくるかが大事。寄席に行くと、次の人が、次の人がいうて楽屋で次々と出番を持ってる。それぞれが自覚を持って最初の人はこれ、2番目の人はこれする、その後にバトンつなぐっていう、そのすごさはあります。だから、寄席に出る人全員が、ちゃんと順番わかって、自分の役割をちゃんとわかってたら、すごいミュージカルですよ。ド頭からトリまでの。中トリも。ただ、一人でもそれがわからん奴がおったら乱れますよね。だから、そのルールがわかってることがすごく大事なんですよ。 「お前、そこやねんな。わかった。ほんだら僕はこういこう」いうて、バトンをつないでいくと強いですよ。そこに一人でもわからん奴がおって、ただ自分だけでと0いう奴がおったら、そんな脆いもんはないですよ。 落語の強さは、やっぱりわかってる奴がいかに順番、役割の自覚を持って最後のトリに渡していくかって。そんなええリレーはないですよ、あんまり。 志の輔 p206 *これは、あくまで私の〝個人の感想”なんですけど(笑)、落語って、日本人ならではの人との付き合い方だとか、つつましくても楽しく暮らすための、ちょっとしたヒントが詰まってると思うんですよ。~~ 落語家のほうも、師匠や先輩から教わった落語が実際に高座でうけたとき「先人たちが江戸時代からずっとつないできた、日本人が日本人らしく幸せに、のんきに生きられる方法論が書いてある、魔法のようなお話。それが落語なんだ」ってことに気がつくんです。
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落語の奥深さが少し分かった気がする。 やっぱり、鶴瓶はすごいよなあ。 BIG3とか言われるけど、 この人を忘れちゃいかんですね。
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【概略】 数々の噺家の「一瞬」を捉え、噺家の様を写真に凝縮させてきた筆者が今回は噺家とのインタビューを通じ、文章に凝縮させる。5名の噺家が語る落語観を垣間見ることができ、また観客としての落語との付き合い方を学ぶことができる一冊。 2023年04月15日 読了 【書評】 本書...
【概略】 数々の噺家の「一瞬」を捉え、噺家の様を写真に凝縮させてきた筆者が今回は噺家とのインタビューを通じ、文章に凝縮させる。5名の噺家が語る落語観を垣間見ることができ、また観客としての落語との付き合い方を学ぶことができる一冊。 2023年04月15日 読了 【書評】 本書とは直接の関係はないのだけど、ブクログでレビューを書き始めて300冊目となる本になったよ。節目となる書評は、やはり落語関連の本だね。・・・100冊目・200冊目が落語関連だったかどうかは、全く自信がないけれど。 さてさて本書の話。まずインタビュアーである著者が5名の噺家からの信頼を得ていることが文面から感じられるよね。ジャンルは違えどお互いの芸に対して評価をしているからということと、著者の撮る写真に噺家さんの内面を露出できているのだろうなぁ。 この本は、特に「落語とは?」や「落語の見方」「寄席でのマナー」「この演目を見ろ」といったハウツー本ではないのよね。何十年と落語と向き合ってる噺家さんから見た落語に対する考え・姿勢などが語られてる。そしてお客さんの落語に対する楽しみ方・姿勢などの願い(とはちょっと大げさな言い方かな)なども入ってる。 深く理解できればできるほど、知識が増えれば増えるほど落語は楽しめる反面、にわかのお客さんへの不平なども増えたりするのがこのテの伝統芸能にありがちな話。噺家さんの側からすると、実はそういったベテランによる初心者への(よかれを前提とした、でもちょっと面倒くさい)感覚は、不要だって思い、わかる。と、同時にお客さんにも(知識の集積という意味で)成長してもらいたいってのも、絶対あるだろうなぁってのもわかる。 あと、読者の側の勝手な想像だけど、皆、自分の存在意義を見出す過程と苦しみが読める。そのフェーズが終わると、吹っ切れた感覚と同時に落語との付き合い方が変わるような気がする。 そして、回転の早いこの時代で、落語という無駄の集合体のようなものを楽しめる贅沢さよ。エンターテイメントの中心に置かれることはないけれど、揺るぎないファンが消えることはないであろう、伝統芸能。喜餅の英語落語も、そうでありたいね。
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