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イリノイ遠景近景 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2022/09/12 |
JAN | 9784480438423 |
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イリノイ遠景近景
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イリノイ遠景近景
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商品レビュー
3.5
11件のお客様レビュー
イリノイ州のシャンペンという街で暮らしている著者が、アメリカでの日常生活における人との関わりや、(恐らく取材での)インタビューなどを通して見聞きした言葉やできごとを綴るエッセイ集。会話が多いので、文字を本で読むというよりは音で聞いたような読後感があった。 巻末の解説でも触れられ...
イリノイ州のシャンペンという街で暮らしている著者が、アメリカでの日常生活における人との関わりや、(恐らく取材での)インタビューなどを通して見聞きした言葉やできごとを綴るエッセイ集。会話が多いので、文字を本で読むというよりは音で聞いたような読後感があった。 巻末の解説でも触れられていたが、著者が会話している相手は「社会の主流から離れたところに立っている人々」ばかりだ。それがとても人間臭いというか、「アメリカだろうがどこだろうが、人間はこうやって生きているんだよな」と妙にリアルな親近感を覚える。生い立ちや立場、環境はまったく違うのに、その人がそのように考えてそのように語るのがすんなりと共感できるから不思議だ。 どの話も面白かったが、私は「金山の天使島」が心に残った。中国から移民してきた人々が強制的に収容され非人道的な扱いを受けていた時に、壁にたくさんの漢詩を書き残していたというお話。 ❝ 彼女は書くこと、語ること、つまり知らせることは報じることで、それこそが復讐だという。 「復讐を意味する感じは『報』、『仇』である。報告は復讐である――打首がそうなのではない、腹を切ることがそうなのではない、言葉がそうなのである」 その彼女の考えを借りれば、「金山」へやってきて、不安と屈辱の日々を天使島でおくった人々はそこで反乱をおこし、蜂起することはたしかになかったが、ひたすら壁に文字を書きつけ、あるいは彫りつけることで、堂々と復讐していった、ともいえるのである。❞ (p.168) 生きた人間の語る言葉を聞き、ただ書き残すという営みは、私にはとても有意義で楽しいもののように思える。
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最初の方のアメリカの田舎の住民の日常会話の盗み聞きが非常に面白かった。途中、ドイツ滞在記のあたりは少々退屈。
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23/05/20読了 ギヴミーシェルターの最後、映画「ヨーロッパ、ヨーロッパ」の土台である自伝の作者、ドイツ人生まれのユダヤ人少年がヒトラーユーゲントの団員として生き延びた方のエピソードから、ガラリと景色が変わった気がした。 1992年頃に連載されたエッセイ集で、中のエピソードは...
23/05/20読了 ギヴミーシェルターの最後、映画「ヨーロッパ、ヨーロッパ」の土台である自伝の作者、ドイツ人生まれのユダヤ人少年がヒトラーユーゲントの団員として生き延びた方のエピソードから、ガラリと景色が変わった気がした。 1992年頃に連載されたエッセイ集で、中のエピソードはそれよりも以前のものもあるから、当時の大戦との近さを感じる。私も物心ついていたはずだけれど、そんな温度感は当然記憶にない。
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