商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 祥伝社 |
発売年月日 | 2022/09/01 |
JAN | 9784396617912 |
- 書籍
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多様性の時代を生きるための哲学
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多様性の時代を生きるための哲学
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商品レビュー
3.3
5件のお客様レビュー
ALL REVIEWRSというサイトに参加する哲学者による哲学書を取り上げてテーマでの対談集 それぞれの内容は対談なので読みやすく、それでいて整理されているとは言えないが、新しい知識や見方の新しさを感じたので面白かった。
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改めて哲学系は、楽しく読めるほどよくわからないが「考え続けたほうが良さそうだな」というテーマを拾うことができるので、良いなあ。 ・エンパシーは"思いやり"や"姿勢"ではなく"スキル"。自分をなくさないことを前提に、能力...
改めて哲学系は、楽しく読めるほどよくわからないが「考え続けたほうが良さそうだな」というテーマを拾うことができるので、良いなあ。 ・エンパシーは"思いやり"や"姿勢"ではなく"スキル"。自分をなくさないことを前提に、能力として身につけるもの。 ・コロナで、自分がコロナにかからないようにしよう、だって周りに移すのも嫌だし。は利己と利他が一致していて"無理してなくて良い"状態の例。 ・目指すべきは「正しく理解された自己利益」。正しく理解されていれば、中長期であり相互作用的であり利己が利他になっている。これは実質的に"徳を積む"みたいなことと同じことを言っているかも。
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対話の要所要所に未知な知識やイデオロギーが披露され、その度立ち止まるが、勉強になる。しかし、やや言辞を弄して遊んでいる感があり、思弁的なにおい、つまり哲学の悪弊を感じたのが、大きなノイズではない。 先にその話をする。例えば、「差別化」じゃなくて「卓越化」という言葉の方が良いだろ...
対話の要所要所に未知な知識やイデオロギーが披露され、その度立ち止まるが、勉強になる。しかし、やや言辞を弄して遊んでいる感があり、思弁的なにおい、つまり哲学の悪弊を感じたのが、大きなノイズではない。 先にその話をする。例えば、「差別化」じゃなくて「卓越化」という言葉の方が良いだろうか、と。言葉へのこだわりは哲学の要素かも知れないが、どうでも良い。他には、英語のbrotherは、兄か弟かハッキリしない。??日本人でもきょうだい がいますと言う時に姉か弟、兄かも不明確なので同じ事だろう。孔子の論語は自分が嫌なことを他人にするな、キリスト教はして欲しいことを施せ こうした精神性が…みたいな、よくある対比。意味がない。孔子とキリストが言ったからとて、アジア人がして欲しい事を施す態度を持たない訳でもないし。こうした言葉の揺らぎを定義する思考、先人のクロースリーディングみたいなアプローチは肌に合わない。 逆に面白かった所。経済資本、文化資本、社会関係資本という所有資本の概念。この格差に注目し、格差による趣味、嗜好を聞き取りにより整理したピエール・ブルデューによる文化的資本と経済的資本の模式、ディスタンクシオンの話。 全体的に資本の量が少ない人々は、様々な形態の資本(経済的、社会的、文化的)間の変換に対する制限を受け入れる。全体的に資本が低い人々は、そのために必要な手段を欠いているため、より大量の文化資本にアクセスすることができない。現代風に噛み砕いて言えば、競馬や缶チューハイ、テレビでのスポーツ観戦などが好きな層は、家庭に蔵書が少ない。ゴルフや観劇、海外旅行などの趣味にはある程度、所得や社会関係が必要というような整理になるだろうか。 週刊誌に掲載されるような話題で盛り上がられても付いていけず、スポーツ選手にも詳しくない。そういう人は、家に蔵書が多く、部屋には楽器もあるみたいな家庭環境だったりして、そのような育ちによる嗜好の違いは、案外無自覚に生じている。 多様性はあって良いのだが、多様性への寛容度については、他方は認めるが他方は押し付けるという非対称性が問題になりそうだ。芸能人の話でグイグイ来られても困る。それぞれが好きなメディアやエンタメを楽しむ時代になると、それなりのお作法が必要になってくるという事。そのマナーを体得できぬ認知領域との付き合いも避けられぬ中で、じわじわ社会が変わっていく。多様性を認めるという事は、画一性を否定すると同時に、不寛容を排除するという事である。
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