商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2022/08/26 |
JAN | 9784087718072 |
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重たいけど、かわいい小説だった。結局のところ「かわいい」っていう感情って最強だなと。一度「かわいい」の沼にハマってしまったら、多少の事はなんでもかんでも「かわいい」で上書きされてしまうし、途端に骨抜きになってしまう。漢字で書くと「可愛い」となるように、親が子を思う「かわいい」も、...
重たいけど、かわいい小説だった。結局のところ「かわいい」っていう感情って最強だなと。一度「かわいい」の沼にハマってしまったら、多少の事はなんでもかんでも「かわいい」で上書きされてしまうし、途端に骨抜きになってしまう。漢字で書くと「可愛い」となるように、親が子を思う「かわいい」も、猫に対する「かわいい」も、全部「愛」がある。様々な問題を抱える主人公も結局最後は「かわいい」の感情に突き動かされてるし、それが人間味があって良かった。 作中でわんさか提起される様々な社会問題はそれぞれ解決されないまま、モヤモヤを残したままで終わるが、そこがまたリアルで良いとも思った。
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何かの記事を見て読みたくなったはずだけど思い出せない。「ゲームかリアルかじゃない。ゲームはリアルなんだ」というセリフはその記事に出てきた気がする。 主人公は出版社の編集者。担当する児童福祉家の小児性愛スキャンダルとオンラインゲーム「リンドグランド」での仲間との共闘をめぐる物語。 ...
何かの記事を見て読みたくなったはずだけど思い出せない。「ゲームかリアルかじゃない。ゲームはリアルなんだ」というセリフはその記事に出てきた気がする。 主人公は出版社の編集者。担当する児童福祉家の小児性愛スキャンダルとオンラインゲーム「リンドグランド」での仲間との共闘をめぐる物語。 理論と実践、傍観者と実践者、一般性と個別性というテーマが裏で流れていたように思う。自分の中でうまく消化できていないけど、理屈をこねるだけではなく当事者になりたい気持ちだろうか。陳腐な表現になってしまうが人生の手応えみたいなことかもしれない。 話の進行は面白くてどんどん読み進んだけど、登場人物の心境に今の自分は寄り添えなかった。
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出版社に努めている橘泰介は、スマホゲーム「リンドグランド」でチームを組んでいる隊長、未央、ハチワレとプレーする時間を大切にしている。ある日、担当著者である黒岩文子からメールが届くと同時に、黒岩が女児を「触った」という情報を耳にする。 帯にも書かれてある通り、児童虐待、小児性愛、...
出版社に努めている橘泰介は、スマホゲーム「リンドグランド」でチームを組んでいる隊長、未央、ハチワレとプレーする時間を大切にしている。ある日、担当著者である黒岩文子からメールが届くと同時に、黒岩が女児を「触った」という情報を耳にする。 帯にも書かれてある通り、児童虐待、小児性愛、ソシャゲ中毒、自殺・・・など幅広いテーマが扱われていて、その広さゆえに焦点がぼやけた印象を持った。「子どもにとって大人は有益か、それとも有害か」という視点で私は全編を読み通したが、他の人が読んだらその人の興味関心によって他のテーマで読み解くかもしれないとも思う。 しかし、その乱雑さがかえって現代に生きる私たちの実感に近いのではないかと感じた。ただ生きているだけなのに、私たちは本当に様々な問題に悩まされる。そして一見ランダムに起こっているように思える諸問題が、実はどこか奥底の方で繋がっているような、そんな感触を読みながら感じていた。 主人公にとって「リアルな世界=職場」における黒岩の小児性愛疑惑問題と、「バーチャルな世界=ゲーム」における隊長の家庭環境問題が同時並行的に進行していく形をとっているが、徐々にその2つの世界は混じり合っていく。この境界線がぼやけていくような表現が他の二項対立図式にも当てはめられ、何が正しいのかどんどん分からなくなっていく。それもまた現代のリアルであるように思う。 おまけ:未央とハチワレのオンラインチャットでのコミュニケーションが面白かった。
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