フィールダー の商品レビュー
最初はいきなりゲーム内のやりとりで、分厚い本だから読む気失せかけたけど、最後は解決したって訳では無いのに、ここで終わりかってもやもや感もなく、すっきりしててすごく良かった。 伝えたかったっぽいことが分かりやすかった。色々考えさせられた。
Posted by
面白かったけど、いろんなことが起こり過ぎてリアリティがあまりないという意味で映画的・ドラマ的というか。 オンラインゲームの中の会話とかチャットのくだりは読み飛ばしてしまった。 出版社の編集者で実務しながら、事件を起こした担当とその家族のケアをして、オンラインゲームやってチーム...
面白かったけど、いろんなことが起こり過ぎてリアリティがあまりないという意味で映画的・ドラマ的というか。 オンラインゲームの中の会話とかチャットのくだりは読み飛ばしてしまった。 出版社の編集者で実務しながら、事件を起こした担当とその家族のケアをして、オンラインゲームやってチームの問題児のケアして。アラフォー橘忙し過ぎだろ。 全部読んだけど、これからどうなるんだろう。黒岩は山でクマに食べられてしまうのだろうか。橘は礼の保護者みたいなかたちで着地したけど、黒岩と暁の関係をなぞりそうで不穏だし。 それにしても「あたなの味方です」と言う人に限って裏切るものなのか。西尾が橘を裏切って百瀬に黒岩の居場所を知らせたこと。「あなたの味方」と言って価値観の角度を矯正させてこようとする。 橘も黒岩に「先生の味方です」とか言っていたような... 最後の最後で「見捨て」て礼の保護をしに行ったのは裏切りというより「同化」か。 一年と三十万文字かけて黒岩を救うと言った時は痺れたんだけどな。 すべては紙幅。言葉が足りない。複雑なことを複雑なまま伝えないから自殺や差別がなくならない。人間は単純さに耐えられる生き物じゃないんだ。
Posted by
重たいけど、かわいい小説だった。結局のところ「かわいい」っていう感情って最強だなと。一度「かわいい」の沼にハマってしまったら、多少の事はなんでもかんでも「かわいい」で上書きされてしまうし、途端に骨抜きになってしまう。漢字で書くと「可愛い」となるように、親が子を思う「かわいい」も、...
重たいけど、かわいい小説だった。結局のところ「かわいい」っていう感情って最強だなと。一度「かわいい」の沼にハマってしまったら、多少の事はなんでもかんでも「かわいい」で上書きされてしまうし、途端に骨抜きになってしまう。漢字で書くと「可愛い」となるように、親が子を思う「かわいい」も、猫に対する「かわいい」も、全部「愛」がある。様々な問題を抱える主人公も結局最後は「かわいい」の感情に突き動かされてるし、それが人間味があって良かった。 作中でわんさか提起される様々な社会問題はそれぞれ解決されないまま、モヤモヤを残したままで終わるが、そこがまたリアルで良いとも思った。
Posted by
何かの記事を見て読みたくなったはずだけど思い出せない。「ゲームかリアルかじゃない。ゲームはリアルなんだ」というセリフはその記事に出てきた気がする。 主人公は出版社の編集者。担当する児童福祉家の小児性愛スキャンダルとオンラインゲーム「リンドグランド」での仲間との共闘をめぐる物語。 ...
何かの記事を見て読みたくなったはずだけど思い出せない。「ゲームかリアルかじゃない。ゲームはリアルなんだ」というセリフはその記事に出てきた気がする。 主人公は出版社の編集者。担当する児童福祉家の小児性愛スキャンダルとオンラインゲーム「リンドグランド」での仲間との共闘をめぐる物語。 理論と実践、傍観者と実践者、一般性と個別性というテーマが裏で流れていたように思う。自分の中でうまく消化できていないけど、理屈をこねるだけではなく当事者になりたい気持ちだろうか。陳腐な表現になってしまうが人生の手応えみたいなことかもしれない。 話の進行は面白くてどんどん読み進んだけど、登場人物の心境に今の自分は寄り添えなかった。
Posted by
出版社に努めている橘泰介は、スマホゲーム「リンドグランド」でチームを組んでいる隊長、未央、ハチワレとプレーする時間を大切にしている。ある日、担当著者である黒岩文子からメールが届くと同時に、黒岩が女児を「触った」という情報を耳にする。 帯にも書かれてある通り、児童虐待、小児性愛、...
出版社に努めている橘泰介は、スマホゲーム「リンドグランド」でチームを組んでいる隊長、未央、ハチワレとプレーする時間を大切にしている。ある日、担当著者である黒岩文子からメールが届くと同時に、黒岩が女児を「触った」という情報を耳にする。 帯にも書かれてある通り、児童虐待、小児性愛、ソシャゲ中毒、自殺・・・など幅広いテーマが扱われていて、その広さゆえに焦点がぼやけた印象を持った。「子どもにとって大人は有益か、それとも有害か」という視点で私は全編を読み通したが、他の人が読んだらその人の興味関心によって他のテーマで読み解くかもしれないとも思う。 しかし、その乱雑さがかえって現代に生きる私たちの実感に近いのではないかと感じた。ただ生きているだけなのに、私たちは本当に様々な問題に悩まされる。そして一見ランダムに起こっているように思える諸問題が、実はどこか奥底の方で繋がっているような、そんな感触を読みながら感じていた。 主人公にとって「リアルな世界=職場」における黒岩の小児性愛疑惑問題と、「バーチャルな世界=ゲーム」における隊長の家庭環境問題が同時並行的に進行していく形をとっているが、徐々にその2つの世界は混じり合っていく。この境界線がぼやけていくような表現が他の二項対立図式にも当てはめられ、何が正しいのかどんどん分からなくなっていく。それもまた現代のリアルであるように思う。 おまけ:未央とハチワレのオンラインチャットでのコミュニケーションが面白かった。
Posted by
久しぶりに読んでみたいと思った本で あれ?なんか思ってたのと違う、全然頭に入ってこない と思った本 私には、合わなかったのかな ゲームの世界の話にはちゃんとついてはいけたけど 結局、かわいい…とは?みたいになってしまった
Posted by
過去作でも思ったことだが、句読点を含めた文章のリズムが自分によく合っていて、読み心地がとてもいい。 内容としては「スパーム」に似た、既存の価値観を揺らがすタイプの作品。特に「かわいい」に対しての言及は白眉。大変落ち着かない気分にさせてくれるので二度と読みたくない名作。
Posted by
う〜ん、これはもう小児性愛じゃないのか。 ま、どこで区別するのかってことか。 オンラインゲームやったことないけど、読んでるとなんか面白そうに思えるね。
Posted by
児童虐待、毒親、ハラスメント、ゲーム依存、ネット炎上など社会的なテーマを盛り込んだ内容ながらエンタメしており一気に読ませる。事実、深夜までかけて一晩で読んだ。 ただどれも表面的に触れるのみで深堀りされないのが残念。本書のもっとも大きな関心事であるはずのセクハラ、小児性愛、その背...
児童虐待、毒親、ハラスメント、ゲーム依存、ネット炎上など社会的なテーマを盛り込んだ内容ながらエンタメしており一気に読ませる。事実、深夜までかけて一晩で読んだ。 ただどれも表面的に触れるのみで深堀りされないのが残念。本書のもっとも大きな関心事であるはずのセクハラ、小児性愛、その背後にあったと思しきネグレクトの真相が明らかにならないのは消化不良。最後も投げっぱなしのような終わり方だし。そのあとどうなったか、が知りたいんだが…。ストーリーとは無関係に主人公が入管問題のデモやホームレスの炊き出しに参加していたという設定は物語の展開に寄与していないので蛇足だったような。むしろ「意識の高さ」をうかがわせて鼻白んでしまった。この主人公がとても39歳に思えずてっきり20代だと思って読んでいた。 言及される作家から編集者への「神の手」によるセクハラは古井由吉の話らしい。『仮往生伝試文』、いつか読もうと手元にあるんだが読む気が失せてしまった。
Posted by
23/08/22読了 勢いの塊の様なものを読んでしまった。 ひとの善性と裏返しのようないやらしさを描いて、不快さと爽快さのバランスをとって、いや爽快感あんまなかった気もするんだけど、ただただなんだか圧倒された。扱っているテーマの割に湿った重たさはない。でも重量級なことは確か。 ...
23/08/22読了 勢いの塊の様なものを読んでしまった。 ひとの善性と裏返しのようないやらしさを描いて、不快さと爽快さのバランスをとって、いや爽快感あんまなかった気もするんだけど、ただただなんだか圧倒された。扱っているテーマの割に湿った重たさはない。でも重量級なことは確か。 読み終えて本の装丁の素晴らしさに唸る。装丁須田杏奈、装画たけもとあかる。
Posted by