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忘却にあらがう 平成から令和へ
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忘却にあらがう 平成から令和へ

東浩紀(著者)

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忘却にあらがう 平成から令和へ

1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 朝日新聞出版
発売年月日 2022/08/05
JAN 9784022518569

忘却にあらがう 平成から令和へ

¥1,980

商品レビュー

4.1

9件のお客様レビュー

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2024/08/18

忘却にあらがうとは、風化させないと言う事。風化させないと言う事は、意味を考えるということだという。東浩紀らしくない本だ。本人曰く苦手な時事問題についても扱うエッセイ。不慣れな感じは確かに伝わってくる。いつもの東浩紀の哲学を期待するなら、この本ではない。 切り抜いたのは民主党政権...

忘却にあらがうとは、風化させないと言う事。風化させないと言う事は、意味を考えるということだという。東浩紀らしくない本だ。本人曰く苦手な時事問題についても扱うエッセイ。不慣れな感じは確かに伝わってくる。いつもの東浩紀の哲学を期待するなら、この本ではない。 切り抜いたのは民主党政権下から、至近のコロナ禍まで。私自身が忘却してしまっている事を認識し、抗いはせず、しかし、思い出す事の楽しさを味わう。人間とは、風化しかけた記憶を取り戻すに愉楽を得る生き物なのだろう。故に、思い出話を語り合う。ならば、忘却せぬ事も良いが、一度忘却する楽しみもあるのかも知れない。 思想地図なんかを読み、東浩紀のチェルノブイリに対する考え方を知ったが、本書でもそうした感性やロシアの話が登場する。他方では安倍晋三の辞任を巡る炎上劇。後者は全く忘却していた。前者は、忘れてはならない、記憶のモニュメントに関してだ。忘却にあらがう、とは東浩紀にとっては、福島原発を観光地化させる事に通底する話である。 ー ロシア中部の都市ペルミにいる。シベリア鉄道の中継地として知られる工業都市だ。この街の北東八〇キロほどには、広いロシアでもほぼ唯一の、一般に公開された旧ソ連時代の収容所跡「ペルミ36」が存在する。その取材に訪れた。 ペルミ36は、一九四六年に旧ソ連の巨大収容所システム(グラーグ)の一つとして建設された。スターリンの死後いったん機能を変えたが、七〇年代に政治犯中心の監獄として再編され、冷戦崩壊直前まで使われる。九〇年代に入ると政治的抑圧の象徴となり、市民団体が運営する博物館として公開が始まった。バラックや管理棟、鉄条網の一部などが残り、ソ連体制下で自由を奪われた人々の生活をしのぶことができる。ソ連の記憶は、ロシアの人々にとって愛憎入り乱れるもののようである。 ー 辞任表明の翌日、政治学者の白井聡氏が、首相への共感を表明したミュージシャンの松任谷由実氏について「早く死んだほうがいい」とSNSで書きつけ、謝罪を迫られる事件が起きた。同氏は朝日新聞運営のサイトで安倍政権の期間を「日本史上の汚点」と記しており、こちらも問題になっている。 ところで、人の忘却曲線と言えば、エビングハウス。先ほど、夏の自由研究と試験勉強を両立すべく、英単語練習成果を忘却曲線で測ればと、人に一石二鳥のアイデアを出し、賞賛を浴びた。やるのはその子だが、大人たちは既に次の話題である。

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2023/03/24

本書は2017年から2022年までの出来事をコメントしているが、表題にあるように忘れていることが多い.このような形で残しておくことは非常に重要だと思う.特にCOVID-19に関して政府のドタバタ劇は思い出しても噴飯ものだ.トランプの登場も同じようなものだ.人口に膾炙した事件を違っ...

本書は2017年から2022年までの出来事をコメントしているが、表題にあるように忘れていることが多い.このような形で残しておくことは非常に重要だと思う.特にCOVID-19に関して政府のドタバタ劇は思い出しても噴飯ものだ.トランプの登場も同じようなものだ.人口に膾炙した事件を違った角度から見つめ直す種を与えてくれる好著だと感じた.

Posted by ブクログ

2023/01/11

読み始めて数ページは「なんだ週刊誌のコラムのまとめか」と思ったが、読み進めていくうちに引き込まれた。 毎日の日常を当たり前に生きていると漠然と変化を感じることはあるけどその正体はよくわからない、しかも日常だから深く考えずに過ぎてしまう。でも冷静に去年の今頃とか3年前とかを思い返す...

読み始めて数ページは「なんだ週刊誌のコラムのまとめか」と思ったが、読み進めていくうちに引き込まれた。 毎日の日常を当たり前に生きていると漠然と変化を感じることはあるけどその正体はよくわからない、しかも日常だから深く考えずに過ぎてしまう。でも冷静に去年の今頃とか3年前とかを思い返すと、だいぶ変わってきたんだなと感じることがある。そういうことが週刊誌のコラムであるからこそ小刻みの等間隔で振り返れて、世の中がじわじわと確実に変わってきたこと、または結局変わってないことなどをリアルに実感できた。自分が生きている時代(2017年1月〜2022年4月)を見つめ直す有意義な機会をもらえた。 そのような大局的な時代の変化を振り返ることができただけでなく、毎週のコラムの中身も示唆に富んでいる。 迷惑と権利、政治と経済、政治とメディア、ネット社会と民主主義、政府と国民、与党と野党、ジェンダー、加害者と被害者、感染症と差別、感染防止と経済・自由、五輪、ロシアとウクライナ、などなど。世の中の諸問題の複雑さ、虚しさ、でも向き合って考え続けること、忘れないことの重要性などを実感できた。 終盤までの感想は概ね以上だけど、最後の方、特にコロナ禍以降と最後の付録を読んで、筆者東さんが平成以降今に至るまでの日本の現状にかなり失望しているということが強く印象に残った。 東さんのことは「ゲンロン戦記」を読んで「シラス」?での対談の一部をYoutubeで拝見したくらいしか存じ上げないが、不器用で誠実で少しお茶目で、前向きに真剣に世の中のことを考えている方という印象だった。それだけに今の社会にこんなに諦めを感じられているのかと知ってなかなかショックだった。気持ちは分からんでもないけど、今こそ刺激的で面白い世の中だと思うし、失望しているより前向きに生きている方がやっぱり絶対にいいと思う。 自分は東さんより10個くらい年下の若造だけど、こんな誠実で愛すべきおっさんが世の中に失望しているのは勿体無い、よりよい社会にしなければ、と思ってしまった。 いずれにしても、即時的で雑多な情報に惑わされずに、地に足つけてじっくり考えながら前向きに成熟していきたいと思った。

Posted by ブクログ

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