商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2022/06/30 |
JAN | 9784105901813 |
- 書籍
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夏
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夏
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商品レビュー
4.8
5件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
四季四部作の完結編。 コラージュのような断片が少しずつ繋がっていく。 戦争で離れ離れとなって、つらい日々を送る兄妹が、お互いに手紙を綴る。それは実際には投函することはできないけど、想いを込めて燃やされる。その炎のぬくもりは相手に届いたに違いない。 完璧な夏は、とても短かったり、幻だったりするのだろう。手に入れることはできなくても、懐かしんだり、探して追い求めたりする。グレースのように。 分断や対立など、私たちは求めていない。
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10月に『秋』を手にしてから、10ヶ月近くもかけてこの4部作を読んできました。 おかげで長く一緒にいた登場人物たち、なんと言ってもエリサベスとダニエル、アート、アイリスたちのことは家族のように忘れられないし、彼らのそれぞれのブレグジットの受け取り方のおかげで、英国の正式名称(グレ...
10月に『秋』を手にしてから、10ヶ月近くもかけてこの4部作を読んできました。 おかげで長く一緒にいた登場人物たち、なんと言ってもエリサベスとダニエル、アート、アイリスたちのことは家族のように忘れられないし、彼らのそれぞれのブレグジットの受け取り方のおかげで、英国の正式名称(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)が頭からはなれなくなってしまった。 『夏』だけは、秋、冬、春を読んできた人だけが味わえる、幸せなこの物語のなんていうか伏線回収とは言いたくなくて、 それぞれの人物の思いや歴史が繋がって…沁み入るような物語感覚を得られるのです。 中心になるのは 個性派揃い、グリーンロー家のおはなし。 サシャとロバートの最高な姉弟。 文学を愛しているが、娘サシャにとっては俗っぽく見えている元女優の母グレース。 サシャは地球環境問題活動に傾倒し世界を変えたいと本気で思っている。自動車には乗らない。グレタ・トゥンベリが彼女のヒロイン。 ロバートは現実主義者。賢すぎて世界をバカにしているところがある。アインシュタインだけを信じている。 この姉弟のおかげで偶然出会うカップルは、『冬』で別れたかのように思えたアートとシャーロット! この5人で老人ダニエルを訪ねて行くことになるのだ。アートの母ソフィアから預かった石を渡すために。 ダニエルはエリサベスの家にいて… この後の物語の進み方が好き。 ダニエルの消息不明の妹のことも不思議に現される。 と、どんどんこれまでの物語が繋がっていく。 子どもたちにとっては俗っぽくめんどうな母グレースも、素敵な過去を思い出すことになる。かならず登場するシェイクスピアや、ディケンズは彼女のターンで回想される。 そして物語の現在といえば、新型コロナウィルスの初期の頃。アートの叔母、革命家のアイリスは、やっぱり動いてる!けど… 印象的だったのは サシャが移民施設にいる英雄さんに手紙を書くという彼女のやり方。アマツバメについて延々と書く。そして、ラストではアートとシャーロットのメールでのやりとりに鳩がでてくる。ここもなにか繋がっているのかな。 賢くかわいいロバートがアインシュタインを引用していたところが素敵なので、最後に置いておきますね。 _人類は星を眺めることで最高の知的な道具を手に入れた。でもだからといって、僕らがその知識を使って何かをしたとき、星にその責任を負わせることはできない。_ 木原善彦さんのアリ・スミスにどっぷり浸かってきたので、4部作読み終えてようやく岸本佐知子さんの訳したたアリ・スミスにいけます。
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四季四部作、めちゃくちゃ面白かった アリ・スミスの自然の見方がすごいな 長い時間と時代を生きてきたダニエルと、彼を中心に目に見えない網のような形で繋がる人間の物語だったな…… いやそんな形では定義できない…… もっと壮大な何かだったな…
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