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狩場の悲劇 中公文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2022/06/22 |
| JAN | 9784122072244 |
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狩場の悲劇
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狩場の悲劇
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商品レビュー
3.2
8件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ロシアの作家チェーホフ(1860-1904)が二十代半ばの駆け出しのころに書いたミステリ小説にして唯一の長編小説。1884年。 巻末の江戸川乱歩によると、本書は所謂「叙述トリック」のなかの「記述者=犯人」の類型に含まれるという。しかし、他の「叙述トリック」の有名作と比べて、この作品のインパクトはかなり弱くなってしまっているように感じる。それは、解説において佐々木敦が指摘しているとおり、この作品の構成の複雑さに起因するだろう。 ある編集者のもとに元予審判事が原稿を持ち込み新聞への掲載を依頼するところから物語が始まる。この原稿『狩場の悲劇(予審判事の手記より)』の内容が本書における小説内小説となっていて全体の九割を占めており、その前後を挟む外枠の部分が『狩場の悲劇(実在の事件)』とされている。そして本書終末の『狩場の悲劇(実在の事件)』の部分で、編集者が、この小説内小説『狩場の悲劇(予審判事の手記より)』が実は元予審判事が犯した実際の犯罪をもとにしたものであると暴き、「探偵」役を果たす。つまり、「記述者」が「犯人」であると暴かれる場面は、「記述」された物語の内部(『狩場の悲劇(予審判事の手記より)』)ではなくその外部(『狩場の悲劇(実在の事件)』)においてであり、暴かれた「犯人」は、小説内小説の「記述者」(セリョージャ)ではなく、その外部において新聞社に原稿を持ち込んだ「記述者」(カムイシェフ)である。つまりこの作品には、物語の真実が物語の枠を超えて読者の側の世界に迫り出してくるあの異様な感覚はなく、物語内物語として物語の中に綺麗に収められてしまっていて、読者は自分たちの世界と物語の世界との境界が物語の側から侵犯されるような不安の感覚に襲われることはない。 ではなぜ事件の真犯人である元予審判事は自らの犯罪を物語として「記述」しさらにはそれを新聞紙上に公表しようとしたのか。そこに佐々木は「自意識の迷宮」(p365)という問題を見出すが、今回本書を読んでいてそこまで感じ取ることはできなかった。この作品は、物語のどぎつさ、登場人物のアクの強さ、異常さ、饒舌さにおいて、四大戯曲のチェーホフらしからぬ、ドストエフスキーの諸作品を思い起こさせた。そういえば『罪と罰』も『カラマーゾフ兄弟』も、ミステリ的な趣のある作品であった。 物語のどぎつさはともかく、登場人物たちのあの喧しさからくる独特の異物感は、ミステリをミステリとして楽しむときの邪魔をしているように感じる。「娯楽小説」を読むのなら、もっと、現代人が生きている感覚や文脈をピンポイントに刺激してくれるような、条件反射だけで事足りてしまう作品のほうが面白がれるのではないか、などと思ってしまった。読書の姿勢としては、ひどく怠惰なものだと思う。 後書きや解説で本書のトリックについて言及するのはいいとしても、他の作品のトリックを明かしてしまうのは、迷惑だ。かつて某トリックの有名作を読む前に誰かの文章の中でネタバレをくらってしまい、一度きりしか味わえないであろう衝撃の機会を逸してしまったという悔しい経験がある。その書き手が誰であったかは覚えていないが、いまでも恨んでいる。 「わたし、今日になってやっとわかったんです……今日になって! どうして昨日のうちにわからなかったのかしら? 今となっては何もかも取り返しがつかないし、すべては失われてしまったんですわ! 何もかも、何もかもね!」(p171)
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チェーホフと言えば短篇と戯曲というイメージだが、そんなチェーホフが書いた唯一の長編小説。しかもそれは、殺人事件が発生し、調査があって、遂には犯人が示されるという推理小説的なもの。 自分が書いた経験談を出版して欲しいと新聞社に持ち込んだ男と、新聞社の編集者とのやり取りがあっ...
チェーホフと言えば短篇と戯曲というイメージだが、そんなチェーホフが書いた唯一の長編小説。しかもそれは、殺人事件が発生し、調査があって、遂には犯人が示されるという推理小説的なもの。 自分が書いた経験談を出版して欲しいと新聞社に持ち込んだ男と、新聞社の編集者とのやり取りがあって、編集者は一応その小説を読むこととした。そして、その小説が「狩場の悲劇(予審判事の手記より)」というもの。語り手である予審判事の男が住んでいるところに、領地を持つ伯爵が久し振りに帰ってくる。そんな彼らの前に、狂人の父と暮らす美しい娘が現れるが、彼女は伯爵の執事を務めるかなり年上の男のプロポーズを受け入れた。こうした登場人物の男女関係の中で、一体何が起こるのか、どんな悲劇が起きたのか。 確かに、小説ではガボリオ(当時流行していたフランスの探偵小説家)に言及していたりするので、チェーホフがミステリを意識していたのは間違いないだろうし、ミステリとして読んでも、当時としてはかなり斬新なトリックが使われていて興味深い。ただ、”謎解き”を主眼としてこの小説を書いたというよりは、登場人物の心理の真相は何なのかを読者に問い掛けようとしたのではないだろうか。 本書の前半は、自堕落な貴族の生活、結婚を巡る男女の交際や駆け引きの様子、身勝手な登場人物の心情描写など、いかにもなロシア小説の描写が延々と続き、なかなか読むのが捗らなかったが、事件の発生する当日、227頁からは一気読みになった。 解説者の読みも参考になるが、いろいろな「読み」の可能な、面白い小説だと思う。
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帯に「前人未踏の大トリック」とあるので読んでみたのだけど、、正直に言うと「このあとどんな仕掛けがあるんだろう…残りページ少ないけど、、」のまま終わってしまいました。。まぁでも、歴史的なものですよね、”あの作品”より早く世に出ているらしいので。あと、主要登場人物の誰にも共感できなく...
帯に「前人未踏の大トリック」とあるので読んでみたのだけど、、正直に言うと「このあとどんな仕掛けがあるんだろう…残りページ少ないけど、、」のまま終わってしまいました。。まぁでも、歴史的なものですよね、”あの作品”より早く世に出ているらしいので。あと、主要登場人物の誰にも共感できなくて読み進めるのがしんどかった。事件も中盤以降にならないと起きないので、そこもすいすい読めなかった理由かな。推理小説というよりは心理小説と思って読んだ方がいいと思います。
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