商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | パルコ出版 |
発売年月日 | 2022/06/10 |
JAN | 9784865063912 |
- 書籍
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おあげさん
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おあげさん
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商品レビュー
4
10件のお客様レビュー
平松さんの本は初めて読む! 言葉のボキャブラリーというか、語彙力が豊富で「ふむふむ」と頷きながら、言葉を楽しみながら読める。 暮しの手帖が出てきて嬉しくなって、平松さん×暮しの手帖があいすぎていると思った。 『イノシシと花畑』の章では、島根県美郷町の話があって、すごく魅力的だ...
平松さんの本は初めて読む! 言葉のボキャブラリーというか、語彙力が豊富で「ふむふむ」と頷きながら、言葉を楽しみながら読める。 暮しの手帖が出てきて嬉しくなって、平松さん×暮しの手帖があいすぎていると思った。 『イノシシと花畑』の章では、島根県美郷町の話があって、すごく魅力的だった。
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平松洋子さんが、食べ物の随筆の名手と聞いたのはいつだったろう。読書好きのくせに無知のていたらくで、つい最近まで知らなかった。読んでみようと思い立ったはいいが、ご著書はたくさんある。迷って、でもすぐ、これだ!となった。「おあげさん」と言われて引き寄せられない女はいないだろう。男性だ...
平松洋子さんが、食べ物の随筆の名手と聞いたのはいつだったろう。読書好きのくせに無知のていたらくで、つい最近まで知らなかった。読んでみようと思い立ったはいいが、ご著書はたくさんある。迷って、でもすぐ、これだ!となった。「おあげさん」と言われて引き寄せられない女はいないだろう。男性だってそうかもしれぬ。まして関西生まれの私であれば。 「おあげさん」という言い方は、とうに亡くなった祖母の親しみをこめた口吻を呼び連れてくるし、 「おあげさん、炊こか。おうどんに入れたろか。それともお寿司で、おいなりさんしたろか。」 とは、祖母よりもっと口早な、母の声で聞こえてくる。 焼いて食べるうまさは、大人になって覚えた。焦げとしょうがと醤油。うう、たまらない。 この本で平松さんが丹念に繰り返し語ってくれる、おあげさんのおいしさは、読んでいるだけなのに、まざまざとわかる。香りまでも立ってくる。親しくて、人懐かしくて、別に金持ちでもない普通の生活の愛おしさが、ぎゅうと詰まっている。噛んだら甘いおつゆが、じゅわりと染み出す、その堪えられぬ味のように。 おあげさんと、ねぎと、たまごと。それから、とろろ昆布あたりが常備され、困ったら何品かおかずが思いつけば、一人前の大人の女になったような、ちいさくて地味だが、確かな自信を覚えたものだ。 うちはむかしふうの家だったので、平松さんが引用しておられる、辰巳浜子さんの「料理歳時記」も、暮らしの手帖社の「おそうざい十二ヶ月」も母の書棚にあった。開いているところは見なかったが、考えればもう頭に入っていたのであろう。 「その通りに全部できなくてもええんや。読んで知っておくのが大事。知った上でおいしく家のご飯を毎日食べていたら、いずれ役に立つんやで。今作れんでも、読みなさい。写真見るだけでもええで。」 そう言って、子どもの私が、ねえこれ作ってと、絵本や児童書に飽きて、わかりもせず開いても、物の管理にうるさい母や祖母が、触るなと言わず、それらの本には怒らなかった。おかげで、平松さんのご本を読んでも、おあげさんの重みまで想像できるように育った。 この本一冊で、お腹いっぱいになるし、幸せにもなる。 大根とおあげさんの炊いたんとか、焼きびたしとか、きつねうどん、おいなりさんなんかが、猛烈に食べたくなることくらいしか、困ることはない。 平松さんのご本がおいしいのは、きっとおいしい普段の体験を、気持ちも一緒にたくさんたくさん重ねてこられた結果だろう。幸せな方だと思う。読んでいたら、 「豆~腐~」 という、あの独特のアクセントで吹かれるらっぱの音を思い出した。夕暮れ、物悲しいような、ほっとするようなあの音。私の子供の頃、ほんとに幼い頃は、一軒だけあの音をさせて、自転車でご近所を回るお豆腐屋さんがあった。おじいちゃんの大将の来る日もあったし、息子さんのおじちゃんの日もあった。私の足ではとても間に合わないので、母に言われて、ガラリと2階の窓を開け 「おじさーん!お豆腐屋さーん!お母さんが行くので待ってくださーい!」 そう手を振るのが、私にできる晴れがましいお手伝いだった。大急ぎで赤いお財布を持った母が走ってゆく。慌てたような背中が、おあげさんやお豆腐、なんなら厚揚げを受け取って、間に合ったと緩むのが遠目にもはっきり見えた。その姿はなんだか可愛くて、くすくす声が出た。そうそう。らっぱのお豆腐やさんのおあげさんや、お豆腐は、スーパーで買うのより、ちょっと苦いのだ。なんで苦いのがいいんだろ?と不思議だったが、そういう経験を、平松さんもなさっているように思えて仕方ない。 きっとこの方のエッセイには、変な説明はいらなくて、飾り気なく、私達が知ってる味覚の記憶や、それにまつわる食器の柄、女たちの手元、折々の自分までも連れてきて、とびきり旨いから人気なのだろう。 巻末のレシピは、もう。もうあなた。作りたくなるよ。 誰かの喜ぶ顔、自分のふくふくした笑い顔まで浮かぶほど最高で。もちろんコピーしました。えへへ。一冊おあげさんばっか、飽きないかなあと思ったのに。ううん。全然!杞憂もいいところだった。 次は、何をご一緒に食べさせてもらおうかなあ。今からもう楽しみだ。
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油揚げについて一冊本が書けちゃうのはさすが平松洋子さんだな。とにかく油揚げラブな一冊。レシピもあって、早速スーパー行って油揚げ買いたくなります
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