おあげさん の商品レビュー
平松さんの本は初めて読む! 言葉のボキャブラリーというか、語彙力が豊富で「ふむふむ」と頷きながら、言葉を楽しみながら読める。 暮しの手帖が出てきて嬉しくなって、平松さん×暮しの手帖があいすぎていると思った。 『イノシシと花畑』の章では、島根県美郷町の話があって、すごく魅力的だ...
平松さんの本は初めて読む! 言葉のボキャブラリーというか、語彙力が豊富で「ふむふむ」と頷きながら、言葉を楽しみながら読める。 暮しの手帖が出てきて嬉しくなって、平松さん×暮しの手帖があいすぎていると思った。 『イノシシと花畑』の章では、島根県美郷町の話があって、すごく魅力的だった。
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平松洋子さんが、食べ物の随筆の名手と聞いたのはいつだったろう。読書好きのくせに無知のていたらくで、つい最近まで知らなかった。読んでみようと思い立ったはいいが、ご著書はたくさんある。迷って、でもすぐ、これだ!となった。「おあげさん」と言われて引き寄せられない女はいないだろう。男性だ...
平松洋子さんが、食べ物の随筆の名手と聞いたのはいつだったろう。読書好きのくせに無知のていたらくで、つい最近まで知らなかった。読んでみようと思い立ったはいいが、ご著書はたくさんある。迷って、でもすぐ、これだ!となった。「おあげさん」と言われて引き寄せられない女はいないだろう。男性だってそうかもしれぬ。まして関西生まれの私であれば。 「おあげさん」という言い方は、とうに亡くなった祖母の親しみをこめた口吻を呼び連れてくるし、 「おあげさん、炊こか。おうどんに入れたろか。それともお寿司で、おいなりさんしたろか。」 とは、祖母よりもっと口早な、母の声で聞こえてくる。 焼いて食べるうまさは、大人になって覚えた。焦げとしょうがと醤油。うう、たまらない。 この本で平松さんが丹念に繰り返し語ってくれる、おあげさんのおいしさは、読んでいるだけなのに、まざまざとわかる。香りまでも立ってくる。親しくて、人懐かしくて、別に金持ちでもない普通の生活の愛おしさが、ぎゅうと詰まっている。噛んだら甘いおつゆが、じゅわりと染み出す、その堪えられぬ味のように。 おあげさんと、ねぎと、たまごと。それから、とろろ昆布あたりが常備され、困ったら何品かおかずが思いつけば、一人前の大人の女になったような、ちいさくて地味だが、確かな自信を覚えたものだ。 うちはむかしふうの家だったので、平松さんが引用しておられる、辰巳浜子さんの「料理歳時記」も、暮らしの手帖社の「おそうざい十二ヶ月」も母の書棚にあった。開いているところは見なかったが、考えればもう頭に入っていたのであろう。 「その通りに全部できなくてもええんや。読んで知っておくのが大事。知った上でおいしく家のご飯を毎日食べていたら、いずれ役に立つんやで。今作れんでも、読みなさい。写真見るだけでもええで。」 そう言って、子どもの私が、ねえこれ作ってと、絵本や児童書に飽きて、わかりもせず開いても、物の管理にうるさい母や祖母が、触るなと言わず、それらの本には怒らなかった。おかげで、平松さんのご本を読んでも、おあげさんの重みまで想像できるように育った。 この本一冊で、お腹いっぱいになるし、幸せにもなる。 大根とおあげさんの炊いたんとか、焼きびたしとか、きつねうどん、おいなりさんなんかが、猛烈に食べたくなることくらいしか、困ることはない。 平松さんのご本がおいしいのは、きっとおいしい普段の体験を、気持ちも一緒にたくさんたくさん重ねてこられた結果だろう。幸せな方だと思う。読んでいたら、 「豆~腐~」 という、あの独特のアクセントで吹かれるらっぱの音を思い出した。夕暮れ、物悲しいような、ほっとするようなあの音。私の子供の頃、ほんとに幼い頃は、一軒だけあの音をさせて、自転車でご近所を回るお豆腐屋さんがあった。おじいちゃんの大将の来る日もあったし、息子さんのおじちゃんの日もあった。私の足ではとても間に合わないので、母に言われて、ガラリと2階の窓を開け 「おじさーん!お豆腐屋さーん!お母さんが行くので待ってくださーい!」 そう手を振るのが、私にできる晴れがましいお手伝いだった。大急ぎで赤いお財布を持った母が走ってゆく。慌てたような背中が、おあげさんやお豆腐、なんなら厚揚げを受け取って、間に合ったと緩むのが遠目にもはっきり見えた。その姿はなんだか可愛くて、くすくす声が出た。そうそう。らっぱのお豆腐やさんのおあげさんや、お豆腐は、スーパーで買うのより、ちょっと苦いのだ。なんで苦いのがいいんだろ?と不思議だったが、そういう経験を、平松さんもなさっているように思えて仕方ない。 きっとこの方のエッセイには、変な説明はいらなくて、飾り気なく、私達が知ってる味覚の記憶や、それにまつわる食器の柄、女たちの手元、折々の自分までも連れてきて、とびきり旨いから人気なのだろう。 巻末のレシピは、もう。もうあなた。作りたくなるよ。 誰かの喜ぶ顔、自分のふくふくした笑い顔まで浮かぶほど最高で。もちろんコピーしました。えへへ。一冊おあげさんばっか、飽きないかなあと思ったのに。ううん。全然!杞憂もいいところだった。 次は、何をご一緒に食べさせてもらおうかなあ。今からもう楽しみだ。
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油揚げについて一冊本が書けちゃうのはさすが平松洋子さんだな。とにかく油揚げラブな一冊。レシピもあって、早速スーパー行って油揚げ買いたくなります
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おあげさんこと、油揚げへの愛に溢れたエッセイ。 おいなりさんが食べたくなりました。 あと、私も油揚げをつまみにしてみたくなりました。
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自分のために、わざわざ電車に乗って、 稲荷寿司を買いに行くのもいいではないか。 稲荷寿司を買いに行く目的だけに、 と思ってしまうが、 自分のために、時間やお金を使う 素敵な考えだなあ、と思った。 油揚げ、より好きになっちゃうなあ。
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平松洋子さん、上品で食に詳しい旅好きの女性というイメージだったけど、もしかしたらこの人、とてつもない知の巨人なのではないかと思い始めた。そしてそれを少しもひけらかさない,でも滲み出る。すごい。 この本のタイトルだって、おあげさん、である。なんとも気の抜けたかわいらしいタイトル。 ショーケンとか、辰巳浜子さんとか、高橋由一とか好きな人どんどん出てくるし,暮しの手帖とかもう趣味嗜好がおんなじで嬉しくなる。 つぎはアジフライを有楽町でを読む。 ついていきます、平松洋子先生。
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油揚げ愛。油揚げにまつわるエッセイ、旅する油揚げエッセイ、油揚げ対談、日々の油揚げ料理、油揚げレシピ…。わかる、わかるよ。油揚げおいしいもん。松山あげもおいしいもん。うちも油揚げ煮たやつ常備しよ。明日のお昼はきつねうどんにしよう。
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あぶらーげ。あぶらげ。あぶらあげ。あげ。おあげ。油揚げ、2枚あれば3合飲める(^-^) 平松洋子「おあげさん」、2022.6発行。真っ先に、きつねうどんとおいなりさんが浮かびます。おいなりさんはいなり寿司、いなりとは稲生り。納豆の福袋や餅入れ福袋もいいですね。ご飯と一緒のかやく飯、炊き込みご飯、生姜ごはん、みょうが飯も最高です(^-^)
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油揚げ二枚で三合飲める!油揚げを愛するエッセイストがひたすら油揚げの魅力を追求する。 ただ炙って醤油をかけるだけから、お稲荷さん、ブルーチーズを入れたり、カレーの具まで。 全国のうどん等の名店を探訪しながら、油揚げの味を探求する作品。ここまで1つの食材にフォーカスした本も珍し...
油揚げ二枚で三合飲める!油揚げを愛するエッセイストがひたすら油揚げの魅力を追求する。 ただ炙って醤油をかけるだけから、お稲荷さん、ブルーチーズを入れたり、カレーの具まで。 全国のうどん等の名店を探訪しながら、油揚げの味を探求する作品。ここまで1つの食材にフォーカスした本も珍しいだろう。
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日本食材界において輝ける主役級のスター、というわけではないけれど、欠かすことのできないバイプレイヤー、あぶらあげに平松洋子がスポットライトを当てました。「二枚あれば三合飲める」という名言も飛び出し、もはや読了後はあぶらあげもスターです。(8月の日経新聞「私の履歴書」は山崎努ですが...
日本食材界において輝ける主役級のスター、というわけではないけれど、欠かすことのできないバイプレイヤー、あぶらあげに平松洋子がスポットライトを当てました。「二枚あれば三合飲める」という名言も飛び出し、もはや読了後はあぶらあげもスターです。(8月の日経新聞「私の履歴書」は山崎努ですが、彼の顔が浮かびました。いや、彼の濃厚な感じより、笠智衆みたいな感じか…)実際、この本を読んでいる二日間のお昼はおいなりさんでした。お箸じゃなくて手でつまみ、食後、指をチュパチュパする幸せ。両日、セブンイレブンで、なかなか普段の生活で稲荷寿司を選ぼうと思うとなかなかアクセスできないことにも気づいてしまいました。だからこそ、家でなにげなく気負わず簡単に食べることが、おあげさん、との付き合い方なのかもしれません。だからこそ、備忘として巻末の「おあげさんといっしょ 日々の料理」の料理名だけメモしておきます。「味噌焼き」「うず巻き」「焙り揚げアンチョビソース」「揚げスティック」「あぶたま」「短冊煮」「万願寺唐辛子、ピーマン、油揚げのさっと煮」「あられ煮」「きつねうどんの反対」「キャベツとお揚げの煮びたし」「ブルーチーズの福袋」「納豆の福袋」「餅入り福袋」「肉じゃが福袋」「緑の福袋」「揚げとちくわの甘辛」「もやし、ベーコン、油揚げ」「白菜と揚げの甘酢炒め」「クレソンとお揚げのサラダ」「松山あげの玉子つけ焼き」「ハムとチーズの重ね焼き」「お揚げステーキ パセリソース」「親戚和え」「つるむらさき、海苔、油揚げ」「セロリと油揚げのごま酢和え」「子ぎつね飯」「どら飯」「おいなりさん」「油揚げの卵とじ丼」「きつね丼」「松山あげの炊き込みごはん」「みょうが飯」「焼き揚げときのこのクリームパスタ」「酸っぱいきのこスープ」「みぞれ汁」「巣ごもり卵のおつゆ」「はりはり鍋ふう」「揚げバーガー」「フレンチトーストふう」「ブルーチーズといちじくの揚げデザート」「揚げハニー」レシピなくてもタイトルだけでなんかすぐ料理できそう。見よ、このそそる出演リスト!やっぱり、おあげさんはスター!
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