感電しかけた話

伊舎堂仁(著者)

• 販売会社／発売会社: 書肆侃侃房
• 発売年月日: 2022/03/03
• JAN: 9784863855113

商品レビュー

2024/04/02

面白かったです（シンプル）
一見ただの独り言や「つぶやき」のように見えるものもいくつかあって、でもこれが短歌なのかあと少し不思議な心地にもなった。
おそらく私の理解力や読解力や感受性、短歌に触れた時間がまだまだ短いこと、経験や見てきたもの触れてきた物事の違いから来る、「これはよくわからん」な歌もかなりあって、わかりたいな〜〜とも思った。

カバーの袖に載っていた伊舎堂さんの写真がなんだか良くて、スマホで写真撮った。

◾️特に気に入ったもの5つ
分かってて違う血液型の血を入れるときってこんなだろうか
性欲がなかったころにおもしろく思えてたもの何　兄
もらうだけ　持ってるものを守るだけ　「ありがとうございました！」ってだけ
千円が4枚くらい入ってたら財布ってもう　いいな
わはは　と返信をした返信に「笑ってるね」と来た5年前

◾️これもよかった（けっこうたくさん。全然選別とかできてない）
階段を上がってきながら怖い人「今1階に誰もいないよ」
小・中・高楽しかったやつ特有の「延滞料金すごくなってた」
週一回観てる が無くなると腐るし毎日観てる が増えると終わる
ーーにしかまだ言ってないから誰からじゃあ、漏れたか分かる噂　各自が
好きだ　と死ねや、で2020年はちゃんとめちゃくちゃになりました
おれの単純接触効果か　おまえの単純接触効果か　勝負しようぜ
春に読んだ本の記憶で2年くらいやっていける　これは本当のこと
みんなからあのふたりって呼ばれたい聞こえてこないくらい遠くで
思ってた　そして思っている、ことを言うの怖いな　逆かもだから

2022/06/18

シュールで面白かった。なんだそれ？と思うものばかりだけど、何だか分かるようで分からないようで、わざわざ口に出す程でもないことが書かれている。

特に好きなのは｢もう今後いいことがあるとはとても思えないわんこなのでした｣、｢ショートケーキだとしたらおまえ、もはやとがってるとこ1個もないぞ｣。

2022/03/27

斬新でめっちゃ好き。リアルな口語を突き詰めてるんだけど、ねじれがあって、ドキッとさせられる。不安になる。人間のことを考える。

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よっこいしょ　ちょっとコンビニ行ってくるけど、なんか隠してることある？

この津波による絆の心配はありません次はスポーツです

思ってた　そして思っている、ことを言うの怖いな　逆かもだから
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ただの皮肉な歌で終わらない、せまってくる。

自分の気持ちと、相手の気持ちが逆ってこと？それとも、自分の思ってる自分の気持ちと、自分のホントの気持ちが？

まったく触れられてない"きみ"が浮かび上がる

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スイセンの葉っぱのつやはめったにない話す機会のふたりきりっぽい

星の夜ふたりシーツにくるまってきみの旦那が死ぬのを待った

電話しながらぼくがあなたも舞浜を言う真夜中のもしも　これから
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文法のねじれ、全部フィクションっぽい歌で、ぼくときみは全然親しくない、気もしてくる。

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人が人にふつうに冷たいときがある　竜巻　(ボールペンだけで描く)

ぼくたちを徴兵しても意味ないよ豆乳鍋とか食べてるからね

命を、命を大事にしないやつなんて大っ嫌いだ！」　はーい
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ゲド戦記のテルー？笑

人生に対して斜に構えたような態度、この天然感、で繕いつつ、死に、周りの人の気持ちに、真摯に向き合ってる