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陽だまりに至る病
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陽だまりに至る病

天祢涼(著者)

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陽だまりに至る病

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2022/02/21
JAN 9784163915012

陽だまりに至る病

¥1,870

商品レビュー

3.4

36件のお客様レビュー

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2024/09/09

面白い。コロナ禍に焦点を当てて一件の殺人事件と貧困問題、少女たちの人間ドラマを見事に描いてみせた。 複数の登場人物たちの視点からなる物語は人間の複雑で悲しい性と、それぞれの生きる道、生きてきた道を浮かび上がらせる。 タイトルに首を傾げたが、読み終えて静かに染み入る巧みさがある。 ...

面白い。コロナ禍に焦点を当てて一件の殺人事件と貧困問題、少女たちの人間ドラマを見事に描いてみせた。 複数の登場人物たちの視点からなる物語は人間の複雑で悲しい性と、それぞれの生きる道、生きてきた道を浮かび上がらせる。 タイトルに首を傾げたが、読み終えて静かに染み入る巧みさがある。 シリーズ三作目との事だが、一作目から読みたくなった。

Posted by ブクログ

2024/05/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小学5年生の咲陽(さよ)は、クラスメイトだけどほとんど話したことのないいじめられている小夜子のアパートが見える位置に自室の窓がある。 そこから小夜子が洗濯を取り込んでカバンにつめて座り込んでいるのを見てしまった。 心配になってそっと訪問すると、充血した目の小夜子がでてきた。 家は汚くて変な匂いもするボロアパート。 父親は1週間仕事でいなくなるので、前に住んでいた所のおばちゃんち(親戚ではない)にお世話になるという。 そこで咲陽は「自分の家にこないか?」と誘う。 母にそれとなく「友だちをつれてきていいか?」と聞いたが、おりしも、コロナ禍真っただ中。母は看護師。父はレストラン経営で今コロナ感染するわけにはいかない為、だめだと言われた。 今更「だめだった」と言えず、小夜子はコロナ陰性証明書をもっていることもあって自分の部屋にかくまうことに。 ちょうどその頃、ホテルで夏帆という女性が殺されたニュースが世間をにぎわしていた。ニュースキャスターは「なほさん」と言ったのに、そのニュースをみて小夜子はぼそっと「なつほさん・・」とつぶやいた。 そのあとすぐに警察がた。生活安全課でニュースとは違う意図の訪問だったが、咲陽はそのニュースのこと?と思って聞く。警察の人は「なつほさん」と言う。名前の読み方は、間違って報道されているらしい。ではなぜ、小夜子は本当の読み方をしっていたんだろう? そしてすぐにまた警察がきた。今度は「裏に住んでる小夜子ちゃんを知らないか?お父さんの行き先をしらないか?」と問われた。 咲陽は、いなくなった小夜子の父親が殺した犯人では・・・と疑い始める。 話はこの殺人事件を軸に進んでいくんだけど、1章が咲陽目線。 母に「家は恵まれているから、困っている人がいたらなにかしてあげないとね」と言われたことが頭にあって、必要以上に小夜子に施してしまう。 それぐらい、子ども。 一方、同い年でも親から虐待されネグレクトされて食べるものも食べれずに育っている小夜子は、もっとしたたか。ほわほわお嬢の咲陽を丸め込むなんてお手のもの。 ベットに乗らないでと言われても、ベットで寝るし、咲陽の分のご飯もケーキも食べつくす。他の部屋に行くなと言われても、姉(すでに外で住んでる)の部屋にも行っちゃう。 「普通」はそんなことしないと思っている。だってかくまってあげているのに、なんで遠慮もないの?だんだん、ちょっと煩わしくも感じている。 何度も警察がきて小夜子を知らないかと聞かれる。ずっとウソをつくのも辛い。 でも、小夜子を引き渡していいのか?ひきわたしたら小夜子は酷い事になるかもしれない。そんなことさせていいのか? 小学5年女子ぐらいだときっとほんとうにこんな風に悩むんだろうなぁ。 私もどっちかっていうと、咲陽タイプの女子だったから、付け込まれたりすると自分がしんどいのに嫌って言えなかったり、下手に大人に言えなかったり。 あ~~もう、つらいねぇ~~っ。 って思いながら読んだ。咲陽の気持ちも分かるし、でもここは大人に任せたらいいんだよっ!って気持ちと。 私的には、結局意外な結末だった。 でもなんでこれを「陽だまりにいたる病」という題名にしたんだろう?ってのはまだつかめそうでつかめてないです(^^;)

Posted by ブクログ

2024/04/29

主人公の咲陽は同級生で貧困家庭の小夜子の力になりたくて、家に匿い食事を用意し、さらに小夜子の父親に掛けられた殺人容疑の真実にも近づこうとする 異なる家庭環境の2人の生活はもはや異文化交流で、それでも別世界と見ないふりをしてしまう私たち大人とは違う 児童虐待・相対的貧困を題材に...

主人公の咲陽は同級生で貧困家庭の小夜子の力になりたくて、家に匿い食事を用意し、さらに小夜子の父親に掛けられた殺人容疑の真実にも近づこうとする 異なる家庭環境の2人の生活はもはや異文化交流で、それでも別世界と見ないふりをしてしまう私たち大人とは違う 児童虐待・相対的貧困を題材にした社会派ミステリのシリーズ3作目で 私は1作目の「希望が死んだ夜に」がすごく好きで正直1作目を超えられないと… 小学生視点にしてはあまりにも感情が説明的すぎて…こんなふうに言語化できないのでは?と思ってしまうのです… でも最後に次回作への伏線貼られてしまったから次回作読もう笑

Posted by ブクログ

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