商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2022/02/16 |
JAN | 9784309750491 |
- 書籍
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大正ガールズコレクション
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大正ガールズコレクション
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大正時代(1912-1926)に生きていた若い女性たちはどのような生活を送っていたのか。「女学生・令嬢・モダンガールの生態」とあるように、特定の層の方々が対象だが、当時の女性たちの生活あるいは、何を思っていたのか垣間見ることができる。 大正時代における女...
大正時代(1912-1926)に生きていた若い女性たちはどのような生活を送っていたのか。「女学生・令嬢・モダンガールの生態」とあるように、特定の層の方々が対象だが、当時の女性たちの生活あるいは、何を思っていたのか垣間見ることができる。 大正時代における女学生とは、高等女学校で学んでいる、12-17歳の少女たちを指す。高等女学校に通えるのは、経済面で恵まれた中流以上の家庭の子女に限られた選ばれた少女だ。 女学生の生態では様々なことを取り上げている。 東京で一番人気のあった女学校は、「お茶の水高女」と呼ばれていた東京女子校高等師範学校で、今のお茶の水女子大学付属高等学校だ。親に理由を尋ねると「お茶の水を卒業したというとお嫁入りの口がいいところへ早くきまるから・・・」と答えたそうだ。 気になる学費だが、平均して高等女学校生徒が25円から30円まで、女子大生になって30円から35円までだそうだ。ちなみにこの記事は「読売新聞」1920年3月5日に掲載されたものだが、当時の銀行の初任給が45~50円で、雑誌の「中央公論」が60銭だった。さすが、お嬢様の通う学校はお金がかかるなあ。 いつの時代も自分たちしかわからないような言葉を使うものだ。「現代女学生隠し言葉辞典」より大正女学生が使う隠語教えますでは、いろいろな隠語を取り上げている。 いつの時代にもいるなあ。「アナウンサー」とは、最近女学生の間で流行し出した隠語で、むやみに人のことを告げ口する人のこと。 口の悪い女学生なら言いそうだな。「カミ細工」は、安っぽい人を意味する。 今の時代だと「ルッキズム」と批判されそうだが、「衛生美人」という隠語があった。その心は、醜婦(しゅうふ)のことで、顔は悪いが、体が丈夫だという意味になる。 これは言われないとわからないなあ。「デパートさん」は、八方美人的な人を意味する。デパートメントストアからきたものだ。 時代を感じさせるのは、「ビル子」だ。おしゃれな人を意味して、丸ビルに通う女事務員に似ているような人を差す。 こういう時代もあったのだなと思う今日この頃だ。 そういえば女学生で思い出しだが、別の本で、諏訪根自子という今の何とかコンテストに出場しても受賞しそうな人がいたなあ。
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大正時代の女学生、令嬢、モダンガールを、当時の雑誌の記事や写真をもとに紹介。 女学校では家事、裁縫、お作法など、良妻賢母教育に力が注がれる。卒業後の進路についての記事では、卒業後に就職することに対して必ずしも反対意見ばかりではない。また、女学生使う隠語集が面白く、スペシャルを「スぺ」と略して使ったりするのは現在と変わらない。 少女小説の流行。 最初期に洋裁制服を採用した山脇高等女学校や福岡女学校は現在も同じデザインを使用している。 令嬢は写真には本人の氏名、学歴、趣味、父親の氏名と職業も載せているのに驚く。お見合い写真のよう。雑誌に令嬢の写真を載せるのは、現在のグラビアのような感覚だろうか。 職業婦人はバスガール、女給、タイピスト以外にも、自動車運転手や飛行機のパイロットもいたようで、思いのほか職種の幅は広い。職種によって、理想の結婚生活、好きな作家、女性参政権についての意識が若干違うのも興味深い。作家では菊池寛が人気。 竹久夢二、高畠華宵などのイラスト(抒情画)もアンニュイな雰囲気が独特。
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