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乾いた人びと ブラジル現代文学コレクション
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乾いた人びと ブラジル現代文学コレクション

グラシリアノ・ハーモス(著者), 高橋都彦(訳者)

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乾いた人びと ブラジル現代文学コレクション

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 水声社
発売年月日 2022/02/02
JAN 9784801006232

乾いた人びと

¥2,200

商品レビュー

3.5

2件のお客様レビュー

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2022/07/19

ブラジルの北の方は最も貧しい地域のようで、理由は干ばつ、そして洪水があり、現代でこそダムとか排水設備、JICAなどが発達しているだろうが、多分100年くらい前の話で。いい意味で日本は単一民族で意思の疎通団結があって、なんとなくあの時代からまとまれてたんだろうけど、向こうは植民され...

ブラジルの北の方は最も貧しい地域のようで、理由は干ばつ、そして洪水があり、現代でこそダムとか排水設備、JICAなどが発達しているだろうが、多分100年くらい前の話で。いい意味で日本は単一民族で意思の疎通団結があって、なんとなくあの時代からまとまれてたんだろうけど、向こうは植民されてたし、地形とかによって民族のアイデンティティが違ったり、弱肉強食が全面肯定されていたようなそんなような暗示がしました。

Posted by ブクログ

2022/06/02

ブラジル独立200周年記念に刊行されたブラジル文学名作コレクション5作品のうちの一冊。 表紙はぎらつくような黄緑とくすんだオレンジで構成されてる。 本書の巧みな作品分析は訳者あとがきでめちゃくちゃ丁寧にしてくれているので、なるほどぉと半分くらい分かったかな?って感じで納得しつつ、...

ブラジル独立200周年記念に刊行されたブラジル文学名作コレクション5作品のうちの一冊。 表紙はぎらつくような黄緑とくすんだオレンジで構成されてる。 本書の巧みな作品分析は訳者あとがきでめちゃくちゃ丁寧にしてくれているので、なるほどぉと半分くらい分かったかな?って感じで納得しつつ、なんでもない感想を書く。 大まかな感想としては、タイトル通りだな…です。 原作が書かれたのは半世紀以上前。乾いた生活というタイトルで映画にもなっているらしい。 ブラジル北東部の過酷な環境で、旱魃が起こるたびに生きていける場所を探して、牧場主には無断で牧場を去り、飢えと渇きに苦しみながら新たな場所を探す一家。 家長のファビアノは貧しく、計算もできなければ税金のこともよくわからない。それを見透かされて雇い主や市場の売人にふっかけられてしまう。 ファビアノは自分の人生こんなんでいいのか、こんなみじめに、酷い扱いを受けたまま生きて死んでいいのかと、過去の屈辱から何度も自問自答する。 でもそれすらうまくいかない。相手を罵る言葉も、自分を庇う言葉も知らない。 自分の子どもたちも、きっと自分と同じように何も知らないまま牛飼いになるしかないと思っている。 ままならない。 …こちらも読みながらジリジリと焦がれていくようだ。 しかし、ファビアノも、妻のヴィトリア(ファビアノより計算ができる。そのためかなぁ、彼女は作中ずっとヴィトリア"さん"表記。なんでだろ)も、未来が見えないからと言って死のうとしない…ところが、現代の日本に生きる私との価値観…それとも見通しの仕方の違いだろうか、私なら未来に絶望してしまって、多分新たな新天地へと過酷な旅に再び、とはなかなか思えないで死に絶えてしまう…多分。生きる気力を保てる気がしない女々しい人間です… みじめさや過酷さや乾き、このお話はほとんどそれで満たされているけど、最後ファビアノたちには希望が見えている。なんの宛てもないけれど、希望がみえている。彼らのそんなところが乾いたこの物語のオアシスのような救いではある。 何度乾いても自分を奮い立たせて… うっ、想像するだけで苦しい。美しくはあるが苦しい〜! 二人の子どもたちは、年上の少年、年下の少年としか表記されず、名前が一切ない。 目の色も、髪の色もわからない。 何か思いついたことがあっても、親にも話を聞いてもらえない。しまいにはうるさいと拳骨をされる始末。 ファビアノもヴィトリアも、子どものことを思っていることは伝わるが、子どもの名前を呼んだり、会話をする描写はほとんどない。 でもそんな彼らの心のうちは、作中で丁寧に描かれている。 兄弟たちの顔がちらついて見えるようで、見えない。 2人の兄弟もまた、ひろい世界の存在を、こちら側の存在を、家族以外の顔を知らないからだろうか。 彼らも新天地で、大人になって、何かを知ることができるだろうか。 最後に。犬のバレイアの心理描写に泣いた。

Posted by ブクログ

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