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平安京の下級官人 講談社現代新書2649
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2022/01/19 |
JAN | 9784065270318 |
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平安京の下級官人
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商品レビュー
3.5
11件のお客様レビュー
学校の歴史の授業では庶民の暮らしに言及がないのが不満だっだが、この本は『小右記』や『御堂関白日記』などをもとに庶民の様子を垣間見せてくれる。情報量が多すぎて消化しきれないが、いずれ再読したいと思う。
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平安時代は決して平安ではなかった。そのことを痛感することができる本である。それも摂関政治の絶頂期と言える藤原道長や頼道の時代でもかなりの乱行が幾つもあった。本書は歴史学の立場で文学作品は一等資料としては用いず、公家日記の類を根拠にして論じられている。しかも対象は地下と呼ばれた下...
平安時代は決して平安ではなかった。そのことを痛感することができる本である。それも摂関政治の絶頂期と言える藤原道長や頼道の時代でもかなりの乱行が幾つもあった。本書は歴史学の立場で文学作品は一等資料としては用いず、公家日記の類を根拠にして論じられている。しかも対象は地下と呼ばれた下級官人なのである。 貴族にとってこうした下人はまさに卑しき人なのであって、人権の配慮はほとんどない。下人が死傷したとき彼らが気にしたのは穢れのために公的行事が中止にならないかということであった。下人から見た記録がないのだから、偏光グラスを通して時代を伺うしかない。 本書は歴史学者らしく文献の紹介をしながらも、しばしば現代人の視点で人物評価がなされるところが面白い。平安時代の一般的な通念を見事に崩してくれた。和泉式部や紫式部の生きていた時代が実はワイルドであったことを確認できた。文学の描く世界と現実とは当たり前だが乖離しているかもしれないと考えることができた。
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平安時代の下級官人の置かれていた状況、人事への一喜一憂やその勤務振り、生活の実相を、「古記録」を用いて明らかにしようとするもの。 摂関期になると下級官人が昇進できるのは限られたポストまでとなってしまっていたが、役人にとって人事は何よりも重要。悲喜こもごもが語られる。また、こ...
平安時代の下級官人の置かれていた状況、人事への一喜一憂やその勤務振り、生活の実相を、「古記録」を用いて明らかにしようとするもの。 摂関期になると下級官人が昇進できるのは限られたポストまでとなってしまっていたが、役人にとって人事は何よりも重要。悲喜こもごもが語られる。また、この時代何よりも求められていたのは、儀礼という政務を「先例」、次第通りに行うことで、ここでも失敗の例が残されている。 その他、闘乱、殺人、勤務の懈怠など様々な出来事が紹介される。もちろんこうした古記録に書かれる出来事は、珍しいと思われるからこそ記録に残されたのであろうが、それにしても驚かされるようなことが次から次へと出てくる。特に内裏への闖入が結構あったというのはどうなのだろうか。警備の懈怠ということのようで、本来厳罰ものだと思うのだが、どうだったのだろう。 いろいろな事例により当時の様子も分かり興味深かったのだが、どうしてそのようなことが起こったのか、それにはどういう背景なり意味があるのかが良く分からないままに多くのエピソードが紹介されるので、ちょっと消化不良になってしまったのが残念。
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