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帰れない村 福島県浪江町「DASH村」の10年 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2022/01/20 |
JAN | 9784087443448 |
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帰れない村 福島県浪江町「DASH村」の10年
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帰れない村 福島県浪江町「DASH村」の10年
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商品レビュー
4.3
17件のお客様レビュー
ネットで連載されていた時に読んでいたが、こうして1冊の本になるとまた違う。帰れない村の人たちの思いが一塊になって突き刺さる。 東京の政治家や官僚や東電の幹部たちにはわからないのではないか。故郷に帰れなくなった人たちの気持ちが。そこで農業や酪農業で暮らし、植物や動物と共に生き、親や...
ネットで連載されていた時に読んでいたが、こうして1冊の本になるとまた違う。帰れない村の人たちの思いが一塊になって突き刺さる。 東京の政治家や官僚や東電の幹部たちにはわからないのではないか。故郷に帰れなくなった人たちの気持ちが。そこで農業や酪農業で暮らし、植物や動物と共に生き、親や子供、親戚、近所の人たちと一体となって暮らしていた人たち。 我慢強い人たちの我慢で成り立っている今の日本。 もっと怒ってもいいのではないか。悲しさや苦しさや目の前の困難で怒ることができない人の代わりに、もっと怒らなければいけないのではないか。
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三浦英之(1974年~)氏は、京大大学院卒、朝日新聞社の記者・ノンフィクションライター。『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で開高健ノンフィクション賞(2015年)、『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』で小学館ノンフィクション大賞(2018年)を受賞。 著者は、東日本...
三浦英之(1974年~)氏は、京大大学院卒、朝日新聞社の記者・ノンフィクションライター。『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で開高健ノンフィクション賞(2015年)、『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』で小学館ノンフィクション大賞(2018年)を受賞。 著者は、東日本大震災の直後から1年間、宮城県南三陸町に駐在し、2011年6月~2012年3月に朝日新聞に連載した「南三陸日記」をもとに、2012年に『南三陸日記』を出版し(更に、一部内容を追加して2019年に文庫化)、文庫版は平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞(2019年)を受賞している。 本書は、著者が2017年秋~2021年春に、現在も全域が帰還困難区域となっている浪江町津島地区(旧津島村)と、同地区に暮らしていた人々を訪ねた記録を掲載した、2020年9月~2021年3月に朝日新聞と朝日新聞のデジタルサイト「withnews」の記事を加筆修正し、まとめたものである(オリジナル文庫)。LINEニュースでも配信されだ記事のダイジェストは、2021年の「LINEジャーナリズム賞」を受賞した。 私はこれまで、『南三陸日記』をはじめ、辺見庸『瓦礫の中から言葉を』、門田隆将『死の淵を見た男』、眞並恭介『牛と土 福島、3.11その後』、奥野修司『魂でもいいから、そばにいて』、青木美希『地図から消される街』等、東日本大震災と福島の原発事故に関わる多数の本を読んできたが、著者の作品の特徴は、エピソード毎に、それに関連する写真が載っていることであろう。文章の力はもちろん大きいが、視覚を直撃する写真の力は、また別の強さを持っている。 それにしてもだ。現在も残る帰還困難区域の面積は約300㎢(東京ドーム7,200個分)で、旧津島村は全域がその中に含まれ、凡そ1/3を占めるのだ。行政単位で語ることにどれほどの意味があるかはわからないが、あの原発事故の影響で、この日本に「人の住めない村」ができてしまったこと(大規模な除染が行われない限り、今後100年は住めないと言われている)の衝撃はやはり大きい。 東日本大震災は、地震による直接的被害、津波による被害、原発事故による被害と、幅広い被害をもたらし、この十年間で様々な対策が取られてきてはいる。しかし、忘れてはいけないことの一つは、原発事故は人災の側面が大きかったということだ。地震と津波は、この日本列島に住んでいる限り避けることはできないが、原発事故は、原発がなければ絶対に起こらない。ドイツでは、福島の原発事故後、メルケル首相(当時)が、「日本ほど技術水準が高い国も、原子力のリスクを安全に制御することはできない」として、それまでの方針を180度転換し、わずか10年で(本年4月)原発の完全停止を実現した。私は強硬な原発廃止論者ではないが、他国の災害からでも学ぶドイツに対し、自国の大惨事すら喉元過ぎれば忘れてしまう日本(の政治家や原子力ムラの人々)を、本当に情けなく思う。 著者は、旧津島村の人々の思いを代弁して、「僕たちにできることはあまり多くはない。だから、少しだけでいい。この小さな本を読み終わった後に少しだけ、福島について考えてほしい。今も自宅に戻れないでいる、「帰れない村」の人々に心の中でエールを送ってほしい。」と書いている。しかし、こと原発事故に関して重要なのは、「忘れないこと」に加えて、「二度と起こさないこと」であろう。 震災から12年を経た今、読む意味のある一冊である。 (2023年6月了)
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東日本大震災から帰れなくなってしまった村の記録。原子力発電所の事故で生きている間にはもう戻れないことが分かり、村を離れざるを得なかった人々の言葉は本当に胸が苦しくなるくらい。暮らしてきた家に背の高い植物がそびえ立ち、もう戻れないという現実をより現実のものとして突き付けてくる感じが...
東日本大震災から帰れなくなってしまった村の記録。原子力発電所の事故で生きている間にはもう戻れないことが分かり、村を離れざるを得なかった人々の言葉は本当に胸が苦しくなるくらい。暮らしてきた家に背の高い植物がそびえ立ち、もう戻れないという現実をより現実のものとして突き付けてくる感じが辛い。
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