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六つの村を越えて髭をなびかせる者
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六つの村を越えて髭をなびかせる者

西條奈加(著者)

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六つの村を越えて髭をなびかせる者

1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 PHP研究所
発売年月日 2022/01/12
JAN 9784569851082

六つの村を越えて髭をなびかせる者

¥1,980

商品レビュー

4

25件のお客様レビュー

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2023/04/04

江戸時代中期から後期にして、蝦夷地に9度渡り、蝦夷地のエキスパートとして人生を全うした最上徳内の半生記を描く。 この時代に極寒の未開の地である蝦夷地とその地に住むアイヌの人達に真摯に向き合い、これほどまでに彼の地や彼らを愛した人物がいたのだなぁと深く感銘した。幕府や松前藩の身勝...

江戸時代中期から後期にして、蝦夷地に9度渡り、蝦夷地のエキスパートとして人生を全うした最上徳内の半生記を描く。 この時代に極寒の未開の地である蝦夷地とその地に住むアイヌの人達に真摯に向き合い、これほどまでに彼の地や彼らを愛した人物がいたのだなぁと深く感銘した。幕府や松前藩の身勝手な思惑に翻弄され、有らぬ仕打ちを受けつつも諦めずに蝦夷地に向かおうとする彼の不屈の精神は凄い。フルウをはじめ、彼を慕うアイヌの人たちも魅力的に描かれ、彼の蝦夷地行きを陰ながらに援助する周りの人たちも皆、魅力的で、ただ半生記を綴っているだけなのに、1冊丸ごと面白く読めた。本書では4度目の蝦夷地行きが決まるところで終わるが、wikiによればこの後もなかなかの波乱万丈な様子(何たって9度も渡っているから)。晩年、シーボルト事件にかかわったり、82歳で生涯を閉じているところからして、彼が無事に長寿人生を終えているのが素直に嬉しく思った。

Posted by ブクログ

2023/03/24

最上徳内の半生を描いた歴史小説。 最上徳内を知ったのは故みなもと太郎の「風雲児たち」でした。 華々しい名声は得ないものの地道な蝦夷の活動は後の近藤重蔵、間宮林蔵につながれていきますが、本作としては徳内が普請下役に取り上げられたところまでがメインでした。 しかし、みなもとさんの「...

最上徳内の半生を描いた歴史小説。 最上徳内を知ったのは故みなもと太郎の「風雲児たち」でした。 華々しい名声は得ないものの地道な蝦夷の活動は後の近藤重蔵、間宮林蔵につながれていきますが、本作としては徳内が普請下役に取り上げられたところまでがメインでした。 しかし、みなもとさんの「風雲児たち」は枝葉まで詳細に描いたため未完になってしまったのは残念でした。

Posted by ブクログ

2023/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最上徳内という人がどんな人物であったのか、この作品で初めて知ることができた。創作ではあるけれど、魅力的に描かれていた。徳内はいろいろな人との縁を得るが、善人ゆえの運がついて回ったようだ。 そして、徳内が出会うアイヌたちの、なんと魅力的なことだろう。この小説を読んで一番に感じたのは、じつはそのことだった。松前で出会うイタクニップ、アッケシで出会う少年フルウとその家族。古老のムシウカ。厚岸アイヌの惣乙名イコトイ。勇ましいツキノエ。 徳内が果てしない景色の広がる蝦夷地に足を踏み入れてまず感じたのも、自然の厳しさと、そこに暮らすアイヌたちの素晴らしさだった。彼らは家族を大切にし、礼儀を重んじ、知恵もユーモアも兼ね備え、決して野蛮な夷人などではなかった。徳内が言葉を学び、アイヌの懐に入っていくと、彼らの知恵なしに、蝦夷地で暮らすことは不可能と悟る。 徳内を連れてきた武士たちも、クナシリへゆきたい徳内をアッケシに留め置いて、アイヌ語の習得を勧めた。松前藩の通史では都合よく訳されて、アイヌの真意が伝わらないためだったからだが、徳内もアイヌ語の習得を強く望んだ。チーム大石逸平が協力して、松前藩の浅利幸兵衛や、守役の小者をうまく巻いて、連携プレー。竿持ちの徳内と武士の身分の隔てを感じさせない、ユーモラスな描写が心地よかった。 松前藩はアイヌを過酷な使役につかせる労役者、交易と言いながら略奪の対象として都合よく利用し、アイヌの文化と人権を蔑ろにしてきた。このために和人にも、幕府の武士たちにも、アイヌにも悲劇が生まれたのだ。シャクシャインの戦いが何故起きたかが、こんなにもよくわかる物語。 徳内はのちに、皮肉にも、慕う青島俊蔵を不遇の死に追いやった定信の命で、見分隊としてアイヌへの御救(おすくい)交易のための調査に蝦夷地へ向かう事になる。 その後のアイヌたちのことは語られないが、徳内はのちに何度も繰り返される悲劇を知ったらなんと思っただろうか。

Posted by ブクログ

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