商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2022/01/26 |
JAN | 9784065273654 |
- 書籍
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ブラックボックス
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ブラックボックス
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商品レビュー
3.3
209件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
自転車便メッセンジャーとして都内を働くサクマ。 自転車とこの身一つでお金を稼ぐ日々は、体を壊せばそれでお終いの保障のない仕事で 決して長くは続けることは出来ないと思いつつも その先の未来がサクマには想像できなかった。 想像のできない未来ではあったけれど、それでも遠くに行きたいという気持ちだけはあって 同居する円佳の妊娠がわかってから、ちゃんとしようちゃんとしようという思いだけが蓄積し、ある日人を殴って、捕まった。 自分の中の怒りを抑えることができない。 それを暴力という形で爆発させることしかできないサクマ。 自転車便の仕事をする前からも、その繰り返しだった。 なんだかつらいねえ。 日々の小さな成功体験の積み重ねが、人生には大事なのかなあ。
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ここ最近、男性作家による芥川賞受賞作には馴染めなかったけれど、これは悪くなかった。新しい感じはしなかったけれど。
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2021年下期芥川賞受賞作品で、前半と後半で大きく状況が異なる二部制のお話です。 主人公は30を目前にした男性で、自転車で書類をやりとりする『メッセンジャー』をしながらも、そろそろちゃんとしなくてはと何とも言えない焦りが募っている。いや、募っているというほどは募っていないの...
2021年下期芥川賞受賞作品で、前半と後半で大きく状況が異なる二部制のお話です。 主人公は30を目前にした男性で、自転車で書類をやりとりする『メッセンジャー』をしながらも、そろそろちゃんとしなくてはと何とも言えない焦りが募っている。いや、募っているというほどは募っていないのだが、ちゃんとしなくてはと思っても、つい怠惰に今まで通りの日々を過ごしてしまう。そんな彼には、自分を上手くコントロールできないところがあった。何かの拍子にキレて、相手に暴力をふるってしまう。そのような性質が原因で、主人公はついに事件を起こしてしまう。 作中に出てくるような、普通にしている時は別段おかしいところはなさそうなのに、突然キレて何をするかわからない、というタイプの人は、正直一番怖いタイプだと思います。普段から居丈高にして頭ごなしに怒鳴ってくるタイプよりも、沸点がどこにあるか見えないタイプの方が、いつどんなことでぎゅんと沸騰してしまうか分からない分読めずに恐ろしい。 主人公もそんな自分を持て余しているところがあるけれど、そういう性質は簡単に治るものでもないのだろうなと思います。 何度も回想の時期が行ったり来たりするため、今どこの時空の話をしているのかに振り回される部分が多くありました。 芥川賞の作品にしては読みやすい話だったと思います。 『ブラックボックス』という言葉から想像していたものとは少し違うお話でしたが、一番の『ブラックボックス』は人の頭の中なのだろうなと感じました。 外からは見えない。記憶も、心の中も、それによって起きたどのような行動も、すべてを見通すことはできない。そんなブラックボックスを、誰しもが持っている。 そんな風に感じる作品でした。
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