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ムントゥリャサ通りで 改装版
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ムントゥリャサ通りで 改装版
¥2,750
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商品レビュー
3.3
4件のお客様レビュー
原著1967年作。 ルーマニアの宗教学者ミルチャ・エリアーデ(1907-1986)は学問的著作の執筆の傍ら、小説も何冊も書いていたらしい。 一体どんな小説を書いたのかと興味を持って本書を読んでみたら、とても奇妙な感じの作品で、何とも言えない世界観がひらけてくるようなものだ。...
原著1967年作。 ルーマニアの宗教学者ミルチャ・エリアーデ(1907-1986)は学問的著作の執筆の傍ら、小説も何冊も書いていたらしい。 一体どんな小説を書いたのかと興味を持って本書を読んでみたら、とても奇妙な感じの作品で、何とも言えない世界観がひらけてくるようなものだ。 主人公の老人ファルマが過去のできごとを延々と果てしない物語のように語ってゆく。あまりにも無際限な物語なので、本作においてもはしょられている。そしてその物語というのが、やはりエリアーデというべきか、何となく神話めいた様相を帯びてくるのである。 たとえば、2メートル40センチもある巨大な美しい女性オアナのエピソードなどは、ほら話的な民俗的楽しさに溢れている。 が、ファルマの語る物語は「あまりにも永遠」すぎて、かえって無限の空虚を思わせたりもする。 「幻想小説」と謳われているが、実際のところどんな小説かと訊かれてもうまく答えられない。 この奇怪な小説が指し示す「謎」を解き明かしたければ、もっと作者の小説作品を読んでみないと難しそうである。
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終始、幻想的な雰囲気の中で主人公が語る記憶譚に引き込まれた。 もう一度読み返したいと思うほどの深みがある本です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なかなか不思議な物語である。本筋はザハリア=ファルマという小学校校長の回想により進められるが、話が堂々巡りしたり、話が現実味を帯びないどこか神話的なストーリーとなっている。聞き手となる政府側の人間もファルマを軌道修正するかと思いきや、彼のノリに流されていく有様である。当時の社会情勢(共産主義政権など)や反ユダヤ主義なども薄く背景にあるように思われるが、明確なつながりも見いだせず、モヤっとしたところが残る読書となった。 ジャンルとしては幻想小説とのことだが、読み慣れている人が読めばまた違ったとらえ方になるのだろうか。エリアーデは宗教学者の一面もあるとのことなので、神話の知識などがあるとより面白くなるかもしれない。
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