商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2021/10/21 |
JAN | 9784575244526 |
- 書籍
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小さい予言者
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小さい予言者
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商品レビュー
4.6
5件のお客様レビュー
北海道の歴史の光と影を仕立てた抒情的な人間ドラマ
本書は、北海道開拓期から太平洋戦争前後までの史実に題材を得た5作品を収録する短編小説集である。北見枝幸の川筋でラッシュとなった砂金堀り、地質鉱床調査に足跡を残したアメリカの地質鉱山学者ライマン、北見枝幸でのアメリカの天文学者トッドによる皆既日食観測、樺太への航路の玄関口に建設され...
本書は、北海道開拓期から太平洋戦争前後までの史実に題材を得た5作品を収録する短編小説集である。北見枝幸の川筋でラッシュとなった砂金堀り、地質鉱床調査に足跡を残したアメリカの地質鉱山学者ライマン、北見枝幸でのアメリカの天文学者トッドによる皆既日食観測、樺太への航路の玄関口に建設された稚内港北防波堤ドーム、太平洋戦争と相前後して盛衰した上空知炭鉱と、作品によって、地域や人物、事象や建物物など、焦点の当て所は異なるが、道内の隠れたあるいは忘れ去られつつある歴史の光と影が抒情的な人間ドラマに仕立てられ、現代へも連なる物語として描き出されている。特に表題作では、創作度が大きいストーリーのためか架空の地名が使われているが、おそらく現在の上砂川かと思われ、同作品は、開拓民の少年の抵抗と予言に仮託した、戦争に翻弄された民衆や大人たちへのアンチテーゼと読むことができる佳作である。いずれの作品においても、過去の歴史を教訓として未来への夢と希望を指向する人間への愛おしさや信頼を感じさせるラストが清々しい。
fugyogyo
表題作「小さな予言者」を含む中編5作 狂ったように一攫千金を夢見て砂金を取り続ける男達、炭鉱王国となり栄えた戦前、その狂騒が覚めた後の令和元年で物語は幕を閉じる。 北海道の歴史は奥が深いですね。 なかなか理解が追いつかないけど、興味深い。 表題作「小さな予言者」は風の又三郎...
表題作「小さな予言者」を含む中編5作 狂ったように一攫千金を夢見て砂金を取り続ける男達、炭鉱王国となり栄えた戦前、その狂騒が覚めた後の令和元年で物語は幕を閉じる。 北海道の歴史は奥が深いですね。 なかなか理解が追いつかないけど、興味深い。 表題作「小さな予言者」は風の又三郎のような少年の話で一番良かったな(^-^)
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三部作の最終巻。時代が進み、明治から昭和に至る短編5篇。歴史と人との関わりを、こんなにも豊かに語る作者の力量に、ただ酔うしかない。いずれも中編だが内容はとても濃い。 『ウタ・ヌプリ』 ゴールドラッシュに沸いた歌登。牧場の息子は一攫千金を夢見て出奔するが・・・。 父親との対立、しかしその父もかつては、というところが良かった。 『費府(フィラデルフィア)早春』 鉱物学者で、かつて北海道を訪れ、そこで8年暮らしたベンジャミン・スミス・ライマンは、帰国後、フィラディルフィアで炭鉱を営むが、経営は破綻していた。 北海道から一旗あげようとやってきた青年、マツキチと宿の女将であるミセス・スコットとの心温まるエピソードを挟みながら、ライマンのその後を語る。 『日蝕の島で』 明治29年、枝幸は日食景気で沸いていた。日食観測のためにやってきたデビッド・ドット博士は、運悪く天候に恵まれなかったものの、帰国後に枝幸にたくさんの洋書を寄贈してくれたが、読めるものは誰もいない。玲子は母テルの希望を叶えたくて、英語の勉強のため札幌の女学校へゆく・・・。 『稚内港北防波堤』 稚内にある独特のアーチを描く防波堤。そこに2人の兄弟がいた。彼らはそれぞれに母がいた。兄正の母綾子は、幼い頃父と別れ、数年後、再婚していた父、正太郎に正を引き取りたいと申し出てていたが・・・。 『小さい予言者』 清水範夫が「タクト」と出会ったのは空知の炭鉱町だった。風呂で突然出会い「タクト」は仲間になった。 どこか大人びた、ピアノが得意な少年の本名は明かされない。(タクトは範夫たちがつけたあだ名。)彼はさまざまな予言をして、転校生というのに一度も学校へ来ないままいなくなってしまった。中学生となった範夫は、軍事教練が終わった時、再びあのピアノを聴くが、そこには誰もいなかった。中野先生によって「タクト」のことが語れらる。 80を超えた範夫が再び空知を訪れた時、範夫は「タクト」の予言を思い出す。
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