商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 花伝社/共栄書房 |
発売年月日 | 2021/10/13 |
JAN | 9784763409836 |
- 書籍
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疲労社会
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疲労社会
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商品レビュー
4.1
10件のお客様レビュー
前期近代における、パノプティコン的なイメージと紐付けられて語られる規律社会論は「〜してはならない」という他者からの否定をベースとした自己形成のもとで成立するものである。 一方で、現代においては「〜できる」という肯定性こそが自我を縛るものになっており、なんでもできる可能性としての理...
前期近代における、パノプティコン的なイメージと紐付けられて語られる規律社会論は「〜してはならない」という他者からの否定をベースとした自己形成のもとで成立するものである。 一方で、現代においては「〜できる」という肯定性こそが自我を縛るものになっており、なんでもできる可能性としての理想的な自我が抑圧的な超自我に取って代わってしまっている。 理想的な自我に到達することは決してできないのに、それを追い求めることを「自由だ」と思い込んでいる我々は、無意識に理想に至らぬ「この自我」を搾取するようになってきている。 その帰結が、うつ病であり、バーンアウトである。 と言った論説。 キャリアプランだとか、人生設計だとか、個人の人生が絶え間ないプロジェクトの連続と化することで、もはや肯定的に暇を過ごすことができなくなっている。 「しないことができる」という状態に立つことができなくなっていることは自分自身にも当てはまると感じる
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※このレビューにはネタバレを含みます
ところどころ言い回しが難しく、もうちょっと他者に対して分かりやすく書いてくれたら良いのに。と思うところもありましたが、読み切れました。 こんにちの社会は、かつてあったような「べき」「べきでない」の社会規範で縛られた規律社会ではなく、多くの規範は撤廃され、一見すると自由がもたらされたような能力社会。 それは、過剰な情報が溢れる現代社会で、自己の能力を社会の中で実現するために「自発的に」活動している私たちが、自分自身と競争し、常に勝ち続けることが求められている燃え尽き社会。 フロイトのスーパーエゴと自我の説明の引用などから、個人の内面の図式化に加えて、資本主義社会が個人に与えている影響を無視せず考察に加えている部分も興味深く読みました。曰く、「生産がある特定の水準に達すると、異質な他者から搾取するよりも、自己から搾取する方がはるかに効率的で、多くの成果を生み出せる。自己搾取には、自由の感覚が伴われるからである。能力社会は、自己搾取社会なのである。」 目の前を行き交う思考と活動と生産の車に飛び乗らず、「観想的」である質についての言及が美しく響きました。 「過剰な注意は退屈を我慢することを知らない。だから、創造的なプロセスに欠かせない、深い退屈も許容できない。 耳を傾ける能力、は正に深い観想的な注意の能力に基づいている。過剰に活動的な自我には獲得できない能力である。 宙を浮いているようではっきりしないもの、地味で見栄えがしないもの、すぐに消え去るはかないもの、こうしたものが明らかになり、私たちに理解されるのも、ただ深い観想的な注意によってである。長く持続し、ゆっくり動くものへ接近することことも、それにとどまることによってのみ可能となる。 もしも人間の生から一切の観想的な要素が排除されるなら、人間の生は、致命的なハイパーアクションのなかで終わるだろう。」 ニーチェの言葉も多く引用されていて、「超人」に対する「末人」にとって、「神が死んだ後では健康が女神となる」という言葉は勉強になりました。健康追求マニアになりがちな私にとって覚えておくと良さそうです。 ADHDを心の病と分類している部分には、唯一疑問を感じました。
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部分部分では理解できるというか、「なるほどなぁ」と思えるんだけれど全体を通しては自分には難しくて「?」が頭の中にいっぱい(笑)読むのに自分が疲労してしまった始末である。がってむ。
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