商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2021/09/30 |
JAN | 9784000253604 |
- 書籍
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優しい語り手
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優しい語り手
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商品レビュー
4.6
6件のお客様レビュー
意外とよかった。 こういう系の本は読んだことがなくて、文学にも程遠い自分だけれど。 ものすごく難しくて、わかるところだけを読んでしまったとは思うけれど。 ブクログコミュニティは、まさに時空を超えた優しさの場だなと思った。 何か感じたことを表現したくて、それを読んだ人が時空を超えて...
意外とよかった。 こういう系の本は読んだことがなくて、文学にも程遠い自分だけれど。 ものすごく難しくて、わかるところだけを読んでしまったとは思うけれど。 ブクログコミュニティは、まさに時空を超えた優しさの場だなと思った。 何か感じたことを表現したくて、それを読んだ人が時空を超えていいねし合う感じ。 優しいコミュニティに感謝。
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ヨアンナ・コンセホの表紙がとても優しくて…でもなんか不思議で…好きだな… オルガ・トカルチュク、普通にしゃべっててもなんか書いてるものみてえな雰囲気なんだな…
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ノーベル文学賞記念講演「優しい語り手」と、来日講演「『中欧』の幻影は文学に映し出される——中欧小説は存在するか」を収録。 コロナ禍によって分断がより目につきやすくなった世界で、SNSやフェイクニュースに翻弄される人びとにも届くような"新しい語り手"を創造す...
ノーベル文学賞記念講演「優しい語り手」と、来日講演「『中欧』の幻影は文学に映し出される——中欧小説は存在するか」を収録。 コロナ禍によって分断がより目につきやすくなった世界で、SNSやフェイクニュースに翻弄される人びとにも届くような"新しい語り手"を創造すべきだと話す「優しい語り手」は、ノーベル文学賞受賞をきっかけに世界をつなぐという自らの役割をより強く感じている人のことばだと思った。 対して、「『中欧』の幻影は〜」では、クンデラ以来の〈中欧小説〉という括りにあえて疑問を投げかけつつ、〈ヨーロッパの周縁〉として存在し続けてきた中欧独自の文学観を考えていく。この講演は、いま現在進行中のロシアによるウクライナ進軍、およびそれに対する欧米の反応を読み解くのにも助けになるヒントが散りばめられていた。 西欧諸国は「自分たちが世界の〈主人〉として振る舞うのは当然」という歴史的態度が帝国主義時代から身に染み付いている。だが、中欧は常に〈周縁〉に定義され、文明・秩序・価値基準は西にあり、自分たちは亜流なのだと思い込んで(思い込まされて)きた。 そんな土地柄から生まれた文学は、おのずから西欧の安定した秩序の世界とは異なる、〈言語への不信〉を根っこに持つ世界をつくりあげてきた。私のまだ乏しい中欧文学の知識でも、言語の実験がさかんにおこなわれている地域だというイメージがある。「『どのように』が『何を』よりも強力な世界では、リアリズムは言語遊戯や隠喩に融解します」とトカルチュクは言う。 また、"一度も引っ越さなくてもパスポートの国籍が突然変わることがある"という暮らしの大前提にハッとした。トカルチュクやパヴィチの書くものが移民文学と非常に近いのも、抗いようのない外からの定義でアイデンティティがぐらんぐらんに揺さぶられるという経験が通底するからだろう。 「流動的で永遠に変わり続けるこの不安定な世界では、永続せず儚い人間の『私』が、落ち着きのない地図の中で、たった一つの、安定していて信頼に値する点になります」。トカルチュク自身の小説を解説したかのようなこの一文は、私がフィクションとノンフィクションのはざまに揺蕩う小説に惹かれるわけを説明してくれたかのようでもあった。
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