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優しい語り手 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/09/27

意外とよかった。 こういう系の本は読んだことがなくて、文学にも程遠い自分だけれど。 ものすごく難しくて、わかるところだけを読んでしまったとは思うけれど。 ブクログコミュニティは、まさに時空を超えた優しさの場だなと思った。 何か感じたことを表現したくて、それを読んだ人が時空を超えて...

意外とよかった。 こういう系の本は読んだことがなくて、文学にも程遠い自分だけれど。 ものすごく難しくて、わかるところだけを読んでしまったとは思うけれど。 ブクログコミュニティは、まさに時空を超えた優しさの場だなと思った。 何か感じたことを表現したくて、それを読んだ人が時空を超えていいねし合う感じ。 優しいコミュニティに感謝。

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2022/05/28

ヨアンナ・コンセホの表紙がとても優しくて…でもなんか不思議で…好きだな… オルガ・トカルチュク、普通にしゃべっててもなんか書いてるものみてえな雰囲気なんだな…

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2022/03/17

ノーベル文学賞記念講演「優しい語り手」と、来日講演「『中欧』の幻影は文学に映し出される——中欧小説は存在するか」を収録。 コロナ禍によって分断がより目につきやすくなった世界で、SNSやフェイクニュースに翻弄される人びとにも届くような"新しい語り手"を創造す...

ノーベル文学賞記念講演「優しい語り手」と、来日講演「『中欧』の幻影は文学に映し出される——中欧小説は存在するか」を収録。 コロナ禍によって分断がより目につきやすくなった世界で、SNSやフェイクニュースに翻弄される人びとにも届くような"新しい語り手"を創造すべきだと話す「優しい語り手」は、ノーベル文学賞受賞をきっかけに世界をつなぐという自らの役割をより強く感じている人のことばだと思った。 対して、「『中欧』の幻影は〜」では、クンデラ以来の〈中欧小説〉という括りにあえて疑問を投げかけつつ、〈ヨーロッパの周縁〉として存在し続けてきた中欧独自の文学観を考えていく。この講演は、いま現在進行中のロシアによるウクライナ進軍、およびそれに対する欧米の反応を読み解くのにも助けになるヒントが散りばめられていた。 西欧諸国は「自分たちが世界の〈主人〉として振る舞うのは当然」という歴史的態度が帝国主義時代から身に染み付いている。だが、中欧は常に〈周縁〉に定義され、文明・秩序・価値基準は西にあり、自分たちは亜流なのだと思い込んで(思い込まされて)きた。 そんな土地柄から生まれた文学は、おのずから西欧の安定した秩序の世界とは異なる、〈言語への不信〉を根っこに持つ世界をつくりあげてきた。私のまだ乏しい中欧文学の知識でも、言語の実験がさかんにおこなわれている地域だというイメージがある。「『どのように』が『何を』よりも強力な世界では、リアリズムは言語遊戯や隠喩に融解します」とトカルチュクは言う。 また、"一度も引っ越さなくてもパスポートの国籍が突然変わることがある"という暮らしの大前提にハッとした。トカルチュクやパヴィチの書くものが移民文学と非常に近いのも、抗いようのない外からの定義でアイデンティティがぐらんぐらんに揺さぶられるという経験が通底するからだろう。 「流動的で永遠に変わり続けるこの不安定な世界では、永続せず儚い人間の『私』が、落ち着きのない地図の中で、たった一つの、安定していて信頼に値する点になります」。トカルチュク自身の小説を解説したかのようなこの一文は、私がフィクションとノンフィクションのはざまに揺蕩う小説に惹かれるわけを説明してくれたかのようでもあった。

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2022/01/31

難しい本である。 表紙がきれいなこととノーベル文学賞記念講演ということで手に取った。 帯にある「優しさは、」4項目を読んだ時、「俺は優しい」と無造作に言う人に読んでほしい。w 優しさの定義はそんなに浅くないよと。 最後の4点目優しさは、わたしたちの間にある結びつきや類似点、同...

難しい本である。 表紙がきれいなこととノーベル文学賞記念講演ということで手に取った。 帯にある「優しさは、」4項目を読んだ時、「俺は優しい」と無造作に言う人に読んでほしい。w 優しさの定義はそんなに浅くないよと。 最後の4点目優しさは、わたしたちの間にある結びつきや類似点、同一性に気づかせてくれます。 文学は自分以外の存在への、まさに優しさの上に建てられています。(本文より抜粋引用)

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2021/12/25

優しい語り手の中で、文学、あるいは書くこと語ることに真摯に向き合い憂え、それでも語ることの大切さを伝えてくれる。感情移入の彼方へ越え行く力を持つ優しさ、聖書の語り手のような第4人称で紡がれるフィクション、語られている言葉の真実に震えました。 「中欧の幻影は文学に映し出される」にも...

優しい語り手の中で、文学、あるいは書くこと語ることに真摯に向き合い憂え、それでも語ることの大切さを伝えてくれる。感情移入の彼方へ越え行く力を持つ優しさ、聖書の語り手のような第4人称で紡がれるフィクション、語られている言葉の真実に震えました。 「中欧の幻影は文学に映し出される」にもポーランドの持つ地域性も含め興味深かった。

Posted byブクログ

2021/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2018年度ノーベル文学賞受賞。カズオ・イシグロの記念講演が比較的読みやすかったので手にしたのですが、こちらはなかなか難しかったです。トカルチュク作品を試しに読んでみようと思います。 「優しい語り手」 ノーベル賞受賞記念講演。 「まだわたしは生まれてないのに、どうして、私が恋しいの」(中略)「もしもだれかを恋しく思うなら、そのだれかは、もういるのよ」(P5) 母親との思い出の話から始まる講演。わたしたちには世界を語るあたらしい方法が欠けている。どのように書くべきか、物語を組み立てるべきか。あたらしい物語の基礎を見つけられるか。 文学市場の商業化による細分化やフェイクニュースの危険性(私たちはインターネットによる大量の情報に耐えきれない)について。 聖書のような新しい種類の語り手「第四人称」について。フィクションを書くときに助けてくれるのは愛の最も慎ましい形「優しさ」である。文学は優しさの上に建てられていて、この方法のおかげでわたしたちの経験はまだ生まれてもいない人にめぐりあう。 「だからわたしは、語らなければならないと信じています。世界とは、わたしたちの眼前で絶えず生成しつづける、生きたひとつの全体であり、わたしたちはほんのちいさな、でもそれと同時に力強いその一部であることを語る、そういう物語を。」(P44) 「「中欧」の幻影は文学に映し出されるー中欧小説は存在するかー」 2013年来日講演。「中欧」とはなにか。「中欧」の寄る辺のなさが語られていました。著者の作品は未読なので、深く読めませんでした。

Posted byブクログ