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商品レビュー

4.1

8件のお客様レビュー

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2025/06/26
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タイトルどおりに読みやすく、理論的でわかりやすい本。文学作品を読み解くポイントを20の項目に分解し、各一章で簡潔に例をあげながら解説している。著者は漫画やライトノベルにも目配りしており、若者にもひびく内容になっていると思う。 個人的には小説作法やハリウッド脚本術で既知のことも多かったが、また小説をより良く楽しみたいという気持ちが励まされる感じで読んで良かった。 印象的だったのは、「異化」の章。文学とエンタメと漫画はどう違うのかという疑問に応える。  ロシアのシクロフスキーはある作品が「文学」と呼ばれるかはそれが「芸術的」かにかかっていると考えた。そして芸術とみなされる作品には、「異化」というメカニズムが潜むと指摘する。 日常のあらゆることに慣れ、たとえば戦争のような恐ろしいことに対しても無意識になることを「自動化」とすると、「異化」はそれを停止することである。  私達がもう一度自分たちの感覚を取り戻し、世界を知覚するためには、この「自動化」という作業をあえて停止しなければならないのだ。 「異化」するためには、情報伝達の記事のような読みやすくわかりやすくスラスラと軽く読める文章を書いてはならない。  作家はあえて文章に技巧を凝らすことにより、読者を立ち止まらせ、彼らの意識をひとつひとつの言葉に集中させる。読者は時間をかけて、注意深く活字を読むことにより、認識をゆっくりとした深いものへと変化させるのだ。 なるほど! と思った。文学作品の文章について、自分は修辞的な文章の美しさゆえに芸術を標榜し、ゆっくりとしか読めないような内容にしているのか…… と簡単な理解をしていたが、違ったようだ。 エンタメや漫画にも「異化」を大いに含むものがあると思うけれど、大きな分け方としては頷ける。

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2025/02/02

読書の際、当たり前のように入ってくる情報は、流れるように読んでしまう部分がある。文学を読み解くとは?そもそも文学とは?そういった点をより深く掘り下げて解説している本なのでめちゃくちゃ分かりやすかったです。特に印象的だった解説は、「異化」「身体言語」です。何の変哲もないような部分で...

読書の際、当たり前のように入ってくる情報は、流れるように読んでしまう部分がある。文学を読み解くとは?そもそも文学とは?そういった点をより深く掘り下げて解説している本なのでめちゃくちゃ分かりやすかったです。特に印象的だった解説は、「異化」「身体言語」です。何の変哲もないような部分でも突き詰めることで本質って見えてくるんだなと思いました。

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2023/11/16

悪くはなかったけど、もっと、文章の意味の読解に力を入れているのかと思ったら、文章の構成とか外枠からの理解がメインだった。これについては、題名を読むだけでも、結構学べる。 あと、気になったのは、著者の解釈ではなくて、他人の引用解釈が多い。 石原千秋とやらの、新しい解釈を生まなく...

悪くはなかったけど、もっと、文章の意味の読解に力を入れているのかと思ったら、文章の構成とか外枠からの理解がメインだった。これについては、題名を読むだけでも、結構学べる。 あと、気になったのは、著者の解釈ではなくて、他人の引用解釈が多い。 石原千秋とやらの、新しい解釈を生まなくなればおしまい的な言葉には納得。逆に、解釈を求めて、何度も川端康成の雪国を読むのをやめれない私がいる。 ミメーシス(主観本位で、客観的に状況を述べない文章)と、ディエゲーシス(客観的に淡々と状況を説明する文)がバランス良くないと、読むのがしんどい云々には納得。私は、よく分からないモノローグから始まる小説が結構苦手だ。

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