商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2021/09/02 |
JAN | 9784622090335 |
- 書籍
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映画の旅びと
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映画の旅びと
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商品レビュー
4.3
3件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
イランから来日し、イラン映画の紹介や通訳・翻訳を通してイランと日本の架け橋を担っている著者の半生記。本文中でたくさんの監督や作品が紹介され、読者の映画鑑賞欲を大いにそそってくる。 数々の映画関係者とのエピソードはいずれもおもしろいが、特に親交の深かったアッバス・キアロスタミ監督についてはフィルモグラフィーに合わせて時系列順に述べているほどに詳細。プライベートでのユーモラスで気さくな一面と、撮影時のしばしば無理難題を吹っ掛けて傍若無人ともとれる振る舞いをする一面の差には驚かされる。また著者を含めたイラン人から見た日本社会・日本人の姿が本文中何度も挿まれ、そこで指摘された歪みや不条理は正鵠を射たものばかり。1994年の著者とキアロスタミが淀川長治と会った際に受けた“無礼”のエピソードには私も怒りを覚えた。
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インスタで知り合ったイラン人の友人が、トトロのショート動画を送ってくれた。ジブリと黒澤明が好きなのだそう。そういえばイランの映画はどんなのがあるんだろうと思って聞いてみたら、うーんと悩んだ顔の絵文字。言ってもわからないと思われたのかも?と思って、自ら研究に乗り出した。世田谷区の...
インスタで知り合ったイラン人の友人が、トトロのショート動画を送ってくれた。ジブリと黒澤明が好きなのだそう。そういえばイランの映画はどんなのがあるんだろうと思って聞いてみたら、うーんと悩んだ顔の絵文字。言ってもわからないと思われたのかも?と思って、自ら研究に乗り出した。世田谷区の図書館、「イラン」で検索したらこれでもかっていうほどヒットして心強い。片っ端から読んでいく所存。 家族の反対を押し切って単身でイランから日本に来て、翻訳家として今も日本で働く著者。日本に入ってきたイラン映画のほとんどに関わっているという。会話調の文章で書かれているから、有名な賞を取った映画の制作秘話を語っている箇所なんかでも、どこかのカフェで知り合いのお姉さんの話を聞いているような感覚で、最初から最後まで軽快で気持ちの良い本だった。いい人なんだろうなあ。日本に来て、慣れない環境と孤独の中で大変なことも経験してきたからこその、器の大きさみたいなものを感じた。 イランの有名な映画監督であるキアロスタミ氏とのエピソードに多くのページが裂かれていたので、必然的に彼の作品に興味を持った。アマゾンプライムで「イラン」と検索してみたら(気になったらすぐ検索するのだ)、彼の作品を含め意外とたくさんの作品がヒットした。この本にはキアロスタミ氏以外の映画監督の名前も出てきたので、メモしておいた。イランと日本の共同制作映画もあると知って驚いた。麻生久美子や西島秀俊が出演している作品があるとか、『永遠の0』の撮影で渡辺謙がイランに行ったとか、日本とイランは歴史的にも文化的にも経済的にも、本当にいろんな関わりがあるんだなあと思った。あー、行きたいなあ。老後の楽しみにしよう。
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1979年に初来日したイラン人女性が、日本での大使館の仕事など経て帰国。その後も日本のドラマの翻訳などを手がけ、現在はイラン映画の監督や撮影のマネジメントに関わりながら日本や各国で活躍されている女性の半生記。どんなに条件が揃っていなくても映画を撮るという監督の情熱は凄いなと感じ、...
1979年に初来日したイラン人女性が、日本での大使館の仕事など経て帰国。その後も日本のドラマの翻訳などを手がけ、現在はイラン映画の監督や撮影のマネジメントに関わりながら日本や各国で活躍されている女性の半生記。どんなに条件が揃っていなくても映画を撮るという監督の情熱は凄いなと感じ、それに振り回される著者を始め役者、スタッフは大変だと思った。巨匠と呼ばれる映画監督には変わった人も多かったようだが、最後のキアロスタミ監督との誤解は少し首をかしげる。そんな些細なことで口もきかなくなるというのは理解できなかった。個人の問題なのか、民族的な違いなのかわからないが、理解が及ばない部分はあるかもしれない。
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