商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | パンローリング |
| 発売年月日 | 2021/07/19 |
| JAN | 9784775942536 |
- 書籍
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馬のこころ
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馬のこころ
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商品レビュー
4.8
5件のお客様レビュー
本当に興味深い本だった。乗馬の際つい馬を人間化してしまいがちな私。おやつにニンジンをあげて気持ちよくなっている私。目からウロコのてんこ盛りでした。一番ズシンときた言葉は、真のホースマン シップは「ウマが最優先」でした。馬と関わっている方は是非読んでいただきたい本です。
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yosimiko0126yumさん の本棚からです。yosimikoさん、ありがとうございます。 馬とは縁もゆかりもないわたしですが、yosimikoさんの「この本は『馬』に限った話ではない。」の一文を頼りに読みました。とっても面白かったです! ガチの乗馬本ですが、単に乗馬...
yosimiko0126yumさん の本棚からです。yosimikoさん、ありがとうございます。 馬とは縁もゆかりもないわたしですが、yosimikoさんの「この本は『馬』に限った話ではない。」の一文を頼りに読みました。とっても面白かったです! ガチの乗馬本ですが、単に乗馬の技術ではなく、脳科学的視点からウマとヒトとの、「異種コミュニケーション」について説明されています。 そして、それはあらゆる種類の「コミュニケーションガイド」としても役立つ内容でした。 まずはお互いの脳の違いを理解することが大切。 ウマの脳は、肉食獣から逃れることを第一として進化したそうです。だから、すばやく行動するために、余計な前頭前野はなし。一方、ヒトの脳は目標管理、時間管理など考えるために前頭前野が発達する方向に進化しています。 そんなヒトであっても、脳が未熟な若者や、脳が老化した人などは、脳がウマに近い状態になってしまうことがあるようです。 う~ん、年々老化しているわたしの脳は、まさに「ヒト、時々、ウマ(逆?)」みたいな存在ですね。自分中心の思い込みをすて、脳のありかたを理解すればよりよい対応が可能なようです。 この本では、そんな「逃げる脳」であるウマたちが(ついでにウマ的脳のわたしも)、ヒトの社会でうまくやっていくことに焦点があたります。 ヒトとウマが非言語コミュニケーションを駆使して、どう学習すればよいかを、調教師であり脳科学者の著者のジャネットさんが説明されていきます。ウマの学習能力には驚きましたが、調教(training)もなかなかのものですね。 読んでいると、ウマの話なのに、ウマ的脳の自分のことや、家族・会社の人たちが思い起こされて、どのように対応したほうがよいのか、参考にることがたくさんありました。ほんとに基礎的内容なので応用が利きそう。ビジネス書よむよりいいかも。 ウマに良いふるまいをさせるための「調教」などは、まさにビジネス書の「習慣づけ」ですね。 ジャネットさんは、ウマとのコミュニケーションをマスターすれば、ヒトや他の動物であっても理解しやすくなると述べられています。ウマと関わらないわたしでも、この本を読むだけで、そう感じることができました。 ところで、乗馬をするかたの男女比は日本で3:7、アメリカだと7~8割が女性だそうです。ふと思ったのは、ウマとのコミュニケーションを学んだ女性たちは、男性に良いふるまいをさせるため、調教(?)するのにも利用しているのかな?ということ。 ジャネトさんも「もし、私たちがみな、真のホースマンがウマを扱うように人々と接することができれば、世界はよりよいものになるはずだ。」(P390)と書かれています。 自分と自分以外の「異種」「他人」との信頼と絆をつくるコミュニケーションに、この本をぜひ活用されてはいかがでしょうか。 ちなみに本書は、「2021年度JRA賞馬事文化賞」受賞、だそうです。
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これはとても面白かった。 なにが面白いのかというと、徹底してコミュニケーションについての指南書になっているからだ。 この本は『馬』に限った話ではない。 完全に『自分』と『他者』について、どう関わるかについての手引き書になっている。 自分=人間の持つ、どうしようもない特性についてが...
これはとても面白かった。 なにが面白いのかというと、徹底してコミュニケーションについての指南書になっているからだ。 この本は『馬』に限った話ではない。 完全に『自分』と『他者』について、どう関わるかについての手引き書になっている。 自分=人間の持つ、どうしようもない特性についてが、この本にはこれでもかと解説されている。もちろん馬についてのアレコレも書かれているのだけれど、私はそこに拘泥する意味を得なかった。 この本は育児本でもあると強く感じた。 親である人間の私は、子どももミニチュアの大人として扱ってしまうが、全然違う。 親である人間の私は、社会という狩り場で狩りをする捕食者だが、根本的にこどもは違う。社会という環境に放り出された被食者だ。捕食者である大人と被食者である子どもは生き残りの戦略が違う。環境に対しての解像度も解釈も違う。それを考えに入れないで、子どもが衝動的に逃げ出したいと感じること、怖いと感じて逃避を試みることを悪し様に批判することは、問題の解決にはほど遠い、むしろ拗らせる結果になる。 この本では、徹頭徹尾、自分の見えている世界と馬=他者の見えている世界は違うのだと主張する。コミュニケーションとは、その見えている世界が違うことを折り込んで、お互いにとってのベストを模索し、お互いの本能について折り合いを見つけ、幸福な結果を導くことにある。 この本を読んでいる間、ずっと既視感がまとわりついていた。テンプル・グランディンの『動物感覚』を読んだ時に感じたある種の感動に通底するものがあった。 しかし、この本は『動物感覚』よりも後年に出ているため、かの本よりもずっとアカデミックである。かつてまだ曖昧だった論が科学者たちの奮戦によって明瞭化しているため、サイエンス寄りになっている。つまり裏付けが明文化されているわけだ。 少し話がズレたが、この本はぜひ発達障害児を育てている保護者の方々に読んでもらいたい。私の子は、発達障害児なのだが、もっと早くこの本に出会えていたならば、子の大変さを理解し寛容になれたのではないかと思い。少しだけ胸が痛い。 人間は前頭葉が発達していて、脳の41%を占めている。このせいで目的を設定して動くのが当たり前になっているのだが、この前頭葉が成熟するためには時間がかかる。だいたい25歳で成熟状態になるということなので、それよりも前の段階、10代などはより馬に近い状態らしい。それを考えに入れると、『今の若者は』などという言説も、なんだか腑に落ちる感覚のような気がする。
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