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対訳でたのしむ 善知鳥
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対訳でたのしむ 善知鳥

竹本幹夫(著者)

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対訳でたのしむ 善知鳥

770

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 檜書店
発売年月日 2021/06/12
JAN 9784827911114

対訳でたのしむ 善知鳥

¥770

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2025/04/04

「善知鳥」と書いて、「うとう」と読みます。 いくつかの説話を組み合わせたようなお話で作者は不明。世阿弥よりは後の時代の作品のようです。 陸奥に向かおうとする諸国行脚の僧が霊山・立山に立ち寄り、地獄谷を見物してその有様に恐れおののきます。僧が下山すると、1人の老人が呼び止め、願い...

「善知鳥」と書いて、「うとう」と読みます。 いくつかの説話を組み合わせたようなお話で作者は不明。世阿弥よりは後の時代の作品のようです。 陸奥に向かおうとする諸国行脚の僧が霊山・立山に立ち寄り、地獄谷を見物してその有様に恐れおののきます。僧が下山すると、1人の老人が呼び止め、願いがあるといいます。老人は僧が陸奥に向かうのを知り、伝言を頼みます。陸奥で猟師をしていた者が昨年亡くなったが、その妻子に形見の品を渡してほしいと言うのです。僧はとても信じてもらえないだろうと断りますが、老人は自身の袖を解いて渡し、これを見ればわかるはずと言って消えていきます。つまり、この老人自身が亡くなった猟師の幽霊だったということですね。 僧は不審に思いながらも陸奥を訪れ、猟師の妻子を探し当てます。すると、残っていた着物にその袖がぴったりと合ったのです。・・・ここ、よく考えると死んだ人の着物を解いた袖がどうして故郷に残っていた着物に合うのかちょっとおかしいのですが、皆、これで立山に現れた老人が陸奥国の猟師だったのだと納得します。そこで、僧は経を詠んで回向します。 そこに猟師の亡霊が現れます。 猟師は生き物を狩った罪で、地獄へ落とされたといいます。とりわけ罪深かったのは、幼鳥を捕えるために、親鳥の鳴き声を真似したこと。 みちのくの外の浜なる呼子鳥 鳴くなる声はうとうやすかた 呼子鳥という鳥は、親が「うとう」と呼ぶと、子は「やすかた」と答える習性があるといいます。つまり、親鳥の真似をして、「うとう」と呼べば、子鳥の居場所がわかってしまうわけです。猟師はそれを利用して数多くの雛を捕ってしまった。その報いで、今は自分の子供に触れることもできなくなり、地獄で化鳥と化した親鳥の黒鉄のくちばしに、際限なく苛まれているというのです。 こうなって見て初めて親鳥の悲しみ・苦しみがわかった。どうか助けてくださいと言って消えていきます。 この猟師、最後まで救われないのですね・・・。 確かに親鳥の真似をして雛を騙すのはちょっと罪深い感じはしますが、それにしても苛烈だなぁ・・・。当時の仏教思想を反映しているのでしょうか。猟師だけでなく、漁師も出てきてこちらも地獄で苦しんでいます。 殺生するなよ、ということなのでしょうが、この時代、鳥や魚はそれなりに(特に身分の高い人や裕福な人は)食べていたんじゃないですかね・・・? 手を下す者=漁師や猟師だけが罪深いような話の運びはちょっとどうかなぁ、という気もします。 善知鳥は実際に青森県に生息するウミスズメ科の海鳥です。ただこの演目の善知鳥は伝説上の鳥という感じでしょうか。現存する海鳥の善知鳥は「うとう」「やすたか」と呼び交わしたりはしないようです。 「うとう」の当て字はいくつかあるようですが、「善を知る鳥」というのはこの演目の重みを増している感じがします。

Posted by ブクログ