商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2021/06/16 |
JAN | 9784151832536 |
- 書籍
- 文庫
天使と嘘(上)
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天使と嘘(上)
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商品レビュー
3.9
18件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
下巻まで読了。 臨床心理士・サイラス、児童養護施設で暮らす少女・イーヴィ、それぞれに凄絶な過去を持つふたりを主人公に据えたミステリ小説。シリーズ第1巻。 ミステリ要素も面白いけれど、それ以上にふたりのキャラクターと関係性が印象深かった。 訳者も指摘しているように、「自己破壊と自己嫌悪の傾向が強いが、聡明で芯の強い情熱的な少女」であるイーヴィは『ミレニアム』のリズベットを思い出させる。しかしイーヴィの方がさらに若く、寄る辺ない身の上であるからか、読んでいてはらはらさせられる度合いはこちらの方が強い。そしておそらくその分だけ、イーヴィとサイラスとの心の交流が温かいものになっているのだと思う。 イーヴィの過去の解明や、今後、彼女が自由を手に入れられるのかどうかなどについては、次巻以降に持ち越し。次巻も楽しみにしたい。
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サイラスとイーヴィの出会いと 殺人事件の捜査が上巻のメイン 下巻でイーヴィがどう事件に絡んでくるのか 二人の仲はどうなっていくのか 恋愛っぽくなってほしくないなぁと思う そんなに進展はないので人によっては退屈に思うかもしれませんが、やっぱりミステリー系は個人的にはサクサク読めま...
サイラスとイーヴィの出会いと 殺人事件の捜査が上巻のメイン 下巻でイーヴィがどう事件に絡んでくるのか 二人の仲はどうなっていくのか 恋愛っぽくなってほしくないなぁと思う そんなに進展はないので人によっては退屈に思うかもしれませんが、やっぱりミステリー系は個人的にはサクサク読めました
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フィギュアスケートの期待の星として将来を期待されたジョディ・シーアンが死体で発見されたのは、地元の花火大会の翌日だった。15歳のジョディの遺体には性交の跡があり、その髪の毛には精液がかけられていた。警察は近所に住む前科者の男を逮捕する。精液のDNAも一致した。だが、この物語の主人...
フィギュアスケートの期待の星として将来を期待されたジョディ・シーアンが死体で発見されたのは、地元の花火大会の翌日だった。15歳のジョディの遺体には性交の跡があり、その髪の毛には精液がかけられていた。警察は近所に住む前科者の男を逮捕する。精液のDNAも一致した。だが、この物語の主人公の片割れであるサイラス・ヘイヴンは、ジョディを殺害したのはこの男ではないと考え、別の面から調べてみることにした。 サイラスは刑事ではない。幼少期の彼の身の上に起こった事件を担当した刑事(今は警部)に、時々頼まれて捜査の助言をしている。本業は臨床心理士だ。古くて広い家に住み、携帯電話を持たず、背中には一面に鳥の美しいタトゥーが入っている一風変わっているが魅力的な男として描かれている。 彼は児童養護施設でもう一人の主人公、イーヴィ・マーコックと出会う。彼女は6年前、拷問された形跡のある男の死体が見つかった民家の隠し部屋に、たった一人で身を潜めているところを発見された。名前も年齢も家族も何もかも分からず、またそれらは彼女の口からも語られることはなかった。 イーヴィには嘘を見抜く能力があり、それが故、行く先々で問題を起こしてきた。確かに人は多かれ少なかれ嘘をつきながら生きる生き物なので、それをいちいち見破られたり指摘する人がいたら腹が立つだろう。 上巻は、この二人の出会いから同居生活を始めるまでが中心として書かれている。それぞれが交互に語り手になりながら、丁寧にお互いの心情が描かれているので、殺人事件自体はまだそれほど大きな動きはない。もしかしたらそれを退屈に思う人もいるかもしれないが、わたしは面白く読んだ。 章の終わりがセリフで終わるのも好き。 全体的にドライな文体の訳も好みだ。 この二人が今後どのような関係性を、どうやって築いていくのか、事件の解明とともにとても興味がある。 イーヴィの嘘を見抜く特殊な能力は、まだ事件解明に使われていない。どう捜査に関わってくるのか、それも楽しみだ。
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