天使と嘘(上) の商品レビュー
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下巻まで読了。 臨床心理士・サイラス、児童養護施設で暮らす少女・イーヴィ、それぞれに凄絶な過去を持つふたりを主人公に据えたミステリ小説。シリーズ第1巻。 ミステリ要素も面白いけれど、それ以上にふたりのキャラクターと関係性が印象深かった。 訳者も指摘しているように、「自己破壊と自己嫌悪の傾向が強いが、聡明で芯の強い情熱的な少女」であるイーヴィは『ミレニアム』のリズベットを思い出させる。しかしイーヴィの方がさらに若く、寄る辺ない身の上であるからか、読んでいてはらはらさせられる度合いはこちらの方が強い。そしておそらくその分だけ、イーヴィとサイラスとの心の交流が温かいものになっているのだと思う。 イーヴィの過去の解明や、今後、彼女が自由を手に入れられるのかどうかなどについては、次巻以降に持ち越し。次巻も楽しみにしたい。
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サイラスとイーヴィの出会いと 殺人事件の捜査が上巻のメイン 下巻でイーヴィがどう事件に絡んでくるのか 二人の仲はどうなっていくのか 恋愛っぽくなってほしくないなぁと思う そんなに進展はないので人によっては退屈に思うかもしれませんが、やっぱりミステリー系は個人的にはサクサク読めま...
サイラスとイーヴィの出会いと 殺人事件の捜査が上巻のメイン 下巻でイーヴィがどう事件に絡んでくるのか 二人の仲はどうなっていくのか 恋愛っぽくなってほしくないなぁと思う そんなに進展はないので人によっては退屈に思うかもしれませんが、やっぱりミステリー系は個人的にはサクサク読めました
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フィギュアスケートの期待の星として将来を期待されたジョディ・シーアンが死体で発見されたのは、地元の花火大会の翌日だった。15歳のジョディの遺体には性交の跡があり、その髪の毛には精液がかけられていた。警察は近所に住む前科者の男を逮捕する。精液のDNAも一致した。だが、この物語の主人...
フィギュアスケートの期待の星として将来を期待されたジョディ・シーアンが死体で発見されたのは、地元の花火大会の翌日だった。15歳のジョディの遺体には性交の跡があり、その髪の毛には精液がかけられていた。警察は近所に住む前科者の男を逮捕する。精液のDNAも一致した。だが、この物語の主人公の片割れであるサイラス・ヘイヴンは、ジョディを殺害したのはこの男ではないと考え、別の面から調べてみることにした。 サイラスは刑事ではない。幼少期の彼の身の上に起こった事件を担当した刑事(今は警部)に、時々頼まれて捜査の助言をしている。本業は臨床心理士だ。古くて広い家に住み、携帯電話を持たず、背中には一面に鳥の美しいタトゥーが入っている一風変わっているが魅力的な男として描かれている。 彼は児童養護施設でもう一人の主人公、イーヴィ・マーコックと出会う。彼女は6年前、拷問された形跡のある男の死体が見つかった民家の隠し部屋に、たった一人で身を潜めているところを発見された。名前も年齢も家族も何もかも分からず、またそれらは彼女の口からも語られることはなかった。 イーヴィには嘘を見抜く能力があり、それが故、行く先々で問題を起こしてきた。確かに人は多かれ少なかれ嘘をつきながら生きる生き物なので、それをいちいち見破られたり指摘する人がいたら腹が立つだろう。 上巻は、この二人の出会いから同居生活を始めるまでが中心として書かれている。それぞれが交互に語り手になりながら、丁寧にお互いの心情が描かれているので、殺人事件自体はまだそれほど大きな動きはない。もしかしたらそれを退屈に思う人もいるかもしれないが、わたしは面白く読んだ。 章の終わりがセリフで終わるのも好き。 全体的にドライな文体の訳も好みだ。 この二人が今後どのような関係性を、どうやって築いていくのか、事件の解明とともにとても興味がある。 イーヴィの嘘を見抜く特殊な能力は、まだ事件解明に使われていない。どう捜査に関わってくるのか、それも楽しみだ。
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想像上のサイラスは中肉中背のイカしていない臨床心理士かと思ったが、身体を鍛えたりしていたり、全身にタトゥーが入っているので少し俗っぽい感じなのかも。 イーヴィーは17歳のカルテのアンジーっぽい容姿かな。 ジャケ読みだったけど、面白い作品に出会えて良かった。
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嘘発見器が2台です 臨床心理士のサイラスと嘘を見抜く少女イーヴィが出会い、コンビ結成までの信頼関係を徐々に構築しつつある上巻です サイラスの方もイーヴィほど絶対的ではないですが、心理学を駆使して相手の嘘を見抜きます つまり二人共に嘘発見器なのです この相手の心の内を感じ取...
嘘発見器が2台です 臨床心理士のサイラスと嘘を見抜く少女イーヴィが出会い、コンビ結成までの信頼関係を徐々に構築しつつある上巻です サイラスの方もイーヴィほど絶対的ではないですが、心理学を駆使して相手の嘘を見抜きます つまり二人共に嘘発見器なのです この相手の心の内を感じ取る二人が代わる代わる語り手をつとめて物語が進んで行くのがこの物語の肝ですよね 登場人物全てが二人の視点でがんがん丸裸にされていきます そこに二人の持つ壮絶な過去が説得力を与えます そしてそして登場人物ば丸裸なのに二人の心の内は謎に包まれたまま この対比が二人の主人公の深みを与えてるんですよね 巧いなぁ〜 あまりに巧すぎてそこしか印象にのこらなかった上巻 果たして二人はどんなチームになるのか? 楽しみすぎる下巻へ!
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※このレビューにはネタバレを含みます
「哀惜」の後ろの広告で見て。 どうして人は、特殊な才能を持つ人間に引き付けられるのだろう。 ミレニアムのリスベットしかり、 「ストーンサークルの殺人」のティリーしかり。 いや、キャロル・オコンネルのマロリーや ジェフリー・ディーヴァーのキャサリン・ダンスには、 それほど惹かれないので、 この作品のイーヴィの魅力はそれだけではないらしい。 イーヴィは嘘を見破る少女。 ある民家の隠し部屋に隠れていたのを発見され、 エンジェル・フェイスと名付けられた。 いろいろな調査にもかかわらず、身元は特定できず、 問題のある子供たちの養護施設で自称18歳を迎えようとしていた。 もう一人の主人公のサイラスも、 兄によって両親と双子の妹たちを殺された壮絶な過去を持つの臨床心理士。 イーヴィがいる養護施設で職員をしている大学時代の同級生に頼まれ、 彼女に会う。 サイラスは警察の捜査にも協力していて、 アイススケートのチャンピオンの女子中学生が殺された事件も追っていく。 (下巻へ続く)
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心理療法の人がいちおう主役なので、事件は起こっていて解決に向かっているような気もするが、ミミズのような足取りである。知り合いの刑事に頼まれて相談役的な。それと別物件で、昔殺人現場に潜んでいた少女を引き取って生活するようになる。なんだか嘘が見抜ける特技がある。生き様プラス能力のせい...
心理療法の人がいちおう主役なので、事件は起こっていて解決に向かっているような気もするが、ミミズのような足取りである。知り合いの刑事に頼まれて相談役的な。それと別物件で、昔殺人現場に潜んでいた少女を引き取って生活するようになる。なんだか嘘が見抜ける特技がある。生き様プラス能力のせいで少女は荒みまくっている。その心療内科医も過去に家族を兄に惨殺されていて、結構根深いものがある。自分的にはあらすじとかどーでも良くて、読んでて気持ちいいか悪いかで、この本は気持ちよかった。なので下巻も読んでる。
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臨床心理士という資格でもって公的捜査に加わっているという英国の警察制度がよく分からないままではあるが、ともに精神的不安定さを抱えた少女と男
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まあまあ面白かった。特に驚くような展開ではなく、想定の範囲内だった。受賞作との事で内容はちゃんと読ませるし、結末も悪くはなかった。だが、あまり満足度は高くない。主人公の設定があまり良くないのと、もう一人の女性の主人公もリスベットサランデル風で最近の流行りのようでもあり、真犯人もそ...
まあまあ面白かった。特に驚くような展開ではなく、想定の範囲内だった。受賞作との事で内容はちゃんと読ませるし、結末も悪くはなかった。だが、あまり満足度は高くない。主人公の設定があまり良くないのと、もう一人の女性の主人公もリスベットサランデル風で最近の流行りのようでもあり、真犯人もそれほど驚きはない。
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英国推理作家協会賞、ゴールド・ダガー受賞。 海外新作は、冒険できないのでどうしても受賞作を。 ただ、翻訳が越前氏だったので、躊躇わずにチョイス。 正解~、読みやすくてすぐに物語に入って行けます。 二人の並外れた境遇と事件がどう絡まっていくのか、ぞくぞくしながら、読み進めてあっ...
英国推理作家協会賞、ゴールド・ダガー受賞。 海外新作は、冒険できないのでどうしても受賞作を。 ただ、翻訳が越前氏だったので、躊躇わずにチョイス。 正解~、読みやすくてすぐに物語に入って行けます。 二人の並外れた境遇と事件がどう絡まっていくのか、ぞくぞくしながら、読み進めてあっという間に後半に続いていく・・・
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