先端で、さすわ さされるわ そらええわ ちくま文庫

川上未映子(著者)

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2021/04/12
• JAN: 9784480437341

商品レビュー

2025/10/24

脳内ダイアローグのようでいてそうでなく、言語の不可能性を知っていながらもわりと言葉が人為的で、どろりとした恋愛表象をしている。気になる。

2022/07/13

想定のデザインと、タイトルの言葉の響きで購入。
川上美映子先生は本当に艶かしい文章を書くなあといつも思うけれど、これは格別だった。
後ろから覗かれていたら、私がすごく禁忌を犯しているのでは？って思わされるくらいに想像力に溢れていて生命力を感じた。

言葉の意味を追いかけることができなくて 今は流し読みしてしまったけれど、全て深く感じ取られるようになりたいな〜

2022/05/22

「彼女は四時の性交にうっとり、うっとりよ」
彼女の文章を読むと、自分の中でなあなあにしたこと、置き去りにできず一つ残らず抱えてどんどん重たくなって苦しいこと、あたかも全てが光を以て書き表されているかのようで、ああ全て忘れたくないと、考えたい、分からないままでいたいともどかしくなる。強風で窓ガラスがばりばり言うような、そんな文章。

＞推論はときどきにおいて模写されます／未解決のままで、正しくもあって、間違ってもいる、のちょうどまんなかを、推論の拮抗はうっとりと糊付けしながら

人間のどうしようもないつまらなさと、それでも引き合うどうにもならなさと、どうしたらこんな言葉が思いつくんだろ、そして川上未映子も鳩こわいのかな

「象の目を焼いても焼いても」
春のこわいものに通じてる感じめっちゃある。
ただ暮らす、だけなのに足は動く、人は動く、社会は動く、正義は動く、
そしてそれらの蓄積(図書館)に圧倒される。積む、ということは、どんどんうず高く、届かなくなっていくということで、それは確かに「突き放す」ことに似ている。

「告白室の保存」
恋する、自他の境界を失いつつある人への戒め
好きな人が「僕」というだけで好き、わかる
それを接吻と喩えるロマンと自分勝手さよ