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『新青年』名作コレクション ちくま文庫
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『新青年』名作コレクション ちくま文庫

アンソロジー(著者), 『新青年』研究会(編者)

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『新青年』名作コレクション ちくま文庫

1,760

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2021/04/12
JAN 9784480437303

『新青年』名作コレクション

¥1,760

商品レビュー

3.7

5件のお客様レビュー

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2023/11/24

大衆娯楽雑誌なら、誌面に世相が反映されるのはなおさらのこと。各章末の編集後記にあたる記事にも如実に表れている。戦時中に掲載された作品群を読めば、当時の大衆読者のニーズの一端を窺うことができて面白い。『新青年』といえば探偵小説だから、かえって純粋な探偵小説ではない作品が印象に残った...

大衆娯楽雑誌なら、誌面に世相が反映されるのはなおさらのこと。各章末の編集後記にあたる記事にも如実に表れている。戦時中に掲載された作品群を読めば、当時の大衆読者のニーズの一端を窺うことができて面白い。『新青年』といえば探偵小説だから、かえって純粋な探偵小説ではない作品が印象に残った。『聖汗山の悲歌』(1940年)や『放浪の歌』(1950年)が。

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2022/12/12

「未来望遠鏡」「印字電信機」は、約100年前に未来=現代のテレワーク・通信教育を予見している。新聞もネットの即時性に負けている様子、大学の講義がネット配信など的中している。古さより、他にも、文章に勢いが感じられる。「新青年」の名作アンソロジーである。

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2021/05/03

 『新青年』は、出版界の雄博文館から1920年に創刊され、1950年まで存続した雑誌である。  探偵小説ファンであれば、乱歩や甲賀三郎が登場して日本人作家による探偵小説の隆盛を招き、その後も夢野久作、小栗虫太郎、久生十蘭といった作家を輩出したことは良く知られていることだろう。  ...

 『新青年』は、出版界の雄博文館から1920年に創刊され、1950年まで存続した雑誌である。  探偵小説ファンであれば、乱歩や甲賀三郎が登場して日本人作家による探偵小説の隆盛を招き、その後も夢野久作、小栗虫太郎、久生十蘭といった作家を輩出したことは良く知られていることだろう。  そうしたことに加え近年は、都会的マガジンとしてモダニズムの発信源となった点に光が当てられており、そうした方向に先導した、編集者としての森下雨村、横溝正史、水谷準等にも関心が寄せられている。     本書は、そうした『新青年』の多面的な魅力に関する研究を行なってきた『新青年』研究会により編まれたアンソロジーである。     30年に渡る歴史を横断的に通して、各時代の特徴的な作品が紹介されている。時局の推移により逼塞した作家の転身とみなされてきた(実際そうしたことはあったのだろうが)戦争もの、時代もの、冒険・秘境小説は、今回初めて知った作品がほとんどだったし、意外に面白く読めた。  本書の刊行時期に、神奈川近代文学館で『永遠に「新青年」なるもの』と題した展示会が開かれていたので見に行ってきた。各作家の自筆原稿や葉書・手紙のやり取り、挿絵画家の作品などがメインの展示物だが、圧巻は創刊号から最終号まで400冊に上る雑誌表紙をずらっと面展開した展示であった。もともと地方青年向けの雑誌として出発したことを窺わせる表紙デザインが女性の顔に、さらにスタイリッシュなものに、戦争の足音が近くなると軍事関係のものにと、時代の変化を如実に示している。  本書を出発点に、気に入った作家の他の作品群に分け入るのも良し、雑誌と時代との歴史的関係を考察するのも良し、いろいろな楽しみ方ができると思う。

Posted by ブクログ

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