商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本評論社 |
発売年月日 | 2021/03/23 |
JAN | 9784535789234 |
- 書籍
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詰将棋の世界
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詰将棋の世界
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「詰将棋がはじめて創られてから四百年余りたちますが、最初こそ実際の終盤の局面の抜粋でしかなかった詰将棋はやがて将棋の実戦から離れ、独自の進化を遂げました。駒の動かし方などのルールこそ共通していますが、もはや詰将棋は将棋の対局とは別の独立した世界を持っています。将棋というゲームが手...
「詰将棋がはじめて創られてから四百年余りたちますが、最初こそ実際の終盤の局面の抜粋でしかなかった詰将棋はやがて将棋の実戦から離れ、独自の進化を遂げました。駒の動かし方などのルールこそ共通していますが、もはや詰将棋は将棋の対局とは別の独立した世界を持っています。将棋というゲームが手に汗握る名勝負で見る人を熱中させてきたように、詰将棋もまた多くの人を虜にしてきました。そこには、ただ将棋を指しているだけでは知り得ないような、広大で豊かな沃野が広がっているのです。(「まえがき」より)」 詰将棋界の権威ある「看寿賞」を2003年に受賞した筆者による、詰将棋の入門書。雑誌『数学セミナー』上の連載記事をまとめたものとなっている(筆者も代数幾何を専門とする数学者である)。元々想定されている読者層が特殊なこともあってか、解説は、論理的に組み上げられた数学書の匂いがする。 上に「詰将棋の入門書」と書いたが、本書を「入門書」と呼ぶことには躊躇いがある。正直なところ、詰将棋のことを何一つ知らない初心者には、本書を読み通すことは困難なように思う。そうではなく、詰将棋のルールはよく把握しているが詰将棋を解くのはあくまで実戦の終盤力強化のためだけで、そこから一歩踏み込めば広く深い世界が広がっていることを知らない(知らなかった)という人にぴったりハマる一冊ではないだろうか。敢えて言えば、本書は「詰め問題」の入門書ではなく、「詰め作品」の入門書なのである。 扱われているテーマも、普通の入門書によくある「金はトドメに残せ」とか「玉は下段に落とせ」とかではなく、詰将棋の専門誌で扱われるような高度な構想や趣向ばかりである(例えば、成生打診や限定打、回収手筋など)。これは、筆者がまさに詰将棋創作の最前線にいるからこそ書けるもので、流石だと思わされた。 4章は伝統ルールから離れ、フェアリールール(変則ルール)に基づいて作られた詰将棋の紹介となっている。通常のルールに慣れた身としては、フェアリー独特の世界がとても新鮮で楽しめた。詰将棋の入門書で、丸々一章を割いてフェアリーを扱うことには賛否両論あるかも知れないが、近年のトレンドの一つとしてやはり外せないところではないだろうか。
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