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古典籍の世界を旅する お宝発掘の目利きの力 平凡社新書964
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 平凡社 |
発売年月日 | 2021/01/17 |
JAN | 9784582859645 |
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古典籍の世界を旅する
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商品レビュー
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史的価値がある筆写本、直筆の書簡、浮世絵などの絵画。それらを塊集するということは高尚な趣味で、実に夢のある話だと思う。明治以来の資産家たちが取り組んできたことが良く分かるが、著者(安土堂書店)のような古本屋経営者たちもまた力を入れていた分野なのだ!弘文荘の反町茂雄氏、そして大阪青...
史的価値がある筆写本、直筆の書簡、浮世絵などの絵画。それらを塊集するということは高尚な趣味で、実に夢のある話だと思う。明治以来の資産家たちが取り組んできたことが良く分かるが、著者(安土堂書店)のような古本屋経営者たちもまた力を入れていた分野なのだ!弘文荘の反町茂雄氏、そして大阪青山短大理事長を務めたという塩川利員氏などとの古書漁りの逸話が面白い。藤原為家筆の「土佐日記」を巡る反町・塩川氏の売買実話。著者の「梁塵秘抄」の江戸時代の写本との出会い。岩倉具視への海外使節の「勅旨」の現物…。いずれも過去の人物との出会いを感じる感動の時だと思う。
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今年の図書館総合展、古書店主である著者の講演において紹介された一冊。講演自体も楽しく拝聴したが、本著も専門的知識がなくても読みやすく興味深く拝読した。 著者の父君が13歳で就職し、生涯図書に携わり勉強し続けた話や業界の師である反町茂雄氏が自費出版で古典籍目録を制作し配布した話...
今年の図書館総合展、古書店主である著者の講演において紹介された一冊。講演自体も楽しく拝聴したが、本著も専門的知識がなくても読みやすく興味深く拝読した。 著者の父君が13歳で就職し、生涯図書に携わり勉強し続けた話や業界の師である反町茂雄氏が自費出版で古典籍目録を制作し配布した話など、業界人の勤勉さや実直さが感じられ、見習いたいものだと思った。最終章では日本の古典籍のポテンシャルの高さと評価されていない現状を訴え、図書館への期待も述べられている。 新しいものにばかり目を向けがちだが、温故知新の言葉のとおり、古いものにも知識は溢れている。古い資料の保存管理は「知識の宝庫」と言われる図書館の役割であると再認識させられた。
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八木さんは毎月『日本古書通信』に連載記事を書いているから、この本もすぐとびついた。中身は想像した以上に面白いものだった。八木さんは、ぼくとほぼ同じ年で、大学を卒業してすぐに雄松堂書店という洋古書店に入社、その後安土堂書店を創業して今にいたっている。八木さんにいわせれば、仕事は半分...
八木さんは毎月『日本古書通信』に連載記事を書いているから、この本もすぐとびついた。中身は想像した以上に面白いものだった。八木さんは、ぼくとほぼ同じ年で、大学を卒業してすぐに雄松堂書店という洋古書店に入社、その後安土堂書店を創業して今にいたっている。八木さんにいわせれば、仕事は半分で、あとは研究・執筆に時間を注いでいるという。 八木さんは古典籍の権威ともいうべき反町茂雄さんに師事し、洋書も日本の古文書も読める人で、たびたび反町さんに同行してヨーロッパの図書館、古書店を回っている(ぼくはその報告書ももっていたが、退職の際売ってしまった)。その半分は古書の買い付けである。八木さんのすごいのは、珍しい古書が出てきたときに、それが価値あるものかどうかを嗅ぎ分けられるという点である。もちろん、これには長年にわたる研鑽があるのだが、八木さんが見出したものは、国宝級から重要文化財級というものばかりである。ぼくは自分の関心が幕末の洋学であるので、とりわけ興味深く読んだ。たとえば、ロンドンにあった川原慶賀の「長崎出島図」、「オランダ船図」。シーボルトの『薬品応手図』、姉乙女宛の龍馬の婚約者に夢中になっている手紙、伊能忠敬の「大日本沿海輿地全図」の原図、吉田松陰の「野山獄文稿」、ベルリンでのオークションにおけるシーボルトの手紙、オランダ通詞本木昌造文書等々。こういう貴重なものをつぎつぎと発見していった八木さんのご健康を祈る次第である。
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